私の図書館

主に読んだ本の感想。日常のできごと。

松本清張の"事故"

2007年07月03日 06時18分31秒 | ミステリー
今日の本は、松本清張の"事故"。先週あれだけ文句をいっていたのに、性懲りもなくまたまた手をだした。 言い訳をするなら、この本は読売新聞の本の虫で紹介されていて、そのうえ、図書館にちょうどあったから。まあお金を出すわけではないし、つまらなくても笑って許せるだろう、ぐらいのきもちで読み始めた。
"点と線"が読むだけむだという作品なら、こちらは図書館でただで借りれてなおかつ、すーごくひまにしているなら読んでもいいのではとおもえる作品、古本屋で、100円でも、買わないな私なら。でも、50円なら考えるかも。

"事故"の構想じたいはいいと思う。けっこういりくんでいて、あーこういうふうにつながるのねとちょっと感心もした。しかし、書き方がヘタ。読んでいて気付いたけど、このはなし、主人公がいない。 一章ごとに、違う人物が話を続けていく構成になっている。それはそれでいいのである、宮部みゆきなどは、こういう作風で"理由"を書いていた。ちなみに直木賞受賞作。こちらはだれが読んでも堂々の直木賞受賞作品、文句のつけようがない。複雑な話がさらに複雑な手法で書かれているにもかかわらず一気に読ませる面白さのある作品。しかし、松本清張の"事故"は"理由"ほど複雑でないのにも関わらず読み進めていくのが難しい。一章一章話が続いていない。言い換えれば、話のもっていきかたがヘタなのだ。清張の心の中では、理にかなってスムーズ話がつずいているかもしれないけど、読者はおいてきぼり状態。しかも、登場人物がしっかりかけていないので、読者は手がかりなしで清張のぶっちぎりにつきあわなければならない。人物に感情移入できないので、トリックが解けても、"あっそう" でおわってしまう。
出版社の担当の人は止められなかったのか?

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