私の図書館

主に読んだ本の感想。日常のできごと。

スーザン コリンズのキャッチングファイアーとモキイングジェイ

2012年12月06日 11時23分50秒 | ファンタジー
ハンガーゲームの続き。2巻目がキャチングファイアー。
無事ハンガーゲームから生還したピーターとキャッネス。しかしプレジデントの怒りをかいまた、ハンガーゲームに送られる。
キャットネスはまた今までどうりに暮らしたいと思っているのだが、周りが特別な存在になりつつあるキャットネスをほっておかない。
キャットネスの勇気に感銘した他の地域が、キャピタルの支配に対して反乱をおこし、そのシンボル的存在としてキャットネスが持ち上げられる。
それを稀有したプレジデントが、キャットネスを万民の前でゲームの結果として殺そうと、またしてもキャットネスを駒としてゲームに参戦させる。
どこを見回しても、駒として利用されるキャットネス。
今回は謎の地域13がでてくる。

最終巻はモキングジェイ。キャットネスがハンガーゲームでつけていたピンがこれ。
ハンガーゲームの途中で反乱軍に誘拐/救助されたキャットネス。
故郷をなくし、反乱軍の中でどう生きていくか模索する。

一番おもしろかったのはハンガーゲームだった。
2、3巻目は、キャットネスがいったい誰とくっつくのかが知りたい一心で読み続けた。
最後を知って満足。
ちなみに、映画をみたけれど、やっぱり本のほうがずっといいので本をおすすめする。
ハンガーゲーム1(上下)、2(上下)、3(上下)としてでている。
こども向きの本で、厚いわけではないのに、上下にするとは。

シャーリーン ハリスのDEADLOCKED トルーブラッド12

2012年10月16日 12時25分29秒 | ファンタジー
毎年5月に発売しているシャーリーンハリスのスーキーシリーズ。
毎年5月を楽しみにしていたのに、なんてこった今年はうっかり忘れて今ごろ読み終わった次第。
リビューをみると結構厳しいこと書かれているけど、私はおもしろかったと思う。
なんせ1年に1回しか出版されないので、前の話がうろ覚えなので、作者の丁寧な解説は面白おかしく親切だと思った。
ただ、今回はクイン(スーキーの昔のBF)まで無意味に登場させたのはどうかな?疑問におもった。

スーパーナチュラルな世界にどっぷり関わってしまっているテレパスを持つスーキー(人間)。
エリック(バンパイア)との仲がエリックの結婚話によって急激に冷え込んでいくなか、ビル(前のBFバンパイア)が熱烈にアプローチをする。
こういう関係の中だれがなんのためにハーフ狼少女をエリックの家の前で殺したのかを追っていくスーキー。 
さらに妖精問題もスーキーは頭を悩ませる。スーキーの同居人は妖精。
結構込み入っているのでここまでくると、絶対スーキーシリーズ1-11を読む必要がある。

次の巻でスーキーシリーズいよいよ最後。一体エリックとの仲はどうなるのか?
本当、スーキーには幸せになってもらいたい、とても愛すべきキャラクターなので。
今から来年の5月がまちどうしい。 

ちなみに日本語版はトゥルーブラッド11 遺された秘宝 が最新刊。
あっという間に追いついた。



スーザン コリンズのハンガーゲーム

2012年07月02日 16時06分36秒 | ファンタジー


春ごろアメリカで大人気になった映画の原作。
SFらしいけど、SFぽくなく。バトルロワイアルの真似と言われているけれど、そんなこともなく。

キャピタルという都市に支配されている12の区域。その12の区域から毎年少年少女1人ずつキャピタルに送られ、ハンガーゲームという殺し合いを生中継で行う。主人公はキャットネスという第12区域にすむ貧しい少女。同じく12区域の代表ピーターという少年。テレビ感覚の殺し合いがはじまり、勝者は一人。

バトルロワイアルのときには殺し合い事態を中心によんでいたので、これといって誰を応援することがなかったけれど、この本は登場人物にたっぷりのめりこめるので、キャットネスの応援をすることまちがえなし。

バトルロワイアルのように血みどろのバトルや恐怖心をあおるような心理的な本ではなく、キャピタルとその植民地となっている区域の間にある矛盾、貧富の差など、社会面をにフォーカスをあてた作品となっている。ゲームがはじまってからは手に汗にぎるようなサバイバルの連続で最後まで一気読みだった。


3部作の1作目で、まだ2作目は日本ではでていないよう。
ちなみに、ハンガーゲームは中高生むきの本となっている。
なのに、このあまり長くない本をさらに、上下巻の文庫にして売ろうとしているには驚いた。

貴志祐介の新世界より

2011年06月22日 19時08分33秒 | ファンタジー
すーーごくおもしろかった。 もう読み始めたらとまらない。
SF・ファンタジーなんだけど、ファンタジーぽくないっていうか、昔ながらのファンタジーとはちがった現実派SF。
なんでこれが直木賞をとらなかったのか謎(日本SF大賞はとったけど)。
この本は図書館でかりてしまったけど、絶対文庫で買いなおそうとおもった。
ちなみに、ハリーっポッター、ナルニアなどは嫌いな私がおすすめするファンタジーSFものです。
この作家さんで有名なのは”黒い家”とかだけど、これが間違いなく一番。
私としては映画化してほしいとさえ思う、ちょっとむずかしいかもしれないけど。
私のなかではBEST of 2011

森見登美彦の夜は短し歩けよ乙女

2011年05月18日 14時41分54秒 | ファンタジー
う~~~ん  生理的にうけつけなかった。
30ページ程読んだとこで挫折。
直木賞候補で本屋大賞2位だったんだけど、ダメだった。
先輩なる私が後輩の黒髪の乙女とおちかずきになるため半ストーカーとかしてがんばるっていうはなし。
おもしろそうだなって思ったけど、読んでいて誰が誰で、いったいどういう設定で、誰と話ているのかという基本がわからず、ついていけなかった。

宮部みゆきの小暮写真館

2011年03月01日 19時04分55秒 | ファンタジー

ひさしぶりの宮部みゆき作品。傑作とまではいわないが、なかなかおもしろかった。
書き下ろしのこの作品、700ページをこす大作だが4つのエピソードからなるので中篇4作ってかんじ。

舞台は現代なんだけれども昭和のにおいが残る下町(ゴーストタウン)に主人公一家がひっこしてくるところからはじまる。 引越しさきは、小暮写真館。古家と明記されて売りにだされた小暮写真館をそのまま自宅とすることにした花菱一家。父、母、高校生の主人公はなちゃん(男)、と弟のピカちゃんのふつうの一家なのだけれど、幼いときに女の子を亡くしたこの一家はそれぞれにおもいを秘めていて、最後の章で昔の記憶が溶け出していく。
ユーモアも入っていて、心霊写真も入っていて、ほろ苦くもあるはなちゃんの高校3年間を軸に花菱一家やはなちゃんの友達を描いている。 

模倣犯、理由というよりICOとかにちかいかな。 

とうぶん文庫本では発売しないだろうし、文庫本になっても700ページもあるのできっと高いだろうし、ここはひとつ図書館でどうぞ。

東野圭吾のパラドックス13

2010年02月23日 13時07分34秒 | ファンタジー


まったくの予備知識なしに図書館でかりたこの本、大変満足な出来であった。

前もってあらすじを知らなかったので素直に話に入ることができた、あらすじを知っていたらきっと敬遠していたであろう。
ジャンルをいえばSFなのだろうと思う。SFなのだけれど、おもいっきり人間臭い。人間の本能や自然の摂理を唱える一方で、危機状態において、私たちは文明や人としての叡智を保つことができるのかという問いにもなっている。スピード感もまんてんで、私は一晩で読み終わった。

あらすじを言えば3/13の13時13分13秒にPー13という現象がおき、すべてのものが(宇宙全体が)13秒時空的に跳躍してしまう。10人を残して。その10人はなぜかこの世界に取り残されてしまい、どうにかして生き残ろうと逃げ惑う。全ての人間が消えてしまったこの世界は、地震、洪水、台風などにおそわれ、東京の地盤は沈下、どこにも動けない状態になってしまう。そんな危機に直面する中で、どうやって人間性をたもちながら生き残れるのかというのが問題となってくる。ビルや家屋などは暴風雨や洪水のためアスファルトにのみ込まれ、もちろん電気、水道、などの供給もない。高齢者や赤ちゃんをかかえたこの10人は、こんな状況でどうするのか? っとまあ、海外ドラマのLOSTのような感じに似てるかなとも思う。

ひとつ難点をいうなら、リーダー格の久我がなぜだか、すごく生に固執し、アダムとイブとなり人間社会をふたたび10人でつくるという壮大なゴールをかかべて、みなを激励するのだが、これはちょっとひいた。Pー13現象の前の彼らのことが全然書かれていないため、この久我の妙なポジチィブ思考に違和感をおぼえる。

当分、文庫になることは無さそうなので、図書館でみかけたらどうぞ。

浅田次郎の椿山課長の7日間

2008年04月10日 14時02分25秒 | ファンタジー
浅田次郎の短編集にはがっかりだったけどこの本はとても楽しく読めた。ユーモラスで笑いがあるのに皮肉な日常も書かれていてとても良く書けている。でもなんか最後がしりきれとんぼのようにあっけなく終わり納得いかなかった。憑神を読んだ時にも感じた最後の後味の悪さがちょとだけどある。でも、前半は大変おもしろい。私はこの本を1晩で読み終えた。

内容を簡単にいうと、デパートの婦人服売り場で働いているはげで肥満気味の椿山課長が主人公。その課長がデパートの威信をかけた夏のセールの初日に倒れて死んでしまう。あの世にやって来た椿山課長、残された妻子、家のローン、夏のセールの売上高など心残りがあり成仏したくないとあの世で働いている人(?)に文句をいう。交渉の末7日間だけもとの世界にもどることを許される。あの世も合理化が進みまるで役所のように死んだ人を裁いていくけれど、それに納得できず椿山課長とヤクザと小学生の男の子3人が仮の姿でやり残したことを片付けようとそれぞれ地上におりてくる。しかし、椿山課長を待っていた現実は彼が生前思っていたものと全然ちがっていた。平平凡凡だと思っていた椿山課長の人生は実は本人も知らないドラマが隠されていた。それが死後に分かるのがとても残酷に思えた。あの世で働いている係の人(?)も言っていたが知らないほうがいい事もある。椿山課長の場合は遅すぎたけど知っておいてよかったとおもうけど。 この本は映画化もされたらしいから映画でみてもおもしろいかも。


浅田次郎の"憑神"

2007年07月22日 07時22分35秒 | ファンタジー
この本いいのだけど、なんか居心地が悪い。全体的なストーリーとしてはとても個性的で面白いのだけど、なんかこうチグハグなところがある。それが後味の悪さを隠せない。例えば主人公の別所彦四郎のキャラクター前半と後半でかなり変わっている。それをうけて、話の性格まで違ってしまった印象があるのでほとほと戸惑った。

あらすじを簡単に説明すると江戸末期というかもう維新の時、江戸御徒士(下級侍)の出戻り(1度婿にいった)居候の次男坊である彦四郎が憑神をよびこんでしまうところから話がはじまる。最高ついていないみじめな境遇の彦四郎のもとに貧乏神、疫病神、そして死神がつぎつぎに現われ不幸をよびよせる。その度に彦四郎それぞれの神様に宿振り(不幸を他の人にうつす)をお願いする。3度目の死神が現われ、さあどうする彦四郎という話。

私は2度目の疫病神が現われた時まで、これはコメデータッチで書かれているのだと思っていた。どうしようもない侍の次男坊、忠義とか伝統とか家とかどこ吹く風の自由人でも人間的に優しい人柄、あまり深くものを考えないたちなので憑神たちが現われたびにどうやっってその場をしのごうかと戦々恐々とするが人懐っこい性格で神様たちを取り入ってしまう。でも、最後の死神だけはさすがにどうするものかと知恵をしぼって退治する。とまあこんな感じの印象をうけた。ちょっと昔話ぽい感じ、同じストーリーを3回くりかえし、最期はなんらかのオチがあるみたいな。 これが全然違う。本当に前半50%はこういう印象だったのだ、ところが後半に入ってから様相が一転する。

疫病神が彦四郎の兄に取りつくところから様子は一変する。四角四面お家大事だとおもっていた兄のキャラクターが実はちゃらんぽらんで侍やめたいとおもっていた人だった、一方自由人だとおもっていた彦四郎じつは武士道とか義とか先祖伝来の家とか御役目とかをすごく大事におもっていた人だったらしい。この辺から雲ゆきが怪しくなってきたので私はすごいスピードで本を読み進めた。"おもしろくて一気に読ませる"とか"ページがかってに開いてしまう"とかいう話ではなく、"オチはなんなんだ!"という不安から。読んでびっくり、夜鳴き蕎麦屋の親父相手にくだをまいていたあの彦四郎が徳川の臣として御家人の反乱に加わるのだ。しかも、権現様(家康)の幻をみるというおまけつき。天に選ばれし英雄陣羽織をきて太刀ふるいいざ戦場へというかんじ。いやーびっくりした。まさかこういうオチとはね。3人の憑神様の意味は最後のほうではきえていたね。彦四郎のひとり舞台。

これ、2冊違う本がくみあわされたかんじがする。浅田次郎、面倒でも2冊書くべきだった。"憑神と次男坊彦四郎"という話と"別所彦四郎、維新を生きる"という話。
映画化したらしいけど、どういうふうになったいるのか見もの。

畠中恵の"しゃばけ"

2007年06月30日 06時03分02秒 | ファンタジー
なにがきっかけで読み始めたかは忘れたけど、今日は"しゃばけ"を紹介。あまりに表紙がかわいいので、それものせた。 この本は時代物+ファンタジーというところだろうか。
場所は江戸、時は江戸時代全盛期、主人公は大店の病弱な若旦那。病弱なので、いろいろな妖(妖怪みたいな者?)が若旦那を手伝って事件を解決していく。短編集でよくまとまったホノボノとした話。 "しゃばけ"シリーズ第6弾の"ちんぷんかん"は今月出たばかりだから、書店で見かけた人もいるかもしれない。 よく"心が温まる話"というのがあるけど、これはそんな感じ。

よくかけているなと感心するのは、この作家の発想力。実は2001年「しゃばけ」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞しているのだけど、私のファンタジー対するマイナスなイメージを取り払ってくれた。ファンタジーというと、竜、剣、長髪、呪い、魔法、とかすぐに思い浮かぶ。"ハリーポター"の世界、理不尽なことも不合理なことももーなんでもあり。壮大な名目の前では、悪と善だけだから。で、最後は"魔法"だからで押し切ってしまう世界。 子供のころからファンタジーは大嫌いだった。というか、現実せいの無い話が嫌いだった。小学生の時"長靴下のピッピ"という本を読めといわれて読んで見て、思ったのが、なぜこの赤毛の女の子はまだ子供なのに1人で住んでいるのかという事だけだった。もちろんハリーポッターの面白さも分からないし、異様なまでの売れゆきも理解できない。そんな、アンチファンタジーの私が気に入ったこの本、無理がなくすんなり話に入っていけて面白い。こういうファンタジーもあるんだなと感心した作品。