作家によってこうも新選組の見方が変わるとは。
だいたいにして、新選組を書こうという作家は新選組のファンだろうとおもう。
いわずものがな、出来た作品も好意的なもから下手をすろと極度にロマンタサイズされたものに落ち着くはず。
なのに、この本反土方、反近藤色が強くでている。
山南敬介が仲間に殺された天才というような風にかかれていて、他の本で軍師とうたわれていた土方はここでは田舎ものの馬鹿のようなあつかい。 山南は洗練された本当の武士であり、他は田舎百姓の武士のまねごとであり、しょせんは幕府にいいようにつかわれていることにすら気付かないおろかものという役回り。
かなり冷静な視線で新選組がかかれている。 史事にちかいのかもしれない。
でも、しょせん小説なのだからもうちょっとかっこよく書いてもいいのでは。ファンも期待してることだし。