私の図書館

主に読んだ本の感想。日常のできごと。

宇江佐真理のほら吹き茂平

2012年03月14日 19時46分19秒 | 歴史/時代物
昨日にひき続き、江戸時代もの短編集。
今回は宇江佐真理のほら吹き茂平(短編6篇)。
宮部みゆきとどちらがいいと聞かれたら、迷うけれどこちらに軍配があがるな。

一番おもしろかったのは表題にもなっている、ほら吹き茂平。
息子に仕事をゆずった大工の棟梁茂平は、毎日ひまにしている。
口がわるいし、人のよいほらを吹くことでつらかった大工見習いを乗り越えてきた。
隠居の立場になって、さらに年季のいったほらを吹くようになる。
以外にもこの話、ほら吹きの話ではなく愛妻家の話なのである。
おもわずにっこりしてしまう、いいお話でした。

宮部みゆきのばんば憑き

2012年03月13日 22時21分12秒 | 歴史/時代物

短編6作で、江戸時代の怪談もの。
大人版日本昔ばなしというかんじ。

怪談ものだけれど、ちょっぴり切なく、人情いっぱいで、笑えるお話をそろえた満足のいく短編集。

とくによかったのは野槌の墓。
妻をなくした男やもめの柳井源五郎右衛門はおさない娘を一人でそだてる、貧乏長屋のなんでもや。
ある日、この長屋の野良猫(猫又)が人間の姿になって、なんでもやの源五郎右衛門に化け物退治を依頼してくる。
お足は持合せがないけれど、満足いく御手間賃をおはらいいたしますと約束する猫。
一体化け物の本来の正体とは? そして、猫又のはらう手間賃とは?