『知事抹殺-つくられた福島県汚職事件-』
佐藤栄佐久・著/平凡社2009年
原子力産業と地検関係者……。
そして、反原発の知事が逮捕され、無罪となるが、知事としては抹殺されていた……。
--このような巨悪に、国のメスがいれらないとは、この国は民主主義国家であるとは言えないのでは?
チェルノブイリ事故の影響。中曽根康弘と外遊……。下「」引用。
「-略-中曽根氏の東欧訪問に、チェルノブイリはついてまわることになった。
訪問国はこれらの国と国境を接するところが多く、晩餐会には、出された肉を指して、
「これはチェルノブイリで汚染されていない肉です」
といちいち説明があった。
この経験が、原子力事故の恐ろしさと、ひとたび起こってしまうと、一国では終わらない広がりをもつということについての、私の原体験となった。」
目 次
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「福島第二原発部品脱落事故」 下「」引用。
「東京電力はこの事故を正月の間隠し続け、事故を報告した一月六日も、異常を示す警報を鳴りっ放しにして七時間も運転を続けていたこともわかった。-略-」
「役人には顔がない」 下「」引用。
「前年確認したばかりの通産省との約束があるので、すぐにその課長と連絡をとろうとしたところ、もうすでにその課長は異動して、いなくなっていた。約束は「なかったこと」になっていたのだ。
国と福島県の約束を反故にして、福島県を代表する知事をだますということは、二一○万県民をだますとの一緒だ。中央政府と地方政府の約束なのにだ。
役人には顔がないのである。
私は、「原子力政策は、もう国や電力会社だけに任せておけない」という意思を強くした。-略-」
ICUの村上洋一郎。下「」引用。
「第二回検討会で、国際基督教大学教授の村上陽一郎氏は、原子力を支える科学技術と現代社会の関係について講演され、その中で「安全学」という耳に新しい学問領域の話をされた。
「有り得ないことが次々に起きる」ということは、「起こるべくして起きている」のと同じ意味なのだ、これらはすべて日本社会に内在する問題だ、と村上氏は強調した。」
石原知事は東京に原発! 下「」引用。
「石原知事は、原子力事業者との会合では「東京湾に原発を作ってもらっても構わない」と言っているそう-略-」
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事件のはじめのころ。下「」引用。
「翌年の二○○四年は、隣接県で発生した新潟県中越地震をはじめ、台風、集中豪雨など天変地異が相次いだ一年だった。-略-」
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水谷建設……。下「」引用。
「最初は、水谷建設との土地取引に関して、祐二の経営する郡山三東スーツが家宅捜査を受け、その後は、県庁土木部を舞台にした談合事件へと発展していたようだが、私の後援会幹部が事情を聞かれるのはどういうことなのか。-略-」
三東スーツの常務、自殺未遂。
地検の手。「ひと言でいいから、知事の悪口を言ってくれ」 下「」引用。
「聴取の内容は、何かストーリーに沿った具体的なことを聞かれ、傍証を固めるというものではなかったようで、何でもいいから、私についての不利な証言を引き出したかったようだ。」
国家のためにと地検。シンポジウムで話す元知事。下「」引用。
「今回の捜査がどう受け止められているかという話もした。
「福島では、“国家のために栄佐久を逮捕しないとまずいと検事が言っていた”と、取り調べを受けた支持者の話をマスコミが流していたので、それが広まっています」
抹殺……。下「」引用。
「森本検事は、東京拘置所の取調室で祐二にこうも言った。
「佐藤知事は日本にとってよろしくない、抹殺する」
どういう意味なのであろうか。」
実質無罪だとプロはいうが、知事としては抹殺……。下「」引用。
「検察に詳しいジャーナリストが「実質無罪」、検察にとって厳しい判決」という記事を書いたのを、のちに見た。」
三東スーツの常務、自殺未遂で意識もどらず。
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もくじ
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