幼い頃に母に連れられて千葉に買い物に行くのが好きだった。
勿論、おもちゃ売り場でいろいろなおもちゃを見るのも好きだったが、
一番愉しみにしていたのが千葉そごうの階上にある食堂での昼食だった。
お子様ランチやエビフライにハンバーグ、それにプリンアラモードなど、
食堂には大好きなメニューがサンプルとなってウインドウに並び、
それは子供の目にはキラキラと光って見えていた。
かつてデパートの食堂は和食から洋食、中華から子供向けまで様々なメニューが並び、
そのデパートの中だけで全てが完結するように作られていた。
以前の千葉そごうは今ヨドバシカメラの入っている塚本大千葉ビルにあった。
1993年に現在地に移転し、それに併せて併設食堂も総合食堂から、
それぞれの専門店がテナントとして入る形式に変更された。
その中の一角にはラーメン専門店もあり「山頭火」が入っていた。
この店にも一度入ったことがあるが、今年1月6日にそごう千葉店で買い物をした時、
食事はJR千葉駅の駅ビルにあるラーメン店で済ませていたが、
なんとなく10階を歩いてみようと思い、ここで「山頭火」が撤退していたのに気付いた。
そのあとに居抜きで入ったのが「梅光軒」である。
「梅光軒」は旭川で1969年に開業したラーメン店で、
同店のホームページによると、「庶民の食事でもラーメンは松竹梅では梅に相当するが、
その梅に光を当てる」という意味を込めてこの店名を付けたのだという。
旭川本店と札幌らーめん共和国店には今まで併せて4~5回くらいは行っている。
特に本店は旭川で下車した時には必ずといっていいほど行っているのだが、
まさかあの「梅光軒」が千葉で食べられる日が来るとは思わなかった。
旭川は一般的には“醤油ラーメン”と認識されているが、
「梅光軒」は醤油ラーメンのほか、塩ラーメン、味噌ラーメンもあり、
この店に入る時は何時も味噌ラーメンをオーダーしている。
今日は味噌ラーメン800円に加え、チャーシュー丼370円をオーダーする。
先にチャーシュー丼が出てくる。
チャーシュー丼は数量限定で、小ぶりの丼だが、
ゴロゴロのチャーシューとタレがご飯に合い、刻んだ葱が良いアクセントになっている。
半分くらい喰ったところで味噌ラーメンが出てくる。
味噌ラーメンは何度も食べているが、安定した美味しさである。
ホームページによると動物系スープと魚介系スープのWスープは旭川が発祥といわれているとのこと。
確かにスープは一般的な味噌ラーメンで奇を衒った味ではないし、普段使いには最適である。
基本的な味な味噌ラーメンの最上位といった位置づけである。
中細の縮れ麺は中華そばの基本的な麺であり、スープとも良く合う。
トッピングは大きめなチャーシュー、メンマ、もやし、刻んだ葱など。
メンマは平たい一般的な切り方ではなく、角切りになっていて歯ごたえがある。
シャキシャキなもやしと麺を一緒に喰うと「あー、ラーメンを喰っているな」と実感できる。
前回来た時には既に長蛇の列が出来ていて、この店の人気を物語っていた。
それでも千葉で「梅光軒」が喰えるというのは幸せである。