ringoのつぶやき

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創薬で「時価総額4兆円」 ペプチドリームの正夢いつ

2017年08月28日 22時10分05秒 | 気になる株

 2020年代のどこかで時価総額4兆円になる――。創薬ベンチャー、ペプチドリームの窪田規一社長は、東京都内で23日に開いた決算説明会をこう締めくくった。4兆円という数字は、国内最大手である武田薬品工業に匹敵する。決算数字がいまいちであるにもかかわらず強気の姿勢を崩さないのは、開発の進捗に手応えを感じているからだ。

 

ペプチドリームの窪田規一社長は多くの製薬大手と新薬開発で協力
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ペプチドリームの窪田規一社長は多くの製薬大手と新薬開発で協力

 ペプチドリームの技術は、特殊ペプチドと呼ばれる化合物を短時間のうちにランダムに数兆種類も作れる。ペプチドはアミノ酸がつながったもので、がんなど病気を治す薬の候補だ。製薬企業が持つ化合物はせいぜい数十万から数百万種類となっている。

 これまで欧米の名だたる製薬大手と共同研究契約を結び、1社当たり数億~10億円規模の契約一時金やマイルストン収入を稼ぎ、急成長を遂げてきた。勢いに陰りがみえたのは17年6月期だった。前期に比べ売上高が数倍伸びる決算を繰り返してきた同社が、わずか13%増の48億円にとどまった。契約相手となる製薬大手は当然のことながら限られた数しかなく、既存の契約先での開発の進展を待つしかない不透明な時期に入ったとも受け止められた。

 そんななかで、ペプチドリーム由来の医薬品候補のうち最も開発が進んでいた製品について、証券会社が「導出先の米大手製薬が開発を中止した」と推測するリポートを公表した。今年5月初旬のことだ。これは誤報だったが、翌日の株式市場では売りが殺到し、10%を超す大幅な株価ダウンとなった。

 「本当に薬ができるのか」という医療業界や患者、投資家の不安はつねに創薬ベンチャーにつきまとう。様々な実績を持ち、開発資金も持つ製薬大手に比べれば仕方のないことだ。

 だが、ペプチドリームに期待できる材料はほかの創薬ベンチャーよりも多い。17年6月期には、第一三共とペプチドリームで研究していた新薬候補の物質について第一三共が臨床試験の準備に入ることを決めるなど、計7社で開発が進んだ。新たに製薬大手と契約するなどの華々しさには欠けるものの、創薬に向け着実に歩んでいる。

 製薬会社は新薬開発の効率性においてペプチドリームが優れていると認めているのは間違いない。塩野義製薬積水化学と8月7日、特殊ペプチドの原薬製造会社「ペプチスター」の設立記者会見を開いた。席上、塩野義の手代木功社長が「我々が数年かけても満足に作れなかった化合物を、ペプチドリームはわずか4カ月で作ってくれた」と語った。

 同社に弱みがあるとすれば、化合物を製薬企業に渡した後の主導権がないことだ。臨床試験入りも相手の都合次第で、開発が進まなければ収入もない。このため自社開発品の拡大にも目を向け、そーせいグループの英ヘプタレスと提携するなど手を打っている。

 17年6月期の営業利益は2%減の24億円、純利益が20%増の18億円。18年6月期の目標は売上高70億円以上とした。70億円はあくまで最低限の数字だという。ペプチドリームの技術で生まれた薬の候補物質が正式な新薬第1号として国から製造販売の承認を得られる時期について、同社は22年を念頭に置いている。同社はまだ夢のなかにいるが、正夢になるはずだと、実現に向けひた走っている。

(野村和博)



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