「いのちのやくそく なんのために生まれるの?」
胎内記憶の研究で有名な産婦人科医 池川明先生、瞑想の第一人者 上田サトシ先生の共著。
お名前をよく存じ上げていた先生方なのですが、びっくりしたのは、この本を出版したのが、10年以上前に知り合った編集者、吉満明子さんがお一人で立ち上げた
「センジュ出版」
だったこと。
知り合った当時、吉満さんが在籍していた出版社で「作詞の学校」というWebマガジンを連載させてもらいました。
作詞の本を出したいんです、という私に、「面白そう!まず連載してみましょうよ。」と軽快な吉満さん。何でも否定することなく、最低限のアドバイスからは深い信頼が伝わってくる。すごいなあ!という印象をずっと覚えていました。
ちょうどその頃、私はヨガやセラピーなど、自分を整える旅を始めたところでした。ぐちゃぐちゃにバランスが崩れた自分を土台から立て直すべく、学びを続けてきましたが、そんな中、昨年ふとSNSでこの本のことを目にしました。
その瞬間、「あ、いよいよつながってきた!」と、自分の中でカチンと音が鳴った気がしました。
決してスピリチュアル系ではなかったはずの、大手出版社でバンバン業績をあげていたあの吉満さんが、ご自身で立ち上げた出版社で池川先生と上田先生の本を出している!
私は10年ぶりに吉満さんに会いに行きました。
6畳ちゃぶ台一つのレトロなブックカフェを併設したセンジュ出版で、お茶をいただきながら吉満さんに伺ったのは…
池川先生に別な本の帯を書いていただいたお礼を言うために、たまたま行った講演会で、池川先生が対談していたのが上田先生だったこと。
そしてその場でぜひお二人の共著を、とオファーしたこと。
上田先生は数々のオファーがあった中で、この本が初めての著書だということ。
何かに導かれるようにこの本が作られることになったことを知り、とても嬉しくなりました。
「いのちのやくそく」は、お産前後のママさんが一番のターゲットになってはいるけれど、すべての人に開かれている、とってもニュートラルで優しい本だと思います。
実際、男性の読者さんから、母親を大事に思えるようになったという感想が来たりするそうです。
見えない世界のこととか、スピリチュアルとかあやしくて嫌だわ、という人にもぜひ読んでみて欲しいと思います。
瞑想がテレビでも取り上げられるくらい流行ってきたり、時代が大きく変わりつつあるのを感じますが、見えない世界のことはまだまだ敬遠されがち。
でも、実際ほとんどのことって目に見えないですよね。
それに、もともと私たちはそれを知っていたはず。
星の王子様「かんじんなことは、目に見えないんだよ。」
金子みすゞ「見えぬものでもあるんだよ。」
このような引用だったり、お腹の赤ちゃんと会話する方法や瞑想法があえて具体的に書かれているのも、この本がフワッとせずに読者の中にしっとりと落ちてゆく鍵なのだと思います。
重版にあたり、谷川俊太郎さんの言葉が帯に入ったということで、私はまた興奮してしまいました。
「ココロは感じる、アタマは考える、
でもタマシイはとっくに知っている、
目に見えないもの、言葉にならないものを。
詩人 谷川俊太郎」
この本がますます多くの方に届いて行きますように。
見えない世界がもっともっと身近なものになりますように。
ちょっとだけ本の雰囲気を感じ取ってもらえたら思い、私の主観で抜粋してみました。短い抜粋なので、誤解なく伝わりますように。
【池川明先生のパートより】
■「じゃあ、この子たちにできることを任せてみよう」と、生まれてくる子の意思を尊重するようになったところ、パタッと救急搬送がなくなったのです。
■同じ吸引をかけるのでも、赤ちゃんの許可なく黙って引いた場合と、声をかけ、許可をもらって行なった場合とでこんなに違うなんて驚きでした。
■胎内記憶の話を産婦人科医や小児科医の集まりで伝えても、反応は芳しくありません。すぐにエビデンス(科学的根拠)を求められます。子どもが話してくれたことが証拠になるはずですが、結局は信じてもらえないのです。それはきっと、科学という名のもとに、最初から信じる気持ちがないからなのだと思います。
■わたしたちはなんのために生まれてきたのか、そして赤ちゃんはなんのために生まれてくるのか。それは、ただ単に「宇宙がいろいろなことを経験したいだけ」なのではないかと思うのです。
■この地球になぜ生まれてきたのかを聞いてみると、「地球を救うために来た」と言う子が、たくさんいるのです。
【上田サトシ先生のパートより】
■当時、心がくじけそうなときに思い出したのは、25歳のときに瞑想して聞いた、「楽しくて楽しくて、しょうがないんだよ」という、将来の自分の言葉でした。
■妊婦さんは妊娠している時期、勘が鋭くなるようです。それは、それまで持っていた価値観が目に見える現実的なものから、いのちやたましいという目に見えない事項にシフトしていくからかもしれません。
■子どもは、お母さんのお腹の中にいるときや生まれた後、親が意思疎通できないと思っている時期であっても、ちゃんと家族のことをわかっています。ですから、お腹の中にいる赤ちゃん、生まれたての赤ちゃんであっても、ひとりの人格として接してあげると、たましいがつながって幸せな気持ちになっていくのです。
■目に見えない大切な世界のほうがずっと大きくて広いのです。
■赤ちゃんが生まれるときというのは、宇宙の始まりによく似ていることに気づくのです。赤ちゃんも「意識」がはじめにあって、「身体」ができて、そして生まれてきます。
■目に見えないものを信じる人は、幸せな人です。