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レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

女囚さそり 第41雑居房

2025年04月13日 14時13分03秒 | やくざ/マフィア/ギャング/ノワール/不良

「女囚さそり 第41雑居房」
1972年 日本 87分
■監督:
 伊藤俊也
■出演:
 梶芽衣子
 白石加代子
 渡辺文雄
 室田日出男
 小林稔侍
 小松方正
 阿藤海

●あらすじ
ナミは女囚のボス・大塚たちと隙をついて脱走を企てる。
6人の女囚たちの逃避行と追う看守たち。
やがて女囚たちは観光バスを乗っ取って人質を取り、包囲網を突破しようとするが…。
クールなナミ役は、このシリーズがはまり役の梶芽衣子。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
前作が思わぬヒットをしたため、恐ろしいスピードで制作された続編。
と言っても当時の東映はそんなの当たり前で、二か月もあれば映画一本完成させることが出来ている。
この辺はお隣の香港映画でも似たような状態が起きていたので、やっぱり香港映画と東映は似ていて
娯楽作を作る事を追及すると、結果的に同じ感じになっていくんだなと言うことが良く分かる現象だ。
さてそんな第二作となる本作だが、話の方はほとんで転がらない。
女囚たちが脱走して、看守たちが追いかける。
一言で言えばこれしかない。
ではその間を何で埋めるのかと言うと、何故か”地獄”とか”怨み”みたいな、
おどろおどろしい情念で埋め尽くした、地獄絵図みたいな映像をかなりの割合で混ぜながら進んでいく。
しかも本作では何故か、主人公の梶芽衣子がほとんで喋らず、台詞なんて一言二言レベル。
かわりに凄まじき眼力のみで演技する。
だがこれが恐ろしいくらいに美しい。
でも主人公が喋らないんじゃあ映画は進まない。
代わりに映画を引っ張るのが女囚のボス役である白石加代子で
この人の眼力もまた凄いのだが、驚くのはその表情。
正に”般若”のような顔付きになるのが凄く、よく般若のような形相という例えがあるが
それを実写化したら正にこうなると言える、素晴らしき般若顔をしてくれる!
なので本作では梶芽衣子と白石加代子の演技対決の凄さと迫力は
まるで「キングコング対ゴジラ」並みの凄さはある。
他にも女囚たちをヒドイ目にあわせる男たちが沢山出てくるのだが、彼らが逆襲されて殺された時の
それぞれの殺され方がまた面白いのだが、その点も含めて楽しめる人であれば観てもいいかも。

宇宙大怪獣ギララ

2025年04月13日 14時12分39秒 | 怪獣/モンスター

「宇宙大怪獣ギララ」
1967年 日本 88分
■監督:
 二本松嘉瑞
■出演:
 和崎俊也
 ペギー・ニール
 原田糸子
 柳沢真一
 岡田英次
 藤岡弘

●あらすじ
日本宇宙開発局の宇宙船は月から火星に向か途中で事故に遭う。
乗組員は無事救出されるが、宇宙船の主動力となる原子炉のまわりに不思議な発光体が付着していた。
資料として持ち帰られた発光体は、開発局で、巨大怪獣となってしまう。
地球上のあらゆるエネルギーを吸収し、ギララは巨大化し続けていく……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
先日「大巨獣ガッパ」を観たので、ガッパとセットとも言える本作も鑑賞。
実際両作品怪獣ブームの中、制作会社が一作しか作っていない共通点の他公開日も近くて
「宇宙大怪獣ギララ」の公開日は1967年3月25日なのに対し
「大巨獣ガッパ」の公開日は1967年4月22日と、ほぼ変わらないくらいの近さなのだ。
さてそうなると気になるのはまず特撮技術だが、本作で特撮を担当した人も
若い頃に円谷英二に師事したらしい。
こんなところまでガッパと酷似しているとは!
ただ特撮の出来栄えはガッパの方が上だったかなと感じた。
脚本の方もガッパと観比べるとよくわかるんだけど、どちらも会社のカラーが強く出てるなって感じ。
ガッパの方は日活なので、主題歌も含めてどこか若者による無国籍風アクションなテイストなのに対して
ギララの方は松竹だなあって感じ。
まず主題歌が流れるところはガッパと共通しているのだが、こちらは歌っているのが
ボニージャックスと倍賞千恵子だからね。しかも両方とも作詞は永六輔ときたもんだ。
さらにおかしいのが月面基地に到着した一行がまずやる事が、
バスクリンが入った檜風呂につかって、ワインで乾杯なのだ!
さらに月にある基地の中で、普通に煙草を吸っている描写が当たり前なのも、昭和時代の松竹だなあて感じ。
後半、地球に帰ってきたパイロットたちがギララに対する物質は月などの環境じゃないと実験できないと分かるや
上官は軽く「じゃ、月行ってきて」と宇宙から帰ってきたばかりの人たちに
まるでバスでも乗って隣町に行ってきて的な軽いノリで指示したりするのも、昭和な感じで最高に良い。
また前半の話の中心が、何故か恋の三角関係だったりするのだから、対象が子供向けではないのかと思ったりする。
とまあ他にも怪獣映画として見ると、ツッコミ所が山ほど出てくるのだが
だがそれもこれも全て、松竹だからなあと思うと納得してしまうような牧歌さを持った不思議な怪獣映画なのだ。
ところで2008年に突如「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」と言うタイトルの映画が公開された。
ただここ最近の映画はタイトル詐欺が多いから、きっとギララなんて登場しないんだろうと思っていたんだけど
本作を観たついでに予告編を観てみたら、どうもちゃんとギララが出るっぽいね。
そうなるとその内に観てみようかなと思う映画が、また一本増えてしまいました。