ABC RECORDから最後のLP、この後はABCレーベルを買い取ったMCAレーベルからの発売になり、現在に至る。
我が家にも、このアルバムを買った経緯は思い出せないが、その当時買った輸入米盤が存在する。
買ったものの、レコード棚に置き去りにされて、かなりの長い間聴いていなかった。
その後各アルバムのリマスター盤が2000年にCD化されるとさらに忘れられる存在となった。
ほとんど聴いていないため、レコードのコンディションも良く、雑音を除くための丸洗いも必要ない。
ベスト盤だけあって捨て曲もなく、快適に全編を通してスティーリー・ダンの世界を味わうことができる。
このアルバムで特筆すべきことは、過去のオリジナル・アルバム作成に参加したゲスト・セッション・ミュージシャンの名前が、SPECIAL THANKSとして記載されていることである。もちろん知らない名前もあるが、ロック、ジャズ・ファンであれば一度は耳にした名前も数多く見受けられる。
一説によれば、彼らをハイヤーすると、スティーリー・ダンのメンバーの時給より高くなる場合もあったと言う笑えない話もあるし、さらに有名 セッション・ミュージシャンの演奏が、出来が良くないと言うことでボツになり、別の音源に差し替えられたようなことも聞く。
それくらいのこだわりで各アルバムが贅沢に制作されてきたので、内容が悪かろうはずがない。
すべてのオリジナル・アルバムを聴く時間のない人は、このベスト・アルバムで十分だと思う。
スティーリー・ダンの醸し出す独特のグルーブに中毒症状を示すようになってから、オリジナル・アルバムを一枚ずつ攻略していくのも悪くないと思う…