ニュース雑記帳

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『共謀罪』採決、連休明けまで延期

2006-04-29 14:10:52 | Weblog

実際に犯罪行為が行われなくても、謀議に加わっただけの人でも捕まえて罰することが出来る法律だという『共謀罪』を新しく作るなどした『組織犯罪処罰法』の改正案の採決が、大型連休明け以降に持ち越されたそうだ。どうも、世論の反発があるみたいで・・・結構、強気だった与党も、様子見で譲ったみたいですな。

けど、「まさに戦前の治安維持法じゃ!!」と、猛反発をくらうような法案を、どうして与党は無理やり通したがっているのだろう。反対している人たちの意見は、よく分かるのだけど、推し進めている人たちの意見が、いまひとつ伝わってこない。こういうのが、政治家の怠慢だと、わたしは思うけどなぁ。新しいことをする時は、ちゃんと説明する・・・それが基本だと思うよ。

というわけで、詳しい理由を知る機会がないので、かなり薄い知識の範囲で言うなら、『共謀罪の制定は 国連条約の批准のため 』らしい。が、それも今ひとつ、よく分からない。いったい、国連条約は、何を求めているのかな。

漏れ聞いたところによると、米国や英国の『共謀罪』とは、似てるけど一寸違う 『参加罪』とかいうのが、ドイツやフランスにはあるのだとか。後者だと、一般人が数人集まってタチの悪い馬鹿話をしただけでは罪にならないけど、暴力団みたいに予め「悪い組織」と指定されてしまった組織の連中の悪巧み話に参加してたら罰せられるとか。テロ対策が目的なら、これで十分なんじゃないのかな。前出の国連条約でも「組織的な犯罪集団とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、直接又は問接に金銭的利益その他の物質的利益を得るため、一定の期間継続して存在し、かつ、一又は二以上の重大な犯罪又はこの条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として協力して行動するものをいう」と規定しているようだし、そんな組織的な犯罪集団の悪巧みに参加した者だけを捕まえられればよくはないんだろうか。

『共謀罪』と同時に問題にされている『インターネット上のサイバー空間での捜査権限の強化』にしても、激増していくネットを利用した犯罪を取り締まる為ということを考えれば、必要なことなのだと思うけれど・・・「どんな犯罪に対して、何が必要なのか」という説明や、「こういう法律を作りたいが、その場合こういう問題点が付随するので、こういう対策を用意しているから安心して欲しい」という説明が、不十分な気がする。

説明不足の不満は、当然、与党に対して感じているわけだけれど、今回に関しては、マスコミに対しても感じている。我々一般人は、かなりマスコミの報道に依存しているわけだけれど、共謀罪に関しては、今ひとつマスコミが乗ってきてない気がする。マスコミ各社が、共謀罪に賛成なら、それはそれでいいから、それをちゃんと報道して欲しい。これだけ情報過多の時代に、どうも「共謀罪」に関しては、情報が薄い印象がある。

それを、一部の人たちのように「陰謀だ!!何かの力が働いている!!」とは思わないし、「共謀罪」が通れば直ちに政府による思想弾圧が始まるなんて全く思っていないけど、ちゃんと作っていなければ、今は平気でも、何かの時に国民にとって思わぬ首輪足かせになることもありえる法律なのだから、もっと話題になって欲しいとは思っている。なにか、すっきりしない「共謀罪」なんだよなぁ。