ringoのつぶやき

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DJ-節税目的の企業買収に注目する米ヘッジファンド

2014年07月28日 12時24分17秒 | 

米国のヘッジファンドが、米国企業による外国企業の買収に伴う本社の海外移転で節税効果を得られるとみら
れる企業の株式を大量購入している。

 こうした節税目的の米企業の海外移転が相次いでいることについて、オバマ大統領は「間違っている」と不快
感を表明している。 しかし、多くの金融関係者や弁護士らは、少なくとも今年末まで続くと見ており、ヘッジ
ファンドは多額の利益を手に出来る可能性がある。

 ヘッジファンドはここに来て、租税回避のため外国企業の買収に動くとみられる米企業とその標的となりそう
な外国企業への物色を強めている。現在、こうした節税目的の買収案件は十数件あり、総額で1000億ドル(約10
兆2000億円)以上に達している。例えば、米医療機器大手メドトロニックがアイルランドの同業コビディエンを
429億ドルで、米製薬会社アッヴィがアイルランドの同業シャイアーを540億ドルでそれぞれ買収している。

 ニューヨークのヘッジファンド、ビジウム・アセット・マネジメントの創業者ジェイコブ・ゴットリーブ氏は
、「数学が通用するならば至極簡単な作業だ」と話す。同ヘッジファンドは以前から医療関連株に注目してきた
が、同氏によれば過去1年余りは節税への関心の高まりも意識して、銘柄選びをするようになった。ビジウムは
投資家向け書簡で、製薬のアクタビスやエンドウ・インターナショナルの株式を購入したことを明らかにした。
両社とも、アイルランドの同業を買収して本社を同国に移転し、ビジウムは利益を挙げた。

 だが、租税回避の買収には、米政府や議会が厳しい目を向け始めている。しかし、オバマ大統領は議会にこう
した買収阻止のための法制化を求めているが、議会が迅速に動く気配はない。

 買収が成功しないケースもある。英製薬大手アストラゼネカは、米同業大手ファイザーからの1200億ドルに上
る買収提案について、価格が低すぎるとして拒否した。成功していれば、本社移転を伴う過去最大の節税目的の
買収案件となっていた。このことから、メリット・キャピタル・インベストメント・アドバイザーズでヘッジフ
ァンドへの投資を行っているボブ・コッター氏は、「租税回避のための買収だけに目を向けるのはリスクがある
」とくぎを刺す。

 それでも、ローン・パイン・キャピタルやジャナ・パートナーズ、シャチェム・ヘッド・キャピタル・マネジ
メントは、こうした買収案件は増加し、利益を得られると期待している。節税目的の外国企業買収は過去10年間
に約50件あったが、ここ2、3年ペースが速まっており、最近は特に医療セクターで関心を呼んでいる。

 時価総額が5億ドル以上のアイルランドおよび英国に本社を置く医療関係企業は23社あるが、S&PキャピタルIQ
によれば、過去1年間のこれら企業の株価は82%上昇した。この間S&P500種株価指数は17%の値上がりだった。
これら企業のうち4社が買収提案を受けており、シャイアー、コヴィディエン、マリンクロットは買収で合意し
ている。
 ヘッジファンド調査会社HFRによれば、買収などにより利益を得ようとするイベント・ドリブン型ヘッジファ
ンドの今年上半期の運用成績は平均4%超で、株式ファンド全体の成績を上回った。ヘッジファンドの中には、
企業に直接租税回避のための買収を持ちかけるところも出てきている。

 ドラッグストア大手のウォルグリーンの株式を10億ドル保有しているアクティビスト・ヘッジファンドである
ジャナは他のファンドとともに、ウォルグリーンに対し欧州の同業大手アライアンス・ブーツの株式を全株購入
する計画を推進するよう要請している。アナリストによれば、ウォルグリーンは買収に伴い本社を欧州に移せば
、実効税率は3分の1超圧縮される可能性がある。同社株は、年初来で約28%値上がりしており、ジャナの完全買
収後押しの動きが表面化して以降では14%上昇している。

 証券取引委員会(SEC)への届け出によれば、ローン・パイン・キャピタルは今年第1四半期にアイルランドの
製薬会社ジャズ・ファーマシューティカルズの株式を3億2500万ドル購入した。同社はまだ外資に買収されてい
ないアイルランドの数少ない独立の中堅製薬会社のうちの一つで、アナリストや金融関係者の間ではかねてから
節税目的の被買収企業候補と目されている。同社株はこの1年間にほぼ倍増した。
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