烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

蝦夷鹿を頂く

2008-06-10 00:21:35 | 烏合庵の食卓

先々週末.夕餉のネタを思案していたら,冷凍庫に蝦夷鹿の腿肉ブロックがストックしてあるのを思い出した.昨年の師走上旬,白糠に赴いた折,道の駅“白糠恋問”でロースのブロックとともに求めたものだ.ロースは正月にカツレツにして頂いた.今回は,腿肉の竜田揚げをつくってみよう.


取り出して日付を改めると,賞味期限は6月7日.
前回同じブランドのものをハンドルしたときに,鮮度や処理状態の良いことは確かめている.コチコチのまま持ち帰り,そのまま冷凍庫に入れておいたので,あと1~2ヶ月は大丈夫と思ったが,我家の冷凍庫での保管状態を確認するには良い潮時だ.前日に冷蔵庫に移して自然解凍し,半解凍で下拵えに取り掛かる.


まずは揉みタレ.醤油2:味醂1,蜂蜜・卸生姜・胡麻油・酒;各少々で味を調え,絡みを良くし,ドリップを押えるため少量の片栗粉を加えておく.


肉は,放血や冷凍などの処理が素晴らしく,我家での保管状態にも問題は無かったようで,ドリップは殆ど出ていない.
1cm弱にスライス,包丁の背で軽く叩き,タレを揉み込んで常温で2時間ほど休ませておく.脂身は細かく刻んで叩き,タレと一緒にもみ込む.






今回,揚げ油にはサラダオイルを使用.唐揚げ(北海道流に言うならザンギ)同様の高温に熱し,汁気を切って片栗粉を叩いた鹿肉を,狐色(狸色かな)にからりと揚げてゆく.


薬味には,花椒粉,ソースはマヨネーズと山わさびに少量の醤油をあわせたものを用意した.



さて,まずはそのまま,頂きましょう.
            … OK! 上手く出来てます.

前回(初手)には,シンプルにしようと思う余り醤油・酒・生姜のみで漬け込んだのだが,“余分な”ほどの脂を持っているはずも無い野生の肉はやや甘味に欠け,素っ気無い印象となったのは否めなかった.
今回は酒を味醂に変え,蜂蜜で肉の甘味を底上げしたのが効を奏したようだ.物足りなさは感じない.花椒粉や山わさびマヨとの相性も良い.徒で,マーマレードを合わせてみたが,これもまた面白いコラボレーションだった.美味しかった.

肥育された,刺しの入った肉の脂の甘さが当たり前になってしまった舌を満足させるには,多少のギミックが必要な素材なのかもしれない….だが,鉄(ひいては血の気)の酸味を帯びた強い風味.獣の肉というのは本来,こう言った味なのではないか?….鮪の赤身や鯨とともに,忘れてはいけない味だと思う.
100gあたり¥150-(ロースは¥300/100g),豚肉並み.
札幌で手軽に手に入るなら,どんどん使いたい素材である.
謹んで,“頂きました!”

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2 コメント

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鹿肉 (獅子丸)
2008-06-11 00:03:54
鹿の竜田揚げ、旨そうですね!
実は父親がこの手のものが好きなので、結婚前は年に一度くらいは鹿肉をいただいておりました。ですが、妻はこの手のモノが苦手らしく、ここ10年くらいは食しておりません。先入観を捨てて食べてみれば、旨いモノなんですけどね~・・・白糠に行って、ゼヒ手に入れてみたいです。
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先入観… (raven-spk)
2008-06-14 09:01:25
なかなか,押えられないものですよね.

我がつれあいは,幸いコノ手のモノには抵抗は無いのですが,生魚・生肉はからきしダメなのです.刺身の皿が食卓に並んでいることには文句を言わないので,助かってはいますが.
生雲丹も,もとはダメだったのですが,付き合っていた頃誘い出したドライブ;然る海岸で,がんぜ(エゾバフンウニ)を1コだけ失敬し(立派な密漁です),その場で割って食べさせて以来,好物になってしまいました.あの時喰わせなければ,生雲丹,独占出来たモノを…

どういうワケか,椎茸も“食べられるけど,無くてもイイ(本人談)”そうで,我家でホダ木から収穫,とは,なかなかいきそうにありません…
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