香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

宮本輝全集 第2巻

2014-11-04 21:28:56 | 本のこと
宮本輝さんの全集14巻の内
唯一持っている 第2巻は
『錦繍(キンシュウ)』と『避暑地の猫』が収蔵されています



晩秋の、寒い休日に
何度目になるのでしょう
『錦繍』を再読しました

何度読んでも、胸が苦しく切なく
ぐっと詰まるような心地になってしまう
10年前のある事件をきっかけに離婚をした二人の
手紙のやり取りだけで表現されている小説
最初は切なくて悲しくて辛いけど
最後は、少しおかしくやさしくあたたかく
前を向いて歩いていけるような気持ちになれる
大好きな小説

だってあなたは、私にとっては、かつては
どんな愚痴も我儘も黙って受け止めて下さった
ただひとりの人だったのですもの。


人間は変わって行く不思議な生き物だ


こんな言葉を小説の中に書いた
宮本輝さんはまだ34歳だったのだな
写真もお若い
全集のあとがきとしおりを読むと
芥川賞を受賞された後、結核になり
その後、『錦繍』を書いている間には
不安神経症も再発されたということ。
一緒に収められている『避暑地の猫』と『錦繍』は
ご自身が「小説を書きつづける力」の基礎を
築いて入れた作品だと書かれていますが
2作は、宮本輝さんの作品の中で
両極端の位置にあり、異彩を放ち
力強く、大好きな作品です
『避暑地の猫』は、やはり夏に読みたいので
来年、また会いましょう



NHKプレミアムドラマ
「昨日のカレー、明日のパン」見てますか?
木皿泉さんの小説もよかったですが
(その時のブログ → こちら
脚本家さんだけあってドラマの方が
より魅力的だと思います
ドラマのHPは → こちら
キャストもいいですが、星野源さんが特にいいなぁ
なんかねぇ、あたたかい涙が出るドラマです