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烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

ウグイを食べる #02;

2010-06-12 08:55:47 | 烏合庵の食卓
“ウグイのポワレ,エリンギソース”

先日,友人より“ウグイ,要らんか?”と声が掛かった.鮎師なので,解禁(道内は7月1日)までの慰みに出したヤマメ釣り(北海道の釣師は‘やまべ’と言うことが多い;道南の解禁は6月1日)の竿にでも掛かったのだろう.丁度3本あると言う.
選んで釣る男なので例え良型とは言え外道を得意気に曝す事は無い.私の下手物喰いも承知なので,態々拙庵人数分を取り置いてくれたのだろう.有難く頂いた.


氷詰めから早速取り出してみると,流石に状態は素晴らしい.瞳は澄み切り鱗も鰭もピッとしている.尾鰭の先が尖っているのを見れば,丁度産卵に遡上してきた降海型のようだ(所謂‘あかはら’).体表に臭みは殆ど無い.折角だから皮目も使い,前回は中国風だったので洋風に仕立てようと目論んだ.

先ずは身卸し.今回は鱗は引かない.束子で滑りを落としながら水洗いして三枚に.


両面に軽く一塩当てて皮目を下に水切りバットに並べ,バットにラップを掛けて冷蔵庫で一晩寝かせる.


焼き始める1時間ほど前に取り出し,形ばかり骨切りをして身頃に軽く粗挽き黒胡椒を振り,千切ったディルを散らして休めておく.焼く間際に皮目に浮いた滑りをキッチンペーパーで軽く拭う.


休めている間にソースの準備.エリンギ(1パック)を長さ半分に切り,繊維に沿って3mmほどの細切りにして,オリーブオイルでじっくり狐色に炒めておく.


じゃ,そろそろウグイ焼きましょう.油も一寸,工夫して.
フライパンにオリーブオイルを引き,潰した大蒜一片を入れて弱火に掛け,風味をじっくり油に移したら,


皮目を下にしてウグイを並べ入れ,火をこころなし強める.そのままじっくり5分強,蓋はしない.9割がた皮目からのつもりでゆったり火を入れてゆく.大蒜は焦目が付いて来たら取除く.


上から見て生っぽいところが消えかけたら身頃に返し,強火に上げて軽い焦げ目を付ける.皮目が狐色に足りなければもう一度返してカリカリに焼き上げる.

焼き上げたウグイを皿に盛り,ソースの仕上げ.
ウグイを焼いたフライパンのこびり付きを酒(半カップほど;大胆に赤ワインでも面白いかも)でデグラッセしてエリンギのフライパンに移し,強火でツめる.ウグイに丁度頃合の塩が回っているのでアタリは敢えて足さない.半量ほどに詰まったら弱火に落としバターひと欠けでマリアージュ.2・3滴のウスターシャ・ソース(バルサミコがより良いと思うが拙庵には在庫が無い;赤ワインなら多分醤油が好い)で落着かせる.


皿に盛ったウグイ(グリーンアスパラとレッドベルのソテーを添えた)にソースを掛けてディルを飾る.“ウグイのポワレ,エリンギソース”,どうでしょう?

自薦ですが美味いです.ほっこりしたウグイの身は,やっぱり甘い.加えてじっくり焼き上げた鱗がさくさくと香ばしい.コイ科の底力を実感する.ただひとつ,腹骨(肋骨)が舌に触るのを除けば.その辺りの工夫が,やっぱり一番の課題かな.
ともあれ美味しく,いただきました.

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