大阪龍馬会

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大浦慶、維新後も活躍 鎌倉の田川さんが伝記出版「女丈夫 大浦慶伝」

2010-12-16 00:01:00 | 書籍紹介
 幕末に日本茶を外国へ輸出し成功した長崎の女性商人、大浦慶(1828~84年)が、明治維新後に中央へ出て実業界で活躍する姿を描いた伝記小説「女丈夫(じょじょうふ)大浦慶伝」(文芸社)を、神奈川県鎌倉市の翻訳会社経営、田川永吉さん(74)がこのほど出版した。

 慶は1871(明治4)年、熊本藩士の詐欺事件に巻き込まれ、多額の借金を背負い没落したといわれる。同書は、維新後の慶が、横浜製鉄所の経営や海軍蒸気船の払い下げに関与したことを示す新資料を多数紹介。通説を覆し、晩年まで実業家として活動した新たな一面を明らかにした。

 田川さんは佐賀出身の実業家・松尾儀助のひ孫。昨年出版した儀助の伝記小説に慶を登場させた関係で、慶について調査。早稲田大図書館、国立国会図書館、国立公文書館などで新資料を見いだした。

 同書によると、慶は75(明治8)年8月、官営の横浜製鉄所の払い下げを目指し、長崎の実業家・杉山徳三郎と連名で「長崎に住むわれわれは外国商法・取り引きと製鉄所の運用に通じています」などとアピールする意見書を作成。同年11月には杉山らと連名で、同製鉄所の拝借願を政府へ提出した。

 拝借願は翌年認められ、慶は杉山や長崎出身の実業家・平野富二、元佐賀藩士・神代直宝らと共同経営したとみられる。同製鉄所は77(明治10)年の西南戦争にちなむ特需で利益を挙げ、78(明治11)年に神代が政府に返納した。

 80(明治13)年1月には、福岡出身の実業家・佐野弥平と連名で、海軍省の英国製蒸気船「高雄丸」の払い下げ願を提出。同年3月31日付の読売新聞は「有名な長崎油屋町の大浦おけいは、今度お払い下げになる海軍省の高雄丸を四万七千三百円にて買い請け、去る二十五日品川沖にて海軍省より同人へお渡しになった」と報じていた。

 また「京橋区南鍋町二丁目四番地(現中央区銀座付近)」と住所を書き入れた慶の名刺も見つかり、一時東京に出ていたことも裏付けられた。

 慶は幕末の長崎で、大隈重信や陸奥宗光ら明治政府の要人になった志士の面倒を見たといわれる。田川さんは「慶は九州の実業家と強固なネットワークを持っていた。彼らと手を組み、大隈らを頼って詐欺事件の損害を取り戻そうと奮闘した」と推測。「事件後は中央に出て活動したので、長崎では晩年の活躍が伝わらなかったのだろう」と話している。

 同書は222ページ。価格は1470円。

12/12 長崎新聞


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