『DISCOVER the 90's”第9弾アーティストとして、”大塚利恵”のサブスク全曲配信』を記念して、オリジナルソングの歌詞と解説を、一曲ずつご紹介しています♫
vol.5は、2nd.マキシシングル「涙のカギを開けて」(98年9月19日リリース)のカップリング曲、「さかなの夜」です。
茨城の高校時代に作りました。17歳くらいかな。
さかなの夜
作詞作曲歌:大塚利恵
編曲:福原まり
すごい風やめて
聞こえない
崩れる 倒れる なくなる
夜
せせら笑う
サヨナラ!!
試されるコト
食べられるコト
みんな みんな ないところへ行こう
ウロコだけとって焼かないで
乾いた 開いた 亡んだ
夜
口を開ける
オイシイ!!
試されるコト
食べられるコト
みんな みんな ないところへ行こう
試されるコト
食べられるコト
みんな みんな ないところへ行こう
ビンの中で泳ぐのは さみしい
透き通る世界が 恋しい
試されるコト
食べられるコト
みんな みんな ないところへ行こう
実家は北茨城市平潟町(ひらかた)というところで、平潟港という漁港のそばです。
小さいけれど、由緒ある港です。
にも関わらず、私はもともとそんなに魚介類が好きというわけではありませんでした。
食べられない種類も多く、生魚は食べられなくて、寿司屋ではイクラとたまごばかり食べてました。
上京してお酒を飲むようになってからは食べられるものが増えて、お寿司屋さんも楽しめるようになりました。
「歳をとるとどんどん肉より魚の方が好きになるよ」なんてよく言われて、そうかなと思ってたんですが。
30歳くらいで味覚が変わり、魚のにおいが全く受け付けられなくなってしまいました。
少し魚介類をお休みして様子を見ようかなと思っていたら、そのまま食べられなくなってしまい、今に至ります。
海藻と出汁(あんまり本格的じゃないもの)、かまぼこは今の所好きですが。
大人になってからは、美味しいと思えないものは栄養も吸収されにくいから無理に食べなくて良いという話もあるので、まあいいかなと思っています。
でも、「さかなの夜」なんて曲があるのに魚が食べられないの?!と驚かれたりはしますね。
好き嫌いがあると、定期的に誰かに言われるのが、「えー?こんなに美味しいのに食べられないの?かわいそう!」
です。笑
で、「アレルギーなの?」と聞かれて、そうじゃないと答えると「わがまま」として見られる。
食べたくても食べられない理由って様々だと思うし、本人辛いんですけどね。
レストランでも旅先でも、いちいち「ごめんなさい」と食材変えてもらって。
それで、「あなたは嫌いなものないの?」と聞き返すと、だいたい
「らっきょう。あんなの食べ物じゃない」とか言うわけです。笑
おかしいよね。
私は魚が食べられないことを残念に思ってるし、自分の嫌いなものを「食べ物じゃない」という感覚の方がよっぽどかわいそうに思います。
らっきょう農家さんに謝れよ、と。笑
そんな話はともかく、「さかな」がモチーフになったのは、間違いなく、私が港町出身で、魚がとても身近な存在だったからです。
実家は電気店で、漁船の電気まわりなどが専門です。
港に船が入ると深夜1時とか2時にでも電話がかかってきて、父はそれに対応していました。
いつも近所の漁師さんが、獲れたての魚をバケツに入れて持ってきてくれました。(今も、実家はそんな感じです。)
でも、身近なんだけど、なんか魚って色や模様や造りが不思議だし、目が怖い。
思わず敬語で話しかけてしまいそうな雰囲気を持っている。
「すいません、捌きますね。」
大人しく捌かれて食べられているけど、本当は深遠な世界観を持ってそう。
達観してるのかも。
そんな私と魚の距離感が背景にある歌詞かと思います。
もちろん、魚は比喩、擬人法的になってるのだけど、そんなことはまあどうでもいいかな。笑
ある晩、魚になった夢をみて、でも心はヒトのままで、泳ぎながらいろんなことを思った、みたいな。
そんな感じです。
アレンジ/ピアノは福原まりさん。
まりさんの発想はとてもユニークで、この曲のアレンジも本当に面白いしかっこいい。
それでいてクセになる、不思議な心地良さ。
トロンボーンが入っているんですが、1音だけ「プッ」ってなるところとか、音域が難しい箇所もあって、レコーディングでトロンボーンの松本さんが苦労されていた記憶があります。
参加ミュージシャンも個性的な方ばかりでした。さすがまりさんチームって感じで。

間奏の、デニスさんのE.ギターのレコーディングも、アイディアがぶっ飛んでいて面白かった。
これは1st.アルバム「Oh Dear」の歌詞カード。

ミックスしてくださったのは、赤チンさんこと、故・赤川新一さん。
このチームとは別に、デビュー前にもお世話になっていたので、CDでご一緒できて嬉しかった。
ライブで演奏してもらったり、ずっと親しくしていただいているアコーディオンのサブちゃん、田ノ岡三郎さんの作品でもCo-produce/Recording/Mix担当されています。
サブちゃんの最近の作品を聴いていて、赤チンさんの音が素晴らしくて、できれば新しいスタジオに伺って相談したいこともあったのだけど、叶わず残念でした。
皆さんもぜひ、サブちゃんのCD聴いてみてくださいね。
「さかなの夜」は、ポエムみたいな歌詞。
ポツリポツリと間が多くて、その間がとっても大事で。
私の曲は歌うのが難しい曲が多いので、こういう曲は歌入れの時、気楽でした。
アウトロはフェードアウトしていきます。
魚が泳いで、遠い世界に消えてゆくみたい。
フェードアウトが似合う曲ですね。
vol.5は、2nd.マキシシングル「涙のカギを開けて」(98年9月19日リリース)のカップリング曲、「さかなの夜」です。
茨城の高校時代に作りました。17歳くらいかな。
さかなの夜
作詞作曲歌:大塚利恵
編曲:福原まり
すごい風やめて
聞こえない
崩れる 倒れる なくなる
夜
せせら笑う
サヨナラ!!
試されるコト
食べられるコト
みんな みんな ないところへ行こう
ウロコだけとって焼かないで
乾いた 開いた 亡んだ
夜
口を開ける
オイシイ!!
試されるコト
食べられるコト
みんな みんな ないところへ行こう
試されるコト
食べられるコト
みんな みんな ないところへ行こう
ビンの中で泳ぐのは さみしい
透き通る世界が 恋しい
試されるコト
食べられるコト
みんな みんな ないところへ行こう
実家は北茨城市平潟町(ひらかた)というところで、平潟港という漁港のそばです。
小さいけれど、由緒ある港です。
にも関わらず、私はもともとそんなに魚介類が好きというわけではありませんでした。
食べられない種類も多く、生魚は食べられなくて、寿司屋ではイクラとたまごばかり食べてました。
上京してお酒を飲むようになってからは食べられるものが増えて、お寿司屋さんも楽しめるようになりました。
「歳をとるとどんどん肉より魚の方が好きになるよ」なんてよく言われて、そうかなと思ってたんですが。
30歳くらいで味覚が変わり、魚のにおいが全く受け付けられなくなってしまいました。
少し魚介類をお休みして様子を見ようかなと思っていたら、そのまま食べられなくなってしまい、今に至ります。
海藻と出汁(あんまり本格的じゃないもの)、かまぼこは今の所好きですが。
大人になってからは、美味しいと思えないものは栄養も吸収されにくいから無理に食べなくて良いという話もあるので、まあいいかなと思っています。
でも、「さかなの夜」なんて曲があるのに魚が食べられないの?!と驚かれたりはしますね。
好き嫌いがあると、定期的に誰かに言われるのが、「えー?こんなに美味しいのに食べられないの?かわいそう!」
です。笑
で、「アレルギーなの?」と聞かれて、そうじゃないと答えると「わがまま」として見られる。
食べたくても食べられない理由って様々だと思うし、本人辛いんですけどね。
レストランでも旅先でも、いちいち「ごめんなさい」と食材変えてもらって。
それで、「あなたは嫌いなものないの?」と聞き返すと、だいたい
「らっきょう。あんなの食べ物じゃない」とか言うわけです。笑
おかしいよね。
私は魚が食べられないことを残念に思ってるし、自分の嫌いなものを「食べ物じゃない」という感覚の方がよっぽどかわいそうに思います。
らっきょう農家さんに謝れよ、と。笑
そんな話はともかく、「さかな」がモチーフになったのは、間違いなく、私が港町出身で、魚がとても身近な存在だったからです。
実家は電気店で、漁船の電気まわりなどが専門です。
港に船が入ると深夜1時とか2時にでも電話がかかってきて、父はそれに対応していました。
いつも近所の漁師さんが、獲れたての魚をバケツに入れて持ってきてくれました。(今も、実家はそんな感じです。)
でも、身近なんだけど、なんか魚って色や模様や造りが不思議だし、目が怖い。
思わず敬語で話しかけてしまいそうな雰囲気を持っている。
「すいません、捌きますね。」
大人しく捌かれて食べられているけど、本当は深遠な世界観を持ってそう。
達観してるのかも。
そんな私と魚の距離感が背景にある歌詞かと思います。
もちろん、魚は比喩、擬人法的になってるのだけど、そんなことはまあどうでもいいかな。笑
ある晩、魚になった夢をみて、でも心はヒトのままで、泳ぎながらいろんなことを思った、みたいな。
そんな感じです。
アレンジ/ピアノは福原まりさん。
まりさんの発想はとてもユニークで、この曲のアレンジも本当に面白いしかっこいい。
それでいてクセになる、不思議な心地良さ。
トロンボーンが入っているんですが、1音だけ「プッ」ってなるところとか、音域が難しい箇所もあって、レコーディングでトロンボーンの松本さんが苦労されていた記憶があります。
参加ミュージシャンも個性的な方ばかりでした。さすがまりさんチームって感じで。

間奏の、デニスさんのE.ギターのレコーディングも、アイディアがぶっ飛んでいて面白かった。
これは1st.アルバム「Oh Dear」の歌詞カード。

ミックスしてくださったのは、赤チンさんこと、故・赤川新一さん。
このチームとは別に、デビュー前にもお世話になっていたので、CDでご一緒できて嬉しかった。
ライブで演奏してもらったり、ずっと親しくしていただいているアコーディオンのサブちゃん、田ノ岡三郎さんの作品でもCo-produce/Recording/Mix担当されています。
サブちゃんの最近の作品を聴いていて、赤チンさんの音が素晴らしくて、できれば新しいスタジオに伺って相談したいこともあったのだけど、叶わず残念でした。
皆さんもぜひ、サブちゃんのCD聴いてみてくださいね。
「さかなの夜」は、ポエムみたいな歌詞。
ポツリポツリと間が多くて、その間がとっても大事で。
私の曲は歌うのが難しい曲が多いので、こういう曲は歌入れの時、気楽でした。
アウトロはフェードアウトしていきます。
魚が泳いで、遠い世界に消えてゆくみたい。
フェードアウトが似合う曲ですね。