烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

初秋のブリ大根

2010-09-07 22:17:00 | 烏合庵の食卓
先週末.9月に入ったものの,秋刀魚も秋鮭も漁模様はいまひとつのようで,代りに道東方面の定置網では鰤や黒鮪,果ては翻車魚までもが揚っているという.なんだか,北海道の秋らしからぬ… 
と思いながらの休日スーパー,目に付いてしまった“ブリのあら”(なんか,ムチャ振り^^;)ゞ ま,レギュラーにブリが揚る函館産ではありますが.ついでに大根掴んで,一寸時期外れ? の“ブリ大根”.


帰庵して,パックの中身検めてみれば鎌周り,上と下の欠片が一切各.此方は塩焼きで頂きましょう.別に取って塩をして,冷蔵庫に休めたらブリ大根の下拵え.


大根の下煮はつれあいが手錬,チャチャっと一仕事.何時もは米の研ぎ汁で湯掻くが,今夜はご飯を炊かず,残りの冷や飯を水飯(すいはん)で啜る予定.一寸いたましい(勿体無い)が一撮みの生米を入れて水から炊いてある.これはそのまま冷ましておく.

ここから私の出番.先ずは昆布の水出汁を仕掛け,ブリの拵えにかかる.脂の乗り切った冬場の鰤向きの,こっくりとした炊き方ではなく,さらりと食べられる,薄味のおでんのような炊上りを目指す.


一口大にブリを切り分けたら,八割がた味を決めてしまうつもりで強くべた塩をして笊に取り,冷蔵庫で2時間ほど休めておく.


存分休めたら次は霜降り.一度洗ってから,と言う方もいらっしゃるが,状態も良く,なるべく身に水を当てたくないのでざっと水気を振落し,そのままぐらぐらと沸いた湯に放す.


ざっと混ぜ,ホンの10秒ほど湯掻いたら冷水に取って,残った血の気などを落とし,笊に揚げて水気を切る.


ここから煮付け.鍋に水出汁しておいた昆布を敷いてブリをならべ,水出汁+水3:酒1ほどの割で鰤がかぶるくらいの煮汁を張り,薄切り(皮付きで)生姜を散らして中火に掛ける.煮立ちかけたらとろ火に落として10分程.煮立てなければあくはさほど出ないが,気になれば引く(画像はあくを引く前).


ブリにあらかた火が通ったら煮汁の味をみて(ブリから出た塩気で吸い地程度のあたりはついているはず),味醂少々と香程度の醤油で整える.


下煮してあった大根を軽く水洗いして並べ入れ,中火に上げてさっと沸いたら再びとろ火.15分ほど炊いたら火を止めて,粗熱が取れるまで休ませておく.

食べ際に温めて昆布と共に盛付けてたっぷりの煮汁を張り,白髪葱を天盛り.ブリ鎌の塩焼きも添えて,頂きます!


うん,なかなか上手くいきました.
ブリと言えば“寒鰤”を思い浮かべがちだが,今回のものは鎌などの大きさから稚鰤(わらさ:60cm程度のもの;秋の季語)クラス.図らずも,時季柄は良しか.
たっぷり塩をして休ませたので身には味が回っており,大根は確りブリの旨味を含みながらもさっくりとした歯切れ.脂の多い鎌を焼き物に回したのも功を奏し,残暑に嬉しい,さっぱりとした味わいに仕立てることが出来た.
道産稚鰤,侮り難し.とても美味しく,いただきました!
コメント
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