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私の日常臨床 Vol.50

2021-08-16 07:44:36 | Weblog

色々雑用が多く、すっかり更新するのを忘れていた。

今回提示する症例は、欠損部にインプラント治療を希望された事例。
一見、1歯欠損で骨量も十分あり、単純埋入ですぐに欠損治療が行える症例である。
しかしこのような事例は、クロスセクショナルな治療計画では危険である。
なぜなら欠損部は、以前根破折が起こったため抜歯に至った経緯があるため、
なぜ破折が起こってしまったかを考察する必要がある。
当院での診査時に、顎運動機能に問題があり、これが破折の原因であることがわかる。
また、筋触診を行ってみると、咀嚼筋群に問題があることが浮き彫りになった。
いわゆる不定愁訴を持っていた。
このような事例は、筋安静を図るというより、咀嚼筋群の異常に対して
顎運動機能の正常化を図る必要があるため、当院の通法の手順で
生理的に調和した顎運動機能とそれを維持する咬合位の構築を行った。
(スタビライズスプリントによる治療ではない)
その後、常に裏首の張った感じや偏頭痛などの不定愁訴の消失を確認し
最終的に必要な箇所への修復補綴治療を行った。
欠損部のインプラント治療は、先述した通り単純埋入で行ったが、
簡単なインプラント補綴でも、その処置に至るまでの総合診断からの対処を行い、
適切な咬合治療を行うことで、インプラントを含む全顎の長期的安定につながる。


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