『市場検察』
村山治・著/文芸春秋2008年
アメリカ(=小泉)vs田中派など……ってことだろうか?
公益(=アメリカ)がかわれば……。下「」引用。
「本書は、伊藤が検察トップだった時代に中堅の法務官僚だった3人の検事が、検察と司法システムを「変えよう」と志し、「失われた10年」の90年代を経て権力を掌握し、激動の21世紀初頭に、それを実現していった過程を描く。
彼ら自身を変えたのは、米国発のグロバリゼーションだった。日米構造協議やその後の金融ビックバン政策に法務官利用としてかかわる中で、日本の護送船団体制の矛盾の本質を知った。
彼らは、米国型の市場経済や民主主義の精神を取り込んで理論武装し、彼らにとっての公益を再定義した。そして、「事後チェック・ルール強化型社会」「市場化社会」を不可避なものとして受け入れ、それに対応した検察運営と制度改革を目指したのである。
公益が変われば、巨悪の定義も変わる。彼らに指導された特捜検察が摘発する「巨悪」の姿も大きく変わった。」
そもそも新自由主義なんて定義をつくるのが巨悪ではないか?
index
裏金=不透明な資金が動く……。下「」引用。
「建設工事には、不透明なカネが動くことが多い。建設工事が発する騒音やダンプカーの頻繁な出入りなど近隣の人たちにとて迷惑だ。反対運動を押さえるためにカネを払う。それらの大半は裏金だ。
特に、汚水処理など迷惑施設を作る場合、暴力団や地域の顔役に渡す巨額の地域対策費が必要となる。-略-」
事前に伝える……。下「」引用。
「その一方、梅沢が、土曜会事件に対する検察の対応から告発がでないとの感触を得、宮沢から、金丸のバーター取引案を聞いて、中村に、罰金引き上げ改正法案に賛成してもらえば告発を見送るというサインを送ったことについて、判決は「準司法機関の一員にすぎない委員長が、機関として判断すべき最終的処分の見込みを事前に部外に伝えて取引材料とすることも許されることではない」と指摘した。」
法廷で真相を語らなかった金丸。
検察を訴えようとした宮沢。下「」引用。
「右翼の日本皇民党幹部は、87年の自民党総裁選選びで元首相の竹下登への「ほめ殺し」攻撃をした際、自民党の複数の有力議員らが中止を要請してきた、などと供述していた。
問題は、検察側が議員らの反論を聞いていないのに、右翼関係者の言い分をそのまま記録していたことだ。
自民党議員らは猛反発し、検察を訴えると騒いだ。首相の宮沢喜一は困惑し、その意を受けた秘書官の中島が、最高検検事だった石川に意見を求めたのだ。石川は「政権与党が政府を訴えるのはおかしい。よした方がいい」とアドバイスし、宮沢は自民党総裁として告訴を見送った。検察は政府機関のひとつである。」
三菱石油と「泉井(いずい)マネー」下「」引用。
「「泉井マネー」という言葉を生んだ大阪の石油卸商「泉井石油商会」代表・
泉井純一の脱税事件の相談だった。
泉井は石油の業者間転売(業転)などで利ざやを稼ぐ個人の卸商。政官界のタニマチとして知る人ぞ知る存在だった。-略-
三菱石油から泉井に流れた資金が政官工作に使われていた疑惑が浮かんだ。-略-」
index
佐藤栄佐久で力をみせつけた検察……。下「」引用。
「但木は断言する。06年10月23日、東京地検特捜部は福島県知事の佐藤栄佐久を収賄容疑で逮捕した。それに先立って収賄容疑を固めるため、佐藤の実弟らを、福島県発注の下水道工事を巡る競売入札妨害容疑で逮捕した。これが、改めて、全国の検察、警察に、競売入札妨害罪の威力を再認識させることになる。」
↓ しかし、判決は実質無罪だったという……。
知事抹殺-つくられた福島県汚職事件-
小泉純一郎……。下「」引用。
「2001年春に小泉政権が誕生。公取委にとってこれが「神風」となった。小泉は5月の所信表明で「公正取引委員会の体制を強化し、21世紀にふさわしい競売政策を確立すること」をめざすと宣言した。小泉は、独禁法の強化を本気で考えていた。」
国会で、三井環の検察裏金問題を追求していたら……。下「」引用。
「それは、疑惑をもたれた当の検察が、内部調査だけで調活費をめぐる不正経理疑惑に「シロ判定」をしたからだ。そんなものに説得力がないのは、小学生でもわかる。国会が強力な調査権限にもとづいて関係者を国会に喚び出して証言させれば、真相は明らかになった可能性は高い。」
日本の裏金【下】検察・警察編
しかし、小泉と検察は裏取引したという。
【一部のみ】
もくじ
index
index