17.空転と鹿との衝突-68分遅れの山田線
宮古駅で3時間31分の乗り換え時間で、
留置されていた三陸鉄道の車両を十分に取材した。
それでも時間を持て余してしまった。
気動車は電車に比べて寿命が短い。
不要な車両を廃車処分するにも金がかかるので、
結局、こういった場所に留置されたままになることも多い。
途中、移動してきた車両をよく見ると、
「あまちゃん」のイラストが描かれた、
「三陸元気!GoGo号」だった。
「あまちゃん」放送10周年を記念して、
36-704がクラウドファンディングで実現させたものだ。
この朝ドラは三陸が舞台となっており、
三陸鉄道もドラマの中に出てきたもので、
ブーム再燃に期待を寄せているのだろう。
漸く15:54宮古始発の山田線のキハ110系が入線してきた。
ここからは事前購入した宮古から盛岡までの切符でJR改札を入場、
充当されていた110-139に乗り込む。
宮古から盛岡までは2時間27分で、18:21には到着する予定だった。
定時に宮古を発車した山田線車両は順調に盛岡を目指していた。
しかし途中でスピードが落ちてきて、
陸中川井に到着する時には15分遅れになっていた。
車内放送によると、落ち葉による空転が発生しているという。
この時は知らなかったが、家に戻ってから調べると、
山田線では秋になると落ち葉が線路に積もり、
車輪に踏み潰された枯れ葉から出たタンニンがレールの鉄と化学反応を起こし、
朝霧や霜などにより被膜が出来て空転に繋がるという。
JR東日本盛岡支社の資料によると、
2020年度の空転発生200件のうち、山田線が116件、
時間別だと3196分のうち、2594分を山田線が占めている。
更に松草と区界の間を走行中に鹿と衝突も発生し、
その処理のため17分停車し、区界では67分遅れになっていた。
更に上米内に到着した時には69分の遅れになっていた。
やはり盛岡泊にしたのは正解だった。
今日、新幹線で強引に帰京することにしていたら、
時間が間に合わずに大変なことになっていただろう。
結局、盛岡には68分遅れで到着した。
※参考:JR東日本ホームページ https://www.jreast.co.jp/