私の図書館

主に読んだ本の感想。日常のできごと。

荻原浩の神様からひと言

2010年04月29日 11時14分16秒 | ミステリー/文芸


ユーモア小説というのでしょうか、べつに誰が死ぬわけでもなく、密室で殺人がおきるわけでもなく、窓際に異動させられたサラリーマンが奮闘する様をユーモアたっぷりに書いている。 総務部お客様相談室に準リストラ要員としておくられてきた佐倉亮平27歳。相談室の同僚はどれもリストラ一歩前のたよりない面々。お客様の苦情に四苦八苦しながら、対応テクニックを学んでいく。 毎日、自社製品の失敗作カップめんを食べながら、お客様の苦情に納得。なぜこんなにまずいのか疑問をもちはじめ、副社長一派を調べていく。

まあまあおもしろかった。別に話が似ているのではないのだが、読んでいて浅田次郎の椿山課長の7日間をちょっとおもいだした。

これは図書館でどうぞ。

来週から学期末のテストが始まるので図書館は忙しいのなんのって。夜中の2時まで開いてます。

貴志祐介の黒い家

2010年04月28日 07時54分12秒 | ホラー
やっぱり、読んだことがあった。しかも一回どころではない。年のせいか忘れっぽくなってきてるらしい。
読み返そうと思って借りたわけではなく、読んでみようと思って借りてるのだから始末が悪い。
今回は忘れないために、日記に記しておこうと思う。

面白かった(? ホラーだけど)ので、前に読んだ内容だが気にせず最初から最後まで読めた。
いやー怖かった。 お化けとか呪いとかではなく、生身の人間の怖さ。
生命保険の裏側にも焦点があてられていて、実によくかけている。作者自身も以前生命保険会社で働いていたらしいので、このリアリティさなのだろう。

主人公の若槻(保険会社勤務)が顧客の保険詐欺にまきこまれる話なのだが、詐欺ではすまされない残酷さ醜悪さをだしている。

かなり前の本なのでBOOKOFFで売っていると思う。迷わず文庫新品おすすめできるが、BOOKOFFでもOK。
天使の囀りよりはこちらの方が断然いいです。

日本語

2010年04月24日 14時33分36秒 | 日常の話

学生アルバイトの子で今学期日本語をとっている子がいる。
ヒスパニックの子で英語とスペイン語のバイリンガルなのだが、語学を学ぶのが好きで去年はイタリア語をとっていた。そして、今年はなんと日本語。1月ごろから、メモ用紙みたいのに、"あ"とか"ん"とか3行ぐらいにわたって書かれているものを職場でよく見かけはじめ、これなにかの暗号?とかおもっていたら、彼女が書いた"あ"と"ん"とかだった。

日本語難しいらしい。話をきいていると、平仮名と片仮名をならったと思ったらいきなり漢字とか. 平仮名をおぼえるのに五十音の表を先生にもらったと言うので見せてもらった。 "あ"とあとに蟻の絵が書いてあったり、"く"のあとに熊の絵が書いてあったりするあれですね。 これが使えないんだ。"に"で虹とか"あ"で雨とかはいいさ、でも"も"で桃太郎。。。桃太郎、国境を超えるほど有名じゃないだろう。

その上会話も勉強しなくてはいけない。この会話が曲者なんだ。
会話のテストがあるというので、練習につきあったりするのだが。
やっぱり、"あなたの名前はなんですか?"とか"何年生ですか?とか"学生ですか?"とかいう質問にはあきてくる。 一体何回私の名前をリピートしたことか、しかもちゃんと主語とです、ます調で答えないとダメとかいわれるし。です/ますで普通会話なんてしないだろう。でも、教科書(タイトルはげんきとかいうふざけた名前)ではそうあるので、一応です/ますを使って答える。

この前も"あります/います"の違いって何?と聞かれて困った。違いって言われても。。。普通生きてるものにいますを使って、物にはありますかな。。。と答えておいた。これはちなみに私がその場で振り返ってみて考えついたもの。だって、そんなこと知らずに日常的に使っているんだもの。

彼女には"が、は、を、ヘ"を使う時とその後に続く文が難しいらしい。例えば、"お父さんがいます" か "お父さんはいます" この違い。

話が難しくなってきたので、どっちでもいいよ、ちゃんと意味分かるから、といいかげんな答えを返しておいた。

私としては、一刻もはやく彼女に日本語をマスターして私の日本語友達になって欲しい。 私が雇っている15人の学生のうち半数は南アメリカもしくはメキシコからの移民か2世なので、スペイン語と英語をきれいに操ることができる。もちろん国によって訛りや言い回しが違うこともあるのだが、無知な私からみるとみんなちゃんとスラスラと会話しているようにみえる。英語意外でペラペラと会話しているのを見ると無償にうらやましくなる。
スペイン語かっこいいなーって思う。 本気でスペイン語とろうかとさえ考えている。
しかも、2人でスペイン語で話しながら私のほうをチラチラみて会話の途中に私の名前を入れたりしていかにも私の悪口いってますよっていう振りをするので、こっちもムキになってしまう。こういう時スペイン語が分かれば。。。

とりあえず、日本語をマスターしてもらって、はやく私とじゃべってもらいたい。

角田光代の対岸の彼女

2010年04月22日 05時29分44秒 | ミステリー/文芸


直木賞を受賞したこの作品、納得の一品だった。
まず単行本1680円の価値あり。お買い得なことに文庫で570円でも出ている。
間違いなく文庫本新品おすすめできる。

以前にこの作家の本"森に眠る魚"で挫折して以来、ちょっと敬遠していた作家だったのだが、こちらは実によかった。 森に眠る魚はあまりにも重く、暗く、怖かった、ので挫折。決してつまらなかった分けではなく、よすぎてダメだった。でも、これを気に再度チャレンジしようとおもう。

森に眠る魚同様、子持ち専業主婦/ママとも/社会性/育児/孤独/キャリア/夫と夫の家族などがテーマとなっている。とてもリアリテーあふれる本である。あふれ過ぎて、しょっぱなからどーーーんと暗い気持ちになる。最初からこれかと思い途中で止めようかなと思っていたのだが、話が高校時代の思い出などに戻ったりするので、あれ、ちょっと感じが違うとおもって読み進めた。 1日で読み終わってた。

30代後半の女性/母親の話や悩みなのだが、彼女たちの高校時代のエピソードが入り込められているので、ノスタルジックになると同時に年月をとうしての成長(もしくは成長のなさ)を読み取れる。


主人公の小夜子は3歳の女の子の母親/専業主婦で公園ジプシー(公園に集うママたちとうまくつきあえず、漂流するママたちをいうらしい。私にも新語だった)である。あまりに気弱で泣き虫友達の輪に入っていけない娘を歯噛みをしながら見ているのだが、それはまさに過去の自分をも見ているようでさらに小夜子をイライラさせる。娘を変えるために、この孤独さを変えるために、そして自分を変えるために、パートに出ようと決意する。義母に嫌みを言われながらも、義母に娘を預け面接にいく日々。数十回の面接後やっと清掃業のパートをみつけるも、(つかえない甘ったれ自己中全然理解してない)夫にはお掃除おばさんなんかやるなと否定的なことを言われる。保育園をみつけるのにも苦労する。もうこの辺りで、この本は子育てをがんばっている専業主婦にはオススメできないと思った。

しかし、小夜子を雇った小規模会社の女社長(独身)と出会い、いろいろ変わっていく。変わっていくのだが、型道理の女の友情みたいなきれい事ではなく、もっと生なましくかつ真摯な変化がまっている。それは読んでのおたのしみ。

このエンデイングのおかげで、この本を全ての人にオススメできる。
とくに、この本にでてくるような夫には是非読んでもらいたい。

貴志祐介の天使の囀り

2010年04月19日 14時20分40秒 | ホラー

グロテスクだと聞いていたのだけれど、最初50%ほどはたんたんとしていたので、たいしたこと無いじゃんと高をくくっていた。間違いだった。
後半、思わず背筋に悪寒が走るほどグロイ。線虫という寄生虫の話がメインになってくるのだが、もう想像しただけで。。。
しかもその寄生虫が人間の体内に。。。
後半から加速度的におもしろくなってきます。

話てきには大絶賛とまでは言えないが、なかなかおもしろかった。ホラーとグロテスクを求めているかたにはピッタリ。
文庫で買ってもいいが、BOOKOFFでまずチェック。 これがなかなかよかったので、この作家の黒い家もかりることにした。 記憶が正しければ、この本を買ったはずなのだが、その後どうなったのかさだかではない。 読んだ記憶がないのだが、買った記憶がある。困ったことである。
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結婚式

2010年04月14日 04時49分10秒 | 日常の話
結婚式いってきました。ピンチヒッターで、花嫁さんからは"もうほとんどやることないから"っと言われたのに、いざ結婚式の週末になるとやることだらけ。うそつき
木曜日から結婚式の日曜まで毎日朝の10時からよるの10時まで働いてました。

料理がWOLFGANG PUCKのケータリングだというので、すーーごく楽しみだったんです。
WOLFGANG PUCKってアカデミー賞のPARTYとかの食事を手掛けてる有名シェフだし、だから期待がすごくふくらんで。感想をいうとまずくはないんですけど普通ってかんじで。 やっぱりラスベガス支店だからなのか。
式事態はすごくいいお式でした。 花嫁さんと花壻さんのスピーチにおもわずホロリとしてしまって。

でも、それまでが大変だった。まず、式1週間前にいきなりWEDDING COORDINATORが代わっていたので、ストレス度いきなり上昇。
もうやることいっぱい。前日の夜までレイをつくったりとか。私は編めないので、アイロンでまっすぐにする係とハサミできる係だったんですけど。花嫁さんのお母さんとオバさんたちといとこでせっせとつくりました。いきなりブライダルシャワーをやることにしたり(花嫁さんの親戚家族がハワイにすんでいるので、やる機会がなかったらしいです)それから、入場の曲決めたりとか、スパに入ったりとか、お母さんがイヤリング忘れたと言い出したので、代わりのもの探しに行ったりだとか、親戚の人がフーバーダムに行きたいと言い出したりとか、リハーサルDINNERの予約がなぜか入っていなかったりだとか。。。

前日はもうこんな感じでした。花嫁さん前日の夜は1時まで起きて最終チェックをしていたらしいです。寝ろと言っておいたのに。

さすがに私にはこれは無理だなと思いつつも、やっぱり結婚式っていいなーと思いました。

シャリーン ハリスのLIVING DEAD IN DALLAS とCLUB DEAD

2010年04月13日 14時36分12秒 | ロマンス
先月トゥール-ブラッドシリーズを発見してから、はまってしまって、今4作目の途中。
いやーLIVING DEAD とCLUB DEAD(日本語版ではトゥール-ブラッド2と3)おもしろかった。

一作目のDEAD UNTIL DARKを読んだ時はてっきり主人公のスーキー(26歳バーで働くテレパシーを持つ女性)とビル(140歳のバンパイア)の恋の物語だと思っていたら、3作目でいきなり分かれてしまった2人。 1-3作目でなんとなくビルの影が薄いなと思っていたけど。 なんというか、他のキャラクターにまけている。ビル主人公じゃないのか??? と思っていたら、やっぱり主人公じゃないらしい。
どうーみてめ、オレさまキャラクターのエリックのほうが存在感あるし。でも、3作目で納得。ビルの不貞により別れることになった2人、その上されにステキな狼男のキャラクター登場。 これはスーキーの話なんだなーと。スーキーと他の様々なモンスターたちとの話と分かっていたら、こんなにビルにがっかりさせられることは無かったのに。

3作目でいよいよ目立ちはじめてきたエリック、4作目ではいよいよ主役級です。
3作目を読んでしまうと、絶対4作目が知りたくなるはず。なにはともあれ、どちらも思わず声をだして笑ってしまうことが度々あるほど、愉快です。もちろんスーキーのポロリとこぼれる独り言が愉快なんですけどね。

佐々木倫子のチャンネルはそのまま!

2010年04月12日 07時21分57秒 | マンガ
先日と同種の手段で入手したまんがをご紹介。

久しぶりに北海道が舞台の佐々木倫子の新シリーズ。
北海道HHTVのバカ枠採用の雪丸花子。天然ボケゆえに、すばらしいインパクトを面接で残し見事採用となった。同じくHHTVにちゃんと採用された山根一、そんな雪丸に呆れながら、 バカにしながらもなぜか巻き込まれてばか係となってしまう。

今までの佐々木倫子のまんが同様、1話完結で大変おもしろかったです。本当この人のまんがはハズレなし。動物のお医者さん、HEAVEN、おたんこナースと続いて、今回はテレビ局(しかもローカル)もの。もちろん980円の価値あり。迷わず購入をおすすめできる。

ちょっと気になったことは、雪丸と山根君のキャラクターがなんとなく、のだめと千秋先輩を思い出させてしまう点。あと、部長がやはり漆原教授とかなりかぶっていた点。この2点については、いつもオリジナルあふれる作品を書いていた佐々木倫子にしては珍しいなとおもった。


でも、本当最近女性の漫画家が青年まんがに連載しているのが多い。 しかも、どれもおもしろい。

ヤマザキマリのテルマエ ロマエ

2010年04月08日 08時27分40秒 | マンガ
先週同僚がSFのアニメなどのトレードショーにいくというので、去年に引き続きSFの紀伊国屋だまたまたマンガを買ってきてもらった。
同僚のダンナさんがコミックブックの本屋さんを経営しているので、私のまんがに対する造詣をよく理解してくれる。がしかし、やっぱり違う。
マンガが普通に好きなのとおたくっぽいマンガとは暗黙の了解で一線をかしている。彼らのすすめるマンガはやっぱりちょっと私が読むのと違うのだが、この微妙なニュアンスが難しい。まーいいさ、私もおたくで。


テルマエというのはラテン語で浴場のことらしい。ロマエというのは察するにローマのことだと思う。

古代ローマで浴場の建築をてがけている技師ルシウス。真面目さと謙虚さが取り柄なのだが、彼のデザインは斬新ではなく、今(130AD)のローマでは古いと批判され解雇されてしまう。傷心しているルシウスに幼馴染みのマルクスが浴場に行こうと誘う。湯につかっていると、ふいに穴に吸い込まれ、なんと出た先が2009年の日本の銭湯。 平たい顔族に出会って、彼らの文明の高さ、風呂へ飽くことのない快感欲求度に偉大なローマ人としてのプライドを傷つけられ敗北感にひたりながらも、明日のローマのために平たい顔族の文明を真剣に学ぶルシウス。タイムトリップする度にいつも違う風呂へとでてしまうのだが、そのつど平たい顔族の風呂文化を学び、古代ローマにもちかえる。

もちろんルシウスが言うすっとぼけた平たい顔族とは日本人のこと。帝国であるローマの市民であるルシウスは風呂で出会う人々を奴隷だと思うのだが、その風呂文明の高さにいつも負かされてしまう。

一話完結で、5話入っているのだが、どれも日本へのタイムスリップと古代ローマに帰ってからの風呂の応用で話が終わる。

とてもおもしろかった、2回ほどおもわず声をだして笑うほどだった。
たしかに、画期的なストーリーだと思う。マンガ大賞を受賞したのも納得がいく。 聖おにいさんが好きな人にはうけるとおもう。でも、個人的には聖お兄さんのほうが面白いともう。

ということで、聖おにいさんが星5つならこのまんがは星4つというとこ。
でも十分新品で買う価値あり。ちなみに私は12ドル(1200円ぐらい)もだしたけど。


村上春樹の1Q84

2010年04月02日 10時20分19秒 | ミステリー/文芸

挫折せず読み終わりましたよ。 ノルウェイの森以来の村上春樹の本、きっと途中で投げ出すよなっと半ばおもいながら借りたんですけどね。
もう内容とかいう以前に、読み終わったという達成感が強くて感無量。

感想かくのに難しい本だなというのが感想。
とりあえず、これが私の初の村上本読了なのであまり参考にならないとおもいますが、単行本で1890円の価値ありかといわれれば、あると答えるでしょう。

たしかに、文章の美しさ、構成の美しさでは群を抜くできであると言えると思う。 特に、二人の主人公である天吾と青豆の話が各章ごとに2人の視点で書かれているのだが、この2人決して交わることがないのに、象徴的なところでなんとなくつながっている。それが読者にしか分からないように書かれているのだが、芸が細かい。非常に細かいところまだ気を使って書かれているし、複雑な世界感を(しかも2つの視点で)リアリティーを込めてかかれいる。なので、私のようなアンチファンタジーの読者でも取り残されることはない。
なにはともあれ、私はもうこの本の構成だけで満足した。


あとはいくつか思ったことを箇条書きにして、感想としたい。

最初の90ページは読んでいて泣きたくなるくらい退屈だった。が、ここであきらめてはダメ。ここからが面白くなるのです。最初の90ページほどは我慢。

やや、鼻につくインテリ感があるのだが、村上春樹だとおもってこれも我慢。

村上春樹は訳もしているので仕方がないのかもしれないが、こういう言い回しふつう日本人の会話で出てくるか?というのがいくつかあった。やや違和感ありだった。例えば"ホットケーキのようにつくるそばからどんどん売れている。"という文があるのだが、ここでホットケーキは出てこないだろう。これはアメリカ英語特有の言い回しだとおもう。 こういうふうに、洋書を直訳したような文が出てきて困惑する。訳された洋書をよんでいる気にさせられる。

BOOK1とBOOK2は続けて読まないとあまり意味がないので、合わせて読んで下さい。

BOOK3はどうしようかなと考え中。