TBS(当時はまだ「ラジオ東京テレビ」)が
ドラマのTBSとして名を馳せる記念碑的な作品
勿論主演はフランキー堺のあの名作です
これが放映されたのはなんと1958年(昭和33年)
ボクは茶の間で正座して観ていましたよ(笑)
ストーリーは皆さん良くご存じですよね
高知県幡多清水で床屋を営む主人公
(この地名って本当にあるんですか?)
彼が赤紙で召集され日本上空で撃墜されたB29の搭乗員を
刺殺するよう上官命令を受けるが果たせず
腕に傷を付けただけであったが
終戦後家族のもとに戻った彼を待っていたのは
極東軍事裁判でA級戦犯としての収監
絞首刑の判決を受け死刑台に上るまでを描いたもの
TVを見ながら母親はフランキー堺を指して
あんな太った兵隊さんいなかったよ
なぞと減らず口を叩いていましたが
観終わった時家族全員が涙を浮かべ
勿論ボクも戦犯ってなんのことやら分からぬままに
涙を流したのを覚えています
強烈な印象をボクに残したTVでありました
今見ても懐かしい芸達者が勢ぞろい
この映画TVのVTRで一部生放送
VTRと言っても高価なもので取り直しなしだったから
役者にとっては生放送と同じ
今のジャリタレ集団ではまず出来ない芸当でしょう
フランキー堺の喜劇で見慣れた顔がアップになり
それが悲劇を迎える顔とのあのギャップ
勿論今回も
残念ながら何回も見ているのに
不覚にも・・・です
戦争の醜さ・不条理・悲しさ・やるせなさ
創作ではありますが
軍部の上級将校は已むをえないにしても
(極東軍事裁判の正当性の問題についてボクは)
(はなはだ疑問を持っていますが)
命令に背けぬ下級兵士が一把ひとからげで
機械的にA級戦犯として処理されたこと
60余年を過ぎても
彼らの口惜しさ・切なさは察して
余りあるものが
何回聞いても主人公の最後の遺書の独白は
心を締め付けられます
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生まれ変わったら何になりたい?
そうだな牛や馬?
いや牛や馬じゃまた人間に苛められる
それより
ずっと深い海の底に住む貝がいい
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今日は広島原爆忌
黙祷
2009年8月6日投稿