リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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謹呈

2017-07-04 13:42:15 | Weblog
当院では学会誌に症例報告論文を投稿したとき
学会から別刷をいただいているが、その別刷りを症例報告に用いた患者に、
症例使用の承諾をいただいていることもあり、必ず患者に別刷を謹呈している。

これは患者にどのような学会に用いて、どう治療したかというものを
見てもらうことだけが目的でなく、
患者や同業者に、初診時にどのような悩みを主訴とし、それに対して何をどう診査診断し、
どう治療計画を立て、どのように治療をしていたかの事実を明示する意味もある。

初診時どのような主訴、状態でこられ、その時行った診査でどのような徴候がみられたか
そして診断はどのようにしたか、当然患者にカウンセリングを行っていたことも、また治療後、
予後何年といった日付も明記されている。
これらを、患者はその論文を見るとその事実と内容を確認することができる。

論文の症例をどこかで口演していた場合、同じ症例を段階を上げて大きな場で口演を行うとき、
時に内容が都合よく変わって、そのことによってあたかも素晴らしい手順で
治療を行っているような流れになっている摩訶不思議な『痛い症例』がたまにある。
このような場合、同じ症例を論文で記述する場合、以前口演を見ていた人にとっては
内容が『あれ?なんかおかしいな?』ってなるだろう…w

名声や名誉、利権に執着する『白い巨塔』に似たようなことはするべきでない。
正直な学術の世界こそ、我々の尊厳を高める。