ringoのつぶやき

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DJ-【Fedウォッチ】前連銀総裁、米インフレは緩やかに上昇と予想

2012年04月23日 18時06分56秒 | 債券

ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)米連邦準備制度理事会(FRB)がバランスシートを大規模に拡大したことに対
する最大の批判は、それがインフレ急伸の土壌を作っている、というものだ。

FRBの債券保有額は現在、金融危機当初の8000億ドル程度から2兆9000億ドル程度まで膨らんでおり、これにより
FRBは潜在的なインフレの炎に油を注いでいる、との指摘がある。こうした流動性の急増は、銀行がFRBに預ける
準備預金が過剰に積み上がるという形で、その大部分が実現している。実質的に準備預金は経済に一気に放出で
きるため、物価上昇圧力の急激な上昇を招く恐れがある。

プール前セントルイス地区連銀総裁は、現役のFRB関係者をはじめ多くの向きと同じように、FRBが陥った立場を
懸念している。だが、プール前総裁は20日、FRBに批判的な「影の公開市場委員会」が主催した会合で講演し、F
RBのバランスシートがインフレを加速させるとしても、その過程は現在多くが懸念するよりも緩やかなものとな
る公算が大きいと述べた。

前総裁が最も可能性が高いとみるこのシナリオは、1960年代と70年代の経験に基づくものだという。物価動向が
上向いた場合でも、「市場でのインフレ懸念の高まりは、やや緩やかになるのではないだろうか」と語った。経
験則から言って、物価が「一斉に」上昇することはないと思われると述べた。

消費者物価指数(CPI)でみたインフレ率は、60年代初めの1%前後から長い時間をかけて上昇し、70年代末まで
に15%近くに達したが、その途中で下げに転じることも頻繁にあった。当時は70年代半ばなど、前年比で見ると
インフレの上昇が一時的に減速した時期すらあった。

前総裁は、FRBが任務を果たせなかった場合、状況は再び自らのシナリオのようなものになるとみている。まさ
にシナリオ通りのことが起きるとは示唆しなかったが、FRBに対し、インフレ率が先ごろ公式目標となった2%を
上回った場合の政策対応を説明する確かな基準を提供していないことに苦言を呈した。

米国で数十年前に起きたインフレの災禍の場合、金融政策の失敗に加え、物価はそれほど上昇しないという一般
の自信が徐々に悪化したことが相まって、少しずつインフレの芽が育っていったため、政策対応の正式な基準を
提示しておけば、インフレ期待を確実に抑え続けることができると前総裁は考えている。

「FRBには(物価を抑制するため)適時適切に行動すると述べる以上の行動が求められる」と前総裁は述べた。


当然ながら、米連邦公開市場委員会(FOMC)の主要メンバーはやや異なる見方をしている。一例として、年初に
公式なインフレ目標を導入したことについて、メンバーらはインフレ抑制に向けた取り組みを強化するものだと
とらえている。

さらに、バーナンキ議長をはじめとするFRB関係者らは、FRBに現在1兆5000億ドルに上る準備預金に付利する権
限がある点を指摘し、これを経済全体から資金を吸収し、FRB内に資金をとどめる重要な手段とみなしている。準
備預金は、政策担当者にとって特に難しい問題となっている。なぜなら、こうした資金は経済に一気に流れ込み
、経済活動を過熱させる恐れがあるからだ。少なくとも理論上はそうだ。

より広く言えば、保有債券の売却から利上げまで、FRBには他にも多数の引き締め手段があり、これらはいずれ
もインフレの上昇を抑える可能性がある。とは言え、FRBに批判的な向きは、こうした措置はまだどれも試行され
ていないため、何が起きるかは全く不透明だと反論している。
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