香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

獅子頭と草子

2014-08-10 19:27:46 | 本のこと
楊逸(ヤン イー)さんの『獅子頭(シーズトォ)



中国人として、日本社会に身を置いたときの発見を、
コミカルで情感たっぷりに描く芥川賞作家。
最新作は、貧しい農民の家に生まれた張二順が主人公の長編小説だ。
 二順は雑技団に入り、中堅的存在になるのだが、
怪我をして舞台恐怖症になってしまう。
そこで、かつて上海で食べた巨大な肉団子
「獅子頭」の味を追究しようと料理人を目指すのだ。
美人の妻を迎え、娘も生まれ、幸せな生活は続くかに見えたのだが、
「名誉ある中日友好の使者」として日本に招かれ、料理を作ることになる。
 二順は、雑技で鍛えた体を持つ、善良で素直な男だ。
困難な状況下でも、全中国の党と人民の代表たらんと、
自らに懸命に言い聞かせる。
しかし誘惑された日本人女性との間に子供ができるとうろたえ、
中国では政治犯だと脅かされると離婚を決意するが……。
日中文化の間でたくましく生きる男と取りまく人々の人間喜劇だ。


先週の朝日新聞の書評を読んで、読んでみました
朝日新聞を購読しているのに、どうして気がつかなかったか
夕刊連載だったので、夕刊をとっていないのですよ

中国の無学な二順は、とことん無学だけど
流されていながらも懸命に生きているんだよね
どうして?もっと考えて!ちゃんと!と
少しイライラしながらも読んでいき
あまりにも自分の気持ちに正直で、愚かな二順を
このような形の小説にした作者・楊逸さんの気持ちも考えてしまう
生まれながらの考え方、風習は、
日本とはあまりにも違う中国だから
たくさんの誤解が生まれるのかもしれません
小説に出てくる料理は美味しそう
この小説は、中国から日本に来て生活をした
楊逸さんじゃなければ書けない小説なんでしょうね
文章はわかりやすく読みやすい本でした

玉川重機さんの『草子ブックガイド』



内海草子(うつみそうこ)は本を読むのが好きで好きでたまらない中学生。
いつも本を読んでいて、本の中の世界にひたっている。
内気で、他人と打ち解けるのが苦手な草子にとって、
古書・青永遠屋(おとわや)の店主は良き理解者。
読んだ本の感想を描いた草子の「ブックガイド」が、
店主を喜ばせ、
さらには周囲の人々に本を読むことの素晴らしさを伝える。
濃密な絵柄で、読書の魅力を最大限に表現する。


ブログ友であるホークさんのブログ
私的図書館で紹介されたコミックです
気になって気になって、古本屋さんとかブックオフネットなどを調べて
結局、iBooksで購入して読みました

どうして、こんなに本が好きなのか
大切な本に巡り合った時の気持ち
作者や、作中の人物に寄せていた熱い気持ちなど
言葉にしきれなかったことも
このコミックの中にぎっしり詰まっている感じ
作中で紹介される本もとても魅力的で
なんだか、感動して、涙が出そうになりながら読みました
もちろん、2巻、3巻も購入しましたので
ゆっくりと読みたいと思います



台風がこちら札幌にも近づいているようで
今日は夕方から雨です
昨日、暑い中を走って帰って来た近所で
目が覚めるようなきれいな花が咲いていました

先ほど紹介した『草子のガイドブック』を
教えてくれたホークさんはこのブログが縁で知り合った
顔も年齢も知らず、ただお互いのブログでやりとりする仲ですが
こうして、心に残る本を何冊も紹介してもらっている
不思議な縁の方です
@テルニストで知り合った方々も
こんなに気持ちが通じ合い、信じあえるんだと
たまにふと気がつき、ビックリする不思議な縁です
この頃は、走り始めたことで知り合えた方々とも
楽しい時間を過ごすことができて
わたしは、幸せだなと思うのです
そして、先週の金曜日
小学校1~3年生の時のクラスメート4人と会ってきました
1人が東京在住で、札幌の実家に帰省したことがきっかけで
声をかけてもらい、会ってきたのです
実は、その時のわたしたちの母親たちが
いまだに毎月1回、会っているのです
ママ友というやつですか・・・すごいですよね
母親たちの縁がなければ、
そう簡単に連絡を取り合えることもないよねと話し合っていました
会うと、他人からみたら中年のおじさんおばさんたちですが
「変わらないね~」と言い合い、心開く気安さがあります
出会いもあり、続く縁もあり、
色々と大変なこともある毎日だけど
こういう幸せがあるから、楽しいなとつくづく思うこの頃でした