直木賞作家の初期の作品。190ページ程度の中編小説で、これですばる新人賞を受賞。
短い短編ながら一気によませるホラー(?)もの。
不気味できもちわるくて、こわかった。
ジャンル的にゆうなら、バイオホラーというのか。
でも、パラサイトイブのような超科学的ではなく、
日本の代表的な産業の養蚕にまつわる産業バイオ。
ラバトリーだけではなく実際に応用されているような現実的な話。
美しい絹をつくる野蚕を大量生産するため品種改良し、超蚕をつくる。
登場人物を最小限におさえ、また人物背景、キャラクターなども抑えて、蚕に焦点をあてている。
短い短編だが実によかった。"天使の囀り"といたジャンルかもしれないが、こちらのほうが日本の日常に沿っていて怖かった。
とくに、芋虫の大量発生のようすや、芋虫がふみつぶされる様子、芋虫がむしゃむしゃと食べる様子、描写がよすぎて気持ち悪かった。
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