ラヂオアクティヴィティ[Ra.] 第二部・国境なき恐怖 159ソーラークッカー ![]() 「そのとおりだよ。銀紙、ここでレンジの下などに敷くのでやったけどね。光を集めただけだよ」 「太陽光ってすごいね。すごすぎて暑くてまいってしまうよ」 だから、室内に行こうと話す。 「太陽電池だけでなく、いろいろな環境にいいエネルギーを各国の人が開発しようと努力しているよ。ジャガイモからガソリンをつくりだすことは成功したらしいよ」 「特にドイツではいろいろな試みをしているよ。昔、朝鮮の人たちは、動物の堆肥を利用して、暖房のエネルギーにしていたという。ドイツの人たちも、同じ発想で、自分たちのしたもので、メタンガスをつくりだして、それで発電するというシステムを開発している人たちもいる。メタンガスの威力は思っているよりもすごいものらしい」 「メタンガスは野菜のクズとかなどでもつくれるよね。扱いづらいエネルギーだと思うけども……。バイオテクノロジーでその問題を解決しようとしている。メタンガスは細菌がつくりだすらしいからなあー」 「そういうのをバイオマスエネルギーっていうのさ」と博士。 「バイオマスエネルギーって、詳しく説明してよ」 「バイオマスとは、元来生物学の分野で生物の現存量を表す用語だよ。エネルギー資源の分野では、ある一定量集積した生物体に由来する有機資源のことであり、化石資源は除くと定義されていたと思うよ、バイオマスの燃焼、発酵などにより得られるエネルギーをバイオマスエネルギーというのさ」 「石油はいわないってことだね」 「そうだよ。バイオマスの特徴は五つの特徴がある。第一に、莫大な量があるということ。 現在、地球上のバイオマスの賦存量は約二兆トンのうち毎年二千憶トンが光合成により再生産されているのさ」 「約二兆トンというのはすごいよなー。バイオマスエネルギーかあー」 「第二に、再生産可能 であること。賦存量二兆トンのうち毎年二千憶トンが光合成により再生産されことが可能なのさ」 「石油は再生産なんてできないものなあー」 「第三に貯蔵性と代替性があるってことかなあー。原料あるいは生産物である液体燃料や期待燃料の段階で一時貯蔵し、液体、ガス燃料として現存の生産プロセスに直接代替が可能である」 「石油もあるよね、そうだよね」 「低環境負荷という面も見過ごしていけないと思う。燃焼しても硫黄酸化物や窒素酸化物が非常に少ないため、大気汚染などの被害が少ない」 「そこは石油とは違うところだよね。いいことだよね。それなら、呼吸器疾患にかかっている人にもよいことだよね」 「第五に、バイオマスは大気中の二酸化炭素を吸収・固定するため、燃焼としても同量のバイオマスが再生産されるかぎり、地球全体の二酸化炭素バランスを崩さないということだよ」 「すごいなあー。特に第一と第五がバイオマスエネルギーの価値があるってことだよね」 「ドイツでは、研究している人たちがいて、近い将来には実用化されるだろうってさ」 「北海道ではじまった風力発電もあるし、新幹線に乗っているとき、車窓から見ていた、あの屋根につけられた、パネルヒーターもクリーンなエネルギーといわれているのでしょう」 「夏なんて、風呂を沸かさずとも、そのまま入浴できるからなあー。すごいと思うよ。僕の子供のときからあったけどなあー」 「ゴミ発電というのもあるでしょう」
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