ラヂオアクティヴィティ[Ra.] 第一部ブロック・バスター 043平和公園へ ![]() 夏八木は明日の予定を話す。 「明日は……。希望者だけだけど、記念式典に参加してくれない?」 夏八木は涼しい顔をしている。 気が入っているのだろう。 この記念式典に子どもたちが参加することを世界中に伝えるのだ。 子どもたちが、どんなに戦争を嫌っているか、 それだけでも、見ている大人たちが、 わかってくれたらいいと夏八木は思っていた。 それに、今、そんなことを話すのは、 今日の見学で、子どもたちがショックを受けて、 夏八木の話すことなんて、 何も聞いてはくれない状態になるのではないかと配慮したからであった。 「記念式典には、毎年、世界中の人たちが集まります。 みんなが平和を願って、式典に参加して欲しいのです」 「マイク、どうする?」 「もちろん、参加するよ。平和は大切なことだ。 これが、真珠湾であったら、本当はもっとよかった気がするよ。 何も罪もない人たちが殺された。軍国主義に毒された人たちじゃなかった」 勇気は首を左右に振った。 広島の人たちだって、多くは罪もない人たちだったと想うし、 赤ちゃんだって、小さな子どもだって、無差別に焼き殺したじゃないか! しかし、マイクの頭ではそのような思考はしてなかった。 日本は全体主義者であって、子どもだって、兵器を作っていたのだ。 人殺しの道具を戦場に送っていたのだ。 赤ちゃんだって、いずれは、キラー・マシーンにされていたことだろう。 それはマイクの父親が話していたことでもある。 平和記念資料館の近くの駐車場にバスは止まった。 勉は懐かしい気持ちになった。 広島は第二の故郷みたいなものだ。 いや、東京が第二かな……。 ならば、第三かも……。 しかし東京より先は広島である。 「まだ、時間があるわね」 女医の桜田が時計を見た。 平和公園の中に平和記念資料館はある。 「十時まで時間があるわね。 それまで休憩しましようね。 この公園の中で、自由行動にします」
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