窓際日記・福島原発

窓際という仕事の雑感

電王戦・婦人と老婆

2014-03-26 08:53:42 | Weblog
「なんの事だ」ですって。

まずはこの「ネックレスをしているご婦人の絵」を見て下さい。<--リンク

いかがでしたか?

ところで、老婆の姿はみえましたか?

見えなかった方はもう一度どうぞ。<--リンク


さて、それでは両方の姿を同時に見れますか?

がんばってみてください。<--リンク


2人の姿を同時にみることはどうやら不可能の様ですね。

ある時は「婦人」が見えますが、その時は「老婆」はみえません。

「老婆」が見えるときは「婦人」は見えません。

そうして最初に「うるわしいご婦人の絵」と紹介されるとまずは「婦人の絵として見てしまう」訳です。


人間の知覚はそのように出来ているのですね。

そしてこれはどうやら「目」だけの事ではなさそうです。

物事の判断でもやっぱりそうなりますね。


「やねさんが悪い」と最初に紹介されるとその判断が優先権を得ます。

そうして、客観的な状況がイーブンに戻っても「悪いのはやねさん」が継続します。

これを「アンカリング効果」と言います。

そしてこれをひっくり返すにはよほどの「やねさんは悪くない」状況にならないとだめですね。


ネット上での今回の「やねうら騒動」の状況もまさにこの通りに進行しています。

前の週の土曜日にやねさんを悪者に仕立て上げる「あおりPV」公開でまずは「やねさんが悪い」が定着します。

そうしてそれでネットの関係部署が炎上します。

そのあとで関係者の経緯説明と謝罪放送が水曜日にありました。

これでまあ少しは皆さんの頭も冷えた様です。


さてやねうら王と棋士さんとの対局はその週の土曜日でした。

対局は「やねうら王の勝ち」で決着がつきました。

そのあとのインタビューでは棋士さんと連盟の理事さんの対応の仕方があまり大人ではありませんでした。

それで評判を落としましたね。

棋士さん達の打ち上げの様子を得意になってネットで公開しているブログもそれに輪をかけています。


そういうあれやこれやで人々の見る目も変化してきました。

大多数の人々の判断はかつては「やねさんが悪い」でしたがイーブンを通り越して「連盟の○○さんと棋士の○○さんが悪い」に移行してきています。

でもその状況下でも頑強に「やねさんが悪い」と言い続ける少人数の人達がいます。


その人たちのゲシュタルトは変化していないのですね。

その人たちにはけして「ネックレスを首にかけた婦人の姿」は見えていないのです。

代わりに見えているのは「赤いくちびるの年老いた老婆の姿」なのであります。


さてそれではどう見えるのが正しいのでしょうか?

「やねさんが悪い」というのが正しいのでしょうか?

それとも「やねさんは悪くない」というのが正しいのでしょうか?


「どちらか一方が正しい」とする立場はあの絵の2つの見え方の内で「この見え方のみが正しい」ということと同じことであります。

まあ「白黒つけて欲しい」という気持ちはわかりますけれどもね。

でもそれはある意味では無茶というものです。

それでいつまでたってもこの議論は平行線です。

そうしてこれが2chのやりとりがいつまでたっても楽しめる理由なのであります。


PS

そうはいっても対局から4日過ぎた現在の状況ではもうそろそろこのテーマでの言い争いにも「飽き」が見えてきました。

そういう訳でざっと通して10日間ほどの「やねうら騒動」というお話でありました。

PPS
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