

うらうらとした土曜朝.昨日来の暖かさに庭の千島桜は満開,蜜蜂が集う.白木蓮も馥郁と薫る.三島から帰省中の長男坊は連日旧知と遊び歩いているが,今日の夕食には戻ると言う.つれあい共々,腕を揮うか.地物仕入れに石狩新港向け,Impを駆る.

4月初旬,今年の市が立って間もなく訪れたときには客足もまだ疎らだったが,今日はなかなかの賑わいだ.並びのほうは鰈の出盛り,都合6種を確認(真鰈・砂鰈・宗八・黒頭・黒鰈・河鰈),流石に赤鰈はもう無いか.他に奔りの平目,がさえび(シャコ).ほっけの開きや活蛸など.

あれこれ回った,仕入れの品々.

先ずは砂鰈(スナガレイ);一山¥100-
掌~20cm程のもの,20尾ほどあった.マガレイにごく近い種で姿形も良く似ているが,ややしゃくれた口元と裏側(白いほう;無眼側)鰭際の黄色が鮮やかなのが特徴かな.あと,鱗も少し粗い.マガレイよりも身が薄くやや水気が多いので煮付け等には向かないが,唐揚には逆に身の薄さが幸いする.からっと揚った鰭際のさくさく感は堪らない.
拵えはつれあいに託す.小振りのもの一人宛2尾(都合8尾)を夕餉の唐揚に選び,残りはワタを除いて冷凍する.大き目のものは一匹付け,同じく唐揚で野菜の甘酢餡掛がハマる.

次に一夜干の真かすべ(メガネカスベ);1枚半¥500-
真かすべの生は先達て同じ店で購入,皮付きの煮付けで美味しく頂いた.スーパーなどではなかなか皮付きで入手出来ないんだよね.今度は皮付きの“ぬた”も試してみたい.
今回仕入れた生干しのこちら,半身は夕餉に炙って頂く.残りの一枚は冷凍保存.近々,ザンギ(味付唐揚)にでも仕立ててみよう.

そして油子(今回はアイナメ);活1尾¥400-
前回ちゃんちゃんにしたウサギアイナメとは(色はともかく)尾鰭の形が違う.鼻面も少し尖り気味かな.ちなみに色で言えば,アイナメの雄は産卵期(晩秋~冬)には鮮やかな黄色を纏う(小学生のころ初めて買ってもらった魚類図鑑のアイナメのイラストは,その旨の解説も無く黄色に塗られていた.産卵期の実物を見た事が無かったので,妙な感じは暫く拭えなかった).
店頭の生簀で泳いでいる1尾を見つけ,店の兄サンに“刺身出来る?”と問えば,即座に (^^)b!
〆をお願いしたが,“あぶらこ,力,強いんだヨね~!”元気が良すぎて兄サン持て余し気味.“漁師の意地”で〆てくれる.それでも上身(うわみ;基本の設え,腹を手前,頭を左に付けた時に上になる方.三枚卸は上身・中落・下身で3枚)に刃を当てず,下身にきっちり〆を入れてくれるところは流石(利手が右なら,上身相手のほうが扱いは楽なのです).
先日頂いて美味かった糠鰊(勿論地場産・自家製;2本¥250-)も前と同じ店で買い足して,これは冷凍に回す.さあて,しっかり,仕込みましょう.