○ 北鎌倉の赤トンネル
○ 八雲神社の清明石
○ 葛原ヶ岡ハイキングコース
○ 源氏山公園
○ 魔去る石
○ 銭洗弁財天
○ 佐助稲荷
○ 江ノ電
○ しらす丼
○ 江ノ島弁財天
○ 猫はどこに?
○ デザートはブルーシール、のはずが
○ 釈迦堂切り通し
○ 洋館とこの日2度目の山越え
○ 逗子駅へ
○ 横浜へ
----------------------------------
○ 北鎌倉の赤トンネル
去年、yukyと「オフシーズンの冬に江の島に行こう!きっとすいているから」と計画していました。
夏は、江の島大橋の太陽の照り返しと人混みの渦に、いつもぐったりしているためです。
さらに今年は巳年なので、蛇の宇賀神さまをお祀りしている、鎌倉の銭洗い弁財天と江ノ島弁財天をお参りしようと考えます。
まずは北鎌倉駅で降りました。
秋に訪れた時に探し当てた赤トンネルを、再び訪れます。
通るたびに、別世界へと辿りつきそうで、わくわくします。
子供の頃にこんなトンネルが近くにあったら、情操教育が養われてすくすく成長できるかも。
○ 八雲神社の清明石
それから、八雲神社の境内に入りました。
今回は、少し奥まった場所まで行ってみます。
石段を登ったところに「清明石」がありました。
八雲神社は鎌倉幕府の陰陽師が四角四境祭を行った場所で、この石は安倍晴明が加持祈祷を行ったと伝えられています。
山の下にも、この片割れの清明石があるのだそう。
火災よけ災難よけの神石として信仰され、晴明石と知りながら踏んだら足が不自由になり、知らないで踏んだら足が丈夫になると伝えられているそうです。
そういった説明が全くなく、石の横にはただ「安倍清明神君」と書かれた表示があるのみ。
私は、しゃがんで両手を石にあて、ひんやりしたその感触を確かめましたが、両足で踏んでいたら祟りを受けていたのね…。ブルブル。
この石は、鎌倉で取れる石とは違う材質のものだそうです。
そして「晴明」ではなく「清明」なのが気になります。
漢字が違うのは、なにか理由があったのか、単に昔の人がアバウトだったのか・・・?
八雲神社の木造神殿の、生き生きとした彫刻に見とれました。
よくある龍かと思いきや、琴を奏している女性の姿が彫られています。
弁天様でしょうか。今回の弁天詣でを歓迎してくれているかのようです。
○ 葛原ヶ岡ハイキングコース
駅を越えて、鎌倉方面へと向かいます。
東慶寺を通りすぎたのは覚えていましたが、おしゃべりに夢中になっていたら、曲がるべき浄智寺を素通りして、かなり先まで行ってしまい、来た道を戻りました。
浄智寺は鎌倉・江の島七福神巡りの布袋様のお寺で、この日も大勢の参拝客がいましたが、私たちはその横を通り過ぎて、どんどん奥へと入っていきます。
ここは葛原ヶ岡ハイキングコース。ハイキングどころか、道はいつしか山道となり、太い根っこがボコボコ出ている登山ルートとなりました。
以前、七福神巡りをした時にもこの行程を辿りましたが、まさか登山になるとは思っていなかったので、友達とヒーヒー言いました。
でも今回は、歩きやすい靴なので大丈夫。
前を歩いていた御年配グループに追いつくと、みなさん完全登山スタイルでした。
日光を遮るほどうっそうと木々が茂った山道を、根っこにつまづかないように気をつけながらしばらく歩いていき、視界が開けたと思ったら、そこは源氏山公園でした。
○ 源氏山公園
源氏山は、源頼義と義家が後三年の役に出陣する際に,この山に旗を立てたのが由来だそうです。
源氏山公園には源頼朝像があるため、頼朝ゆかりの場所かと思っていましたが、御先祖の八幡太郎の方だったんですね。
葛原岡神社(くずはらおかじんじゃ)をお参りします。
後醍醐天皇について鎌倉幕府倒幕に活躍した日野俊基が祀られているそうです。
幕府打倒計画が事前に発覚し、この地で捕らえられたとのこと。
鎌倉幕府ゆかりの地で、鎌倉幕府滅亡に尽くした人を祀るというのは不思議ですが、その辺りが日本のおおらかさでしょうか?
話を聞くと歴史の悲劇性も感じますが、神社自体には明るく澄んだ空気が満ちており、安心して参拝できました。
ここには、120年間御祭神を護ってきたという昇運の神龍も祀られています。
○ 魔去る石
鳥居のそばには、魔去る石がありました。
かわらけを石にぶつけて割って、成就祈願とするようです。
さきほどの清明石は、踏みつけた人を祟るパワーを秘めているというのに、この魔去る石は、お皿を投げつけられてもじっと我慢している。
いじらしいです。(!?)
スペインのバールでは、美味しいと客がお皿を床に投げつけて割る、だから汚い店ほど美味しい証拠だ、という話を思い出しました。
少し歩いたところに、「富士山ビューポイント」という紙が張られていました。
「見える時もあるんだろうね、ハハ」と笑いながら見やると、ちゃんと富士山がきれいに見えていました。
うわ、ほんとだ!ビューティホー!
東京からよりずっとずっと大きく見られます。
○ 銭洗弁財天
そこから急坂を降りて行くと、銭洗弁天に辿り着きました。
鎌倉にはしょっちゅう来ていますが、ここを訪れるのは10年以上ぶり。
少しアクセス不便な場所にあるためです。
昨年、ラジオの収録でここの話をしたのと、巳年ということで、一念発起の参拝となったのですが、大勢の人がいて驚きました。
入口は岩のトンネル。まさに別世界への入り口です。
いままで「銭洗弁財天」としか把握していませんでしたが、入口の碑には、「宇賀福神社」の方が大きく書かれていました。
鳥居もあります。
弁天様の方で知られているのは、七福神がメジャーだたからでしょう。宇賀神さまもがんばってー。今年がチャンスよ。
ひんやりした岩の隧道と、連なる木の鳥居を抜けたところが、銭洗い弁天。
びっしりと人がおり、おすなおすなの大混雑でした。
お金を洗うためのざると蝋燭、お線香が渡されます。
以前はこんな、システム化されていたかしら?思い出せませんが、ワクワクします。
蝋燭を灯し、お線香を備えて、岩の洞窟の中へ。
薄暗い洞窟内では、人々がお金を洗っていました。
私は、乾かしやすいように、銀のコインだけにしましたが、隣の人は、万札を10枚くらい、ドカーンと洗っていました。
やっぱりここまで来た以上は、きっぷよく!?
「ここで洗ったお金は、二倍、三倍になるって言われているのよ」と話すと、yukyは「えっ、それなら効率よく、これにしよう」と、クレジットカードを取り出していました。
イマドキー!
「でも、借金が倍になっちゃったりして…」と洗いながら気がついたらしいyuky。
どうするのー?(笑)
洞窟の奥に、目指す宇賀福神社がありました。
小さい祠で、特に名称も書かれていなかったため、(ここでいいのかしら)ときょろきょろします。
神前に卵がお供えされていたので、間違いない!と確信しました。
蛇の神様は、卵が大好物だからです。
今回の目的の一つだったここをお参りできて、ホッと満足。
洞窟の外に出ると、やっぱり人、人。
もう松の内も過ぎているのに混んでおり、小さなお社の参道いっぱい、4列になってお参りを待つ人々の長い行列が続きます。
それを避けるように、裏道から出て、佐助稲荷へと向かいました。
○ 佐助稲荷
鎌倉駅から銭洗弁天に行く途中にあるお稲荷さん。
数え切れないほどたくさんの朱鳥居が、参道に連なる様子は、京都の伏見稲荷よりも先にここで知りました。
細い道を歩き切った崖に社はあり、隠れ里といった風情が辺りに漂っています。
銭洗弁財天の人混みとはうって変わって、閑散としているだけに、気持ちのいい気を感じます。
茶屋でひと休みして、深呼吸すると、心の中が洗われるようで落ち着きます。
子供の頃には、なんとなく怖くて、簡単には近寄りがたいイメージを持っていましたが、いま思えば、ここが強い気のパワーに満ちているということかもしれません。
この辺りは鎌倉でも有名な佐助谷戸。
谷戸好きのyukyはすっかり気に入ったようで、貸し部屋を見つけて「ここに住みたいな~」と熱い視線を注いでいました。
ノマドライフを始めるのかしら? 遊びに行くのは、ちょっと遠いなあ。どちらかっていうと仙人ライフね。
そこからてくてく歩いて鎌倉駅方面へと向かいました。
北鎌倉からのルートは大変ですが、鎌倉駅からも結構距離があります。
それでも銭洗に向かう大勢の参拝客の列は途絶えることがありませんでした。
○ 江ノ電
鎌倉駅に到着。大勢の人に驚きます。
いつ来ても、観光客の多い場所ですが、この時期はまだ参拝客も多いのでしょうか。
江ノ電のホームに行ったら、あふれんばかりの行列ができていました。
うわあ、みんな電車に乗れるのかしら?
乗れはしましたが、ギュウギュウです。
海辺のノスタルジーを味わう余裕なく、押すな押すなでもまれていきました。
改札前には、顔はめパネルを発見。でも連れは被写体になってくれません…
○ しらす丼
江ノ島駅で降りて、ほっとひと息。
源氏山越えをしたので、おなかが空いた私たち。
さあランチ!
「江ノ島といったら」、やっぱりしらすを食べなくっちゃね。
有名な「とびっちょ」に行ってみましたが、なんと57人待ち!
ありえなーい!
確かにとってもおいしそうですが、そんなに待ったら日が暮れてしまいます。
そこで江ノ島参道そばのお店に入りました。
天気がいい日だったので、外のテーブルでいただきます。
空にはとんびが悠々と飛んでいました。
のどかな光景のようですが、実は鋭い目で私たちの食事を狙っているんだわ。
○ 江ノ島弁財天
ランチの後、細い参道を抜けて行きます。
「江ノ島といったら」、連想するのは生シラスにサザエの壺焼き、江の島ビール、そしてたこせんべい。
たこせんべいは、おみやげを食べたことはありますが、いっぺん焼きたてを食べたいと思っています。
ただ、店の前には長蛇の列。
今って、江ノ島のシーズンオフなので、どこもガラガラ空いていると思ったのに、しっかり観光客で賑わっており、ちょっとあてが外れた気分。
まあ、賑やかなのはいいことなんですけどね。
「江ノ島といったら」、建物はこの随心門。竜宮城のようです。
エスカーに興味シンシンのyukyに、「今日は歩きます」とおごそかに宣言し、急な石段を上がっていくと、弁財天宮があるのですが、ここもまた、参拝客が、石段の途中まで長い行列を作っていました。
どこもかしこも列ができているのね。
それでも高台からの見晴らしはよく、すがすがしい空気を胸いっぱいに吸い込みました。
ここからも富士山がよく見えます。
切り立った崖を見ては、喜ぶyuky。どの辺がツボなんでしょうね?
ふさふさしたしっぽのリスもいました。
目に鮮やかな朱色の「みゆき橋」の下をくぐります。
橋を渡るのも、くぐるのも、好き。
○ 猫はどこに?
忘れていました。「江ノ島といったら」、猫!
いつも参道を歩いていると、数え切れないほどたくさんの猫が、ごろごろ愛嬌たっぷりに日向ぼっこをしていて、癒されます。
でも、今日は一匹も見かけていません。あれ、どうしたのかしら?
yukyは「ネコがいなーい。いるって言ったのにー」とブーブー。
えー、だって、今までいないことなんてこと、一度もなかったのにー。
冬は、暖かいどこかのおうちに入れてもらっているのでしょうか。
猫の代わりに、やけにとんびがたくさん飛んでいました。
海岸に行ってみると、それこそ数え切れないほどたくさんのとんびが、風に翼を任せて雄々しく空を舞っていました。
カッコイイですが、時々エッジをきかせて急降下しているため、あきらかに獲物を狙っている様子です。
砂浜には、お弁当を広げた人たちが大勢。危険だわー!
まあ、私たちが観ている間には、事件は何事も起こらず、鳥好きの私は間近で多くのトンビを見られてウキウキしました。
○ デザートはブルーシール、のはずが
「次に行くのはブルーシールカフェ。デザートに食べたいの。冬だけど食べたいの」と主張して、腰超までのひと駅を歩きます。
途中、江ノ電が道路を通る場所があり、車と並んで走る様子を見て、ワクワクします。
有名な江ノ電モナカ屋さんがありました。なんと、お店の中には江ノ電もあります。
最初、よくわからずに(あそこが車庫なのかな?)と考えてしまいました。
「アイス、アイス♪」とフンフン鼻歌を歌って浮かれている私に、ネットで場所の確認をしていたyukyが
「あれ・・・閉店って書いてある」とぼそりと言いました。
えーっ!うそー!行くたびに混んでいた人気の店だったのにー!
肩を落としてがっくり。
そんな私に「事前に調べておかないと」と追い打ちをかけるyuky。
まさか無くなっているとは思わなかったから…
しょんぼりです。
腰越駅からまた混んだ江ノ電に乗り、鎌倉に戻りました。
人混みが苦手なyukyのために、なるべく空いているルートを選んで歩きます。
裏鎌倉の、2か月前に見たわんちゃんがいるお店に近づきました。
元気かなあ?まだダンボール生活を送っているのかしら?
いました、わんこ!
やっぱりしっかりダンボールに入っています。
前のよりも大きな箱になっています。
成長したのかしら?
ちなみに、昨年11月に見た彼はこちら↓
さらにダンボールに「ぎゅうどん」と手書きで書いてあったのが、ツボにはまりました。
だって、前見た時には「Fresh Eggs」の箱だったんですよ!
卵から牛丼に?そもそも君の名前が"ぎゅうどん"くん?
私たちに見つめられても、相変わらず我関せずと、居心地よさそうに丸まっていました。
○ 釈迦堂切り通し
八幡宮の北東へと向かい、着いたのは釈迦堂切り通し。
前に訪れた時よりも、草が生い茂ったり倒木があったりと、道はもっとワイルドになっていました。
ここの切り通しが通れる日を待ち焦がれているのですが、もしかして半永久的に、封鎖されたままなのかしら?
それは悲しいわ~。
幻の釈迦堂の秘密も、早く解明される日が来ればいいなと思います。
そんなわけで、この辺りは歴史のミステリーとロマンを感じられる場所になっています。
人家の低木生垣の上には、たくさんのスズメがとまって、チュンチュンいっていました。
寒くなってきたので、羽を膨らませていて、かわいい。
○ 洋館とこの日2度目の山越え
そのまま閑静な住宅街を歩いていると、クラシカルな洋館の前に出ました。
旧華頂宮邸です。まだ中に入ったことはなく、いつか公開日に来てみたいと思っている場所です。
うす暗くなってきましたが、まだまだ歩けそう。
「釈迦堂切り通しの代わりに、朝比奈切り通しを通ろうか?」とyuky。
「なぜ朝比奈?」
「響きがいいから!」
アバウトな。でも私も、朝比奈っていう響きには惹かれます(笑)!
ストッパー役がいないため、単純に語感の好みだけで朝比奈超えをするところでしたが、だんだん日が傾いてきたので無理そうだと悟り、「じゃあこのまま逗子に出てみよう」ということになりました。
ただ、ネットが弱いのか、頼みの綱のyukyのGPS機能が消えかけています。
私のWIMAXは、もとより使えません。
人通りのない見知らぬ細道が、うっそうとした丘につき当って、ついには行き止まりになってしまったため、困っていたところに、運よく地元の人らしき親子連れが通りかかりました。
聞いてみたところ、「ここは通り抜けできるよ」と教えてもらったので、丘を登ってみました。
ハーハーいいながら登り切ると、突然林は開けて、碁盤の目のような住宅区画地が現れました。
通りぬけたのは、地図にないような道。まさに抜け道です。
視界の悪い木々の中を通って、山越えするのかと覚悟していただけに、予想外の光景に驚きました。
まるで『猿の惑星』のラストシーン(!?)
きちんと区画整備された新興住宅地なので、道もわかりやすくて、不安が消えます。
人里になって、GPSも息を吹き返しました。
○ 逗子駅へ
もうすっかりGPS任せになって、言われるがまま右に曲がり、左に曲がりしていたら、線路沿いに出ました。
そのまま歩いていくと、逗子駅の入り口になりました。
えっ、ちょっと待って?
いままで、何度となく京急新逗子とJR逗子駅の乗り換えを行ってきましたが、こんな車通りの激しい車道沿いだったかしら?
私が知っているのは、反対側の方でした。
そちら側は、広いコンコースもあり、大きな駅という堂々とした顔つきですが、反対の山側は、子供一人では歩かせられないほど危険な交通量です。
裏と表でこんなに表情が違う駅だとは思いませんでした。
○ 横浜へ
それから新逗子経由で、横浜に出て、夕食にしました。
昼はヘルシーだったので、夜はつばめグリルのハンバーグ。
たくさん歩いたので、美味しく賞味できました。
ワインだって飲んじゃうよー♪
簡単に酔っぱらって、その後お茶をしてもまだ抜けず、yukyと解散した後、ハイになったまま、家まで歩いて帰りました。
ぽかぽかした小春日和の、楽しい1日を満喫できました。
冬の江ノ島も、なかなかオツなものです。犬やリスや鳥たちに出会えたし。
銭洗い弁天の人混みの中に、こんな千鳥もいました。
(近江の海 夕浪千鳥 汝が鳴けば...)
でも姿をみせないにゃんこたちの行方は、けっきょくわからずじまいでした。
まあ、疑問は江ノ島迷宮に入れておきましょう。
春が来たら、謎も解けるでしょう。
○ 八雲神社の清明石
○ 葛原ヶ岡ハイキングコース
○ 源氏山公園
○ 魔去る石
○ 銭洗弁財天
○ 佐助稲荷
○ 江ノ電
○ しらす丼
○ 江ノ島弁財天
○ 猫はどこに?
○ デザートはブルーシール、のはずが
○ 釈迦堂切り通し
○ 洋館とこの日2度目の山越え
○ 逗子駅へ
○ 横浜へ
----------------------------------
○ 北鎌倉の赤トンネル
去年、yukyと「オフシーズンの冬に江の島に行こう!きっとすいているから」と計画していました。
夏は、江の島大橋の太陽の照り返しと人混みの渦に、いつもぐったりしているためです。
さらに今年は巳年なので、蛇の宇賀神さまをお祀りしている、鎌倉の銭洗い弁財天と江ノ島弁財天をお参りしようと考えます。
まずは北鎌倉駅で降りました。
秋に訪れた時に探し当てた赤トンネルを、再び訪れます。
通るたびに、別世界へと辿りつきそうで、わくわくします。
子供の頃にこんなトンネルが近くにあったら、情操教育が養われてすくすく成長できるかも。
○ 八雲神社の清明石
それから、八雲神社の境内に入りました。
今回は、少し奥まった場所まで行ってみます。
石段を登ったところに「清明石」がありました。
八雲神社は鎌倉幕府の陰陽師が四角四境祭を行った場所で、この石は安倍晴明が加持祈祷を行ったと伝えられています。
山の下にも、この片割れの清明石があるのだそう。
火災よけ災難よけの神石として信仰され、晴明石と知りながら踏んだら足が不自由になり、知らないで踏んだら足が丈夫になると伝えられているそうです。
そういった説明が全くなく、石の横にはただ「安倍清明神君」と書かれた表示があるのみ。
私は、しゃがんで両手を石にあて、ひんやりしたその感触を確かめましたが、両足で踏んでいたら祟りを受けていたのね…。ブルブル。
この石は、鎌倉で取れる石とは違う材質のものだそうです。
そして「晴明」ではなく「清明」なのが気になります。
漢字が違うのは、なにか理由があったのか、単に昔の人がアバウトだったのか・・・?
八雲神社の木造神殿の、生き生きとした彫刻に見とれました。
よくある龍かと思いきや、琴を奏している女性の姿が彫られています。
弁天様でしょうか。今回の弁天詣でを歓迎してくれているかのようです。
○ 葛原ヶ岡ハイキングコース
駅を越えて、鎌倉方面へと向かいます。
東慶寺を通りすぎたのは覚えていましたが、おしゃべりに夢中になっていたら、曲がるべき浄智寺を素通りして、かなり先まで行ってしまい、来た道を戻りました。
浄智寺は鎌倉・江の島七福神巡りの布袋様のお寺で、この日も大勢の参拝客がいましたが、私たちはその横を通り過ぎて、どんどん奥へと入っていきます。
ここは葛原ヶ岡ハイキングコース。ハイキングどころか、道はいつしか山道となり、太い根っこがボコボコ出ている登山ルートとなりました。
以前、七福神巡りをした時にもこの行程を辿りましたが、まさか登山になるとは思っていなかったので、友達とヒーヒー言いました。
でも今回は、歩きやすい靴なので大丈夫。
前を歩いていた御年配グループに追いつくと、みなさん完全登山スタイルでした。
日光を遮るほどうっそうと木々が茂った山道を、根っこにつまづかないように気をつけながらしばらく歩いていき、視界が開けたと思ったら、そこは源氏山公園でした。
○ 源氏山公園
源氏山は、源頼義と義家が後三年の役に出陣する際に,この山に旗を立てたのが由来だそうです。
源氏山公園には源頼朝像があるため、頼朝ゆかりの場所かと思っていましたが、御先祖の八幡太郎の方だったんですね。
葛原岡神社(くずはらおかじんじゃ)をお参りします。
後醍醐天皇について鎌倉幕府倒幕に活躍した日野俊基が祀られているそうです。
幕府打倒計画が事前に発覚し、この地で捕らえられたとのこと。
鎌倉幕府ゆかりの地で、鎌倉幕府滅亡に尽くした人を祀るというのは不思議ですが、その辺りが日本のおおらかさでしょうか?
話を聞くと歴史の悲劇性も感じますが、神社自体には明るく澄んだ空気が満ちており、安心して参拝できました。
ここには、120年間御祭神を護ってきたという昇運の神龍も祀られています。
○ 魔去る石
鳥居のそばには、魔去る石がありました。
かわらけを石にぶつけて割って、成就祈願とするようです。
さきほどの清明石は、踏みつけた人を祟るパワーを秘めているというのに、この魔去る石は、お皿を投げつけられてもじっと我慢している。
いじらしいです。(!?)
スペインのバールでは、美味しいと客がお皿を床に投げつけて割る、だから汚い店ほど美味しい証拠だ、という話を思い出しました。
少し歩いたところに、「富士山ビューポイント」という紙が張られていました。
「見える時もあるんだろうね、ハハ」と笑いながら見やると、ちゃんと富士山がきれいに見えていました。
うわ、ほんとだ!ビューティホー!
東京からよりずっとずっと大きく見られます。
○ 銭洗弁財天
そこから急坂を降りて行くと、銭洗弁天に辿り着きました。
鎌倉にはしょっちゅう来ていますが、ここを訪れるのは10年以上ぶり。
少しアクセス不便な場所にあるためです。
昨年、ラジオの収録でここの話をしたのと、巳年ということで、一念発起の参拝となったのですが、大勢の人がいて驚きました。
入口は岩のトンネル。まさに別世界への入り口です。
いままで「銭洗弁財天」としか把握していませんでしたが、入口の碑には、「宇賀福神社」の方が大きく書かれていました。
鳥居もあります。
弁天様の方で知られているのは、七福神がメジャーだたからでしょう。宇賀神さまもがんばってー。今年がチャンスよ。
ひんやりした岩の隧道と、連なる木の鳥居を抜けたところが、銭洗い弁天。
びっしりと人がおり、おすなおすなの大混雑でした。
お金を洗うためのざると蝋燭、お線香が渡されます。
以前はこんな、システム化されていたかしら?思い出せませんが、ワクワクします。
蝋燭を灯し、お線香を備えて、岩の洞窟の中へ。
薄暗い洞窟内では、人々がお金を洗っていました。
私は、乾かしやすいように、銀のコインだけにしましたが、隣の人は、万札を10枚くらい、ドカーンと洗っていました。
やっぱりここまで来た以上は、きっぷよく!?
「ここで洗ったお金は、二倍、三倍になるって言われているのよ」と話すと、yukyは「えっ、それなら効率よく、これにしよう」と、クレジットカードを取り出していました。
イマドキー!
「でも、借金が倍になっちゃったりして…」と洗いながら気がついたらしいyuky。
どうするのー?(笑)
洞窟の奥に、目指す宇賀福神社がありました。
小さい祠で、特に名称も書かれていなかったため、(ここでいいのかしら)ときょろきょろします。
神前に卵がお供えされていたので、間違いない!と確信しました。
蛇の神様は、卵が大好物だからです。
今回の目的の一つだったここをお参りできて、ホッと満足。
洞窟の外に出ると、やっぱり人、人。
もう松の内も過ぎているのに混んでおり、小さなお社の参道いっぱい、4列になってお参りを待つ人々の長い行列が続きます。
それを避けるように、裏道から出て、佐助稲荷へと向かいました。
○ 佐助稲荷
鎌倉駅から銭洗弁天に行く途中にあるお稲荷さん。
数え切れないほどたくさんの朱鳥居が、参道に連なる様子は、京都の伏見稲荷よりも先にここで知りました。
細い道を歩き切った崖に社はあり、隠れ里といった風情が辺りに漂っています。
銭洗弁財天の人混みとはうって変わって、閑散としているだけに、気持ちのいい気を感じます。
茶屋でひと休みして、深呼吸すると、心の中が洗われるようで落ち着きます。
子供の頃には、なんとなく怖くて、簡単には近寄りがたいイメージを持っていましたが、いま思えば、ここが強い気のパワーに満ちているということかもしれません。
この辺りは鎌倉でも有名な佐助谷戸。
谷戸好きのyukyはすっかり気に入ったようで、貸し部屋を見つけて「ここに住みたいな~」と熱い視線を注いでいました。
ノマドライフを始めるのかしら? 遊びに行くのは、ちょっと遠いなあ。どちらかっていうと仙人ライフね。
そこからてくてく歩いて鎌倉駅方面へと向かいました。
北鎌倉からのルートは大変ですが、鎌倉駅からも結構距離があります。
それでも銭洗に向かう大勢の参拝客の列は途絶えることがありませんでした。
○ 江ノ電
鎌倉駅に到着。大勢の人に驚きます。
いつ来ても、観光客の多い場所ですが、この時期はまだ参拝客も多いのでしょうか。
江ノ電のホームに行ったら、あふれんばかりの行列ができていました。
うわあ、みんな電車に乗れるのかしら?
乗れはしましたが、ギュウギュウです。
海辺のノスタルジーを味わう余裕なく、押すな押すなでもまれていきました。
改札前には、顔はめパネルを発見。でも連れは被写体になってくれません…
○ しらす丼
江ノ島駅で降りて、ほっとひと息。
源氏山越えをしたので、おなかが空いた私たち。
さあランチ!
「江ノ島といったら」、やっぱりしらすを食べなくっちゃね。
有名な「とびっちょ」に行ってみましたが、なんと57人待ち!
ありえなーい!
確かにとってもおいしそうですが、そんなに待ったら日が暮れてしまいます。
そこで江ノ島参道そばのお店に入りました。
天気がいい日だったので、外のテーブルでいただきます。
空にはとんびが悠々と飛んでいました。
のどかな光景のようですが、実は鋭い目で私たちの食事を狙っているんだわ。
○ 江ノ島弁財天
ランチの後、細い参道を抜けて行きます。
「江ノ島といったら」、連想するのは生シラスにサザエの壺焼き、江の島ビール、そしてたこせんべい。
たこせんべいは、おみやげを食べたことはありますが、いっぺん焼きたてを食べたいと思っています。
ただ、店の前には長蛇の列。
今って、江ノ島のシーズンオフなので、どこもガラガラ空いていると思ったのに、しっかり観光客で賑わっており、ちょっとあてが外れた気分。
まあ、賑やかなのはいいことなんですけどね。
「江ノ島といったら」、建物はこの随心門。竜宮城のようです。
エスカーに興味シンシンのyukyに、「今日は歩きます」とおごそかに宣言し、急な石段を上がっていくと、弁財天宮があるのですが、ここもまた、参拝客が、石段の途中まで長い行列を作っていました。
どこもかしこも列ができているのね。
それでも高台からの見晴らしはよく、すがすがしい空気を胸いっぱいに吸い込みました。
ここからも富士山がよく見えます。
切り立った崖を見ては、喜ぶyuky。どの辺がツボなんでしょうね?
ふさふさしたしっぽのリスもいました。
目に鮮やかな朱色の「みゆき橋」の下をくぐります。
橋を渡るのも、くぐるのも、好き。
○ 猫はどこに?
忘れていました。「江ノ島といったら」、猫!
いつも参道を歩いていると、数え切れないほどたくさんの猫が、ごろごろ愛嬌たっぷりに日向ぼっこをしていて、癒されます。
でも、今日は一匹も見かけていません。あれ、どうしたのかしら?
yukyは「ネコがいなーい。いるって言ったのにー」とブーブー。
えー、だって、今までいないことなんてこと、一度もなかったのにー。
冬は、暖かいどこかのおうちに入れてもらっているのでしょうか。
猫の代わりに、やけにとんびがたくさん飛んでいました。
海岸に行ってみると、それこそ数え切れないほどたくさんのとんびが、風に翼を任せて雄々しく空を舞っていました。
カッコイイですが、時々エッジをきかせて急降下しているため、あきらかに獲物を狙っている様子です。
砂浜には、お弁当を広げた人たちが大勢。危険だわー!
まあ、私たちが観ている間には、事件は何事も起こらず、鳥好きの私は間近で多くのトンビを見られてウキウキしました。
○ デザートはブルーシール、のはずが
「次に行くのはブルーシールカフェ。デザートに食べたいの。冬だけど食べたいの」と主張して、腰超までのひと駅を歩きます。
途中、江ノ電が道路を通る場所があり、車と並んで走る様子を見て、ワクワクします。
有名な江ノ電モナカ屋さんがありました。なんと、お店の中には江ノ電もあります。
最初、よくわからずに(あそこが車庫なのかな?)と考えてしまいました。
「アイス、アイス♪」とフンフン鼻歌を歌って浮かれている私に、ネットで場所の確認をしていたyukyが
「あれ・・・閉店って書いてある」とぼそりと言いました。
えーっ!うそー!行くたびに混んでいた人気の店だったのにー!
肩を落としてがっくり。
そんな私に「事前に調べておかないと」と追い打ちをかけるyuky。
まさか無くなっているとは思わなかったから…
しょんぼりです。
腰越駅からまた混んだ江ノ電に乗り、鎌倉に戻りました。
人混みが苦手なyukyのために、なるべく空いているルートを選んで歩きます。
裏鎌倉の、2か月前に見たわんちゃんがいるお店に近づきました。
元気かなあ?まだダンボール生活を送っているのかしら?
いました、わんこ!
やっぱりしっかりダンボールに入っています。
前のよりも大きな箱になっています。
成長したのかしら?
ちなみに、昨年11月に見た彼はこちら↓
さらにダンボールに「ぎゅうどん」と手書きで書いてあったのが、ツボにはまりました。
だって、前見た時には「Fresh Eggs」の箱だったんですよ!
卵から牛丼に?そもそも君の名前が"ぎゅうどん"くん?
私たちに見つめられても、相変わらず我関せずと、居心地よさそうに丸まっていました。
○ 釈迦堂切り通し
八幡宮の北東へと向かい、着いたのは釈迦堂切り通し。
前に訪れた時よりも、草が生い茂ったり倒木があったりと、道はもっとワイルドになっていました。
ここの切り通しが通れる日を待ち焦がれているのですが、もしかして半永久的に、封鎖されたままなのかしら?
それは悲しいわ~。
幻の釈迦堂の秘密も、早く解明される日が来ればいいなと思います。
そんなわけで、この辺りは歴史のミステリーとロマンを感じられる場所になっています。
人家の低木生垣の上には、たくさんのスズメがとまって、チュンチュンいっていました。
寒くなってきたので、羽を膨らませていて、かわいい。
○ 洋館とこの日2度目の山越え
そのまま閑静な住宅街を歩いていると、クラシカルな洋館の前に出ました。
旧華頂宮邸です。まだ中に入ったことはなく、いつか公開日に来てみたいと思っている場所です。
うす暗くなってきましたが、まだまだ歩けそう。
「釈迦堂切り通しの代わりに、朝比奈切り通しを通ろうか?」とyuky。
「なぜ朝比奈?」
「響きがいいから!」
アバウトな。でも私も、朝比奈っていう響きには惹かれます(笑)!
ストッパー役がいないため、単純に語感の好みだけで朝比奈超えをするところでしたが、だんだん日が傾いてきたので無理そうだと悟り、「じゃあこのまま逗子に出てみよう」ということになりました。
ただ、ネットが弱いのか、頼みの綱のyukyのGPS機能が消えかけています。
私のWIMAXは、もとより使えません。
人通りのない見知らぬ細道が、うっそうとした丘につき当って、ついには行き止まりになってしまったため、困っていたところに、運よく地元の人らしき親子連れが通りかかりました。
聞いてみたところ、「ここは通り抜けできるよ」と教えてもらったので、丘を登ってみました。
ハーハーいいながら登り切ると、突然林は開けて、碁盤の目のような住宅区画地が現れました。
通りぬけたのは、地図にないような道。まさに抜け道です。
視界の悪い木々の中を通って、山越えするのかと覚悟していただけに、予想外の光景に驚きました。
まるで『猿の惑星』のラストシーン(!?)
きちんと区画整備された新興住宅地なので、道もわかりやすくて、不安が消えます。
人里になって、GPSも息を吹き返しました。
○ 逗子駅へ
もうすっかりGPS任せになって、言われるがまま右に曲がり、左に曲がりしていたら、線路沿いに出ました。
そのまま歩いていくと、逗子駅の入り口になりました。
えっ、ちょっと待って?
いままで、何度となく京急新逗子とJR逗子駅の乗り換えを行ってきましたが、こんな車通りの激しい車道沿いだったかしら?
私が知っているのは、反対側の方でした。
そちら側は、広いコンコースもあり、大きな駅という堂々とした顔つきですが、反対の山側は、子供一人では歩かせられないほど危険な交通量です。
裏と表でこんなに表情が違う駅だとは思いませんでした。
○ 横浜へ
それから新逗子経由で、横浜に出て、夕食にしました。
昼はヘルシーだったので、夜はつばめグリルのハンバーグ。
たくさん歩いたので、美味しく賞味できました。
ワインだって飲んじゃうよー♪
簡単に酔っぱらって、その後お茶をしてもまだ抜けず、yukyと解散した後、ハイになったまま、家まで歩いて帰りました。
ぽかぽかした小春日和の、楽しい1日を満喫できました。
冬の江ノ島も、なかなかオツなものです。犬やリスや鳥たちに出会えたし。
銭洗い弁天の人混みの中に、こんな千鳥もいました。
(近江の海 夕浪千鳥 汝が鳴けば...)
でも姿をみせないにゃんこたちの行方は、けっきょくわからずじまいでした。
まあ、疑問は江ノ島迷宮に入れておきましょう。
春が来たら、謎も解けるでしょう。
では次々々々…回には、朝比奈越えしましょう。
って、いつの話になるのかな?(笑)