DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

「ハミングがきこえる」(アニメ「ちびまる子ちゃん」主題歌)1996年、歌手カミヒ・カリィ(1968-)、作詞さくらももこ、作曲小山田圭吾:絶望の自覚の中で、君は跳躍する!

2018-03-19 10:38:44 | 日記
 ハミングがきこえる I hear humming.

(1)
ふしぎな 夢のなかで おしゃべりな
あの子が 走ってるよ 自転車で
ずっとみていたら
空のうえまでふわりふわりと 浮かんで
すこし照れてるよ

In a miracle dream, a girl who likes to talk very much is riding a bicycle.
I am continuously looking at her.
Then she is going up softly and floating while she looks shy.

(2)
目覚めて 窓の外を ながめたら
あの子が 笑ってるよ 手を振って
ずっと待ってたよ
早くおいでよ
手をつないだら 行けるの
ふたりどこまでも

When I wake up and look out of the window, the girl is smiling and waving her hand.
She says,"Come on in a hurry. If we come to be hand in hand, we can go anywhere as far as we can."

(3)
きっといまなら
あっとおどろく
おおきな 夢がかなう
そんな気分で たのしい
いちにちが はじまるの

Perhaps, it is now that a big dream of mine that is extremely surprising me comes true.
With such feeling of mine, one joyful day begins.

(4)
そっとみてごらん
もっとそばにきて
ここにいることに気づいて
すぐにあえるから

See me secretly.
Come nearer to me, and notice that I am here.
Then you can meet me at once.

(5)
きっとあるとき
ぱっとみつかるぐんとすてきな自分
ふりむけばこの世界の
ハミングがきこえるの

Certainly, on one occasion, you can suddenly find your own self which is more wonderful than before.
When you look back, you can hear humming of this world.

(6)
おしゃべりなあの子がホラ
自転車でやってくる

The girl who likes to talk very much is coming by bicycle.

《感想1》
君は、夢を見る。夢の中の世界が語られる。
あの子は、おしゃべり。寡黙でない。社交的だ。その意味で明るい。
君は暗い。君は絶望しているかもしれない。
あの子は、不思議な子。
君が、ずっと見ていると、あの子が、「空のうえまでふわりふわりと」浮かんでいく。
魔術的な力を自分が持つことに、あの子は少し照れる。
あの子は、つつましく可愛い。

《感想2》
別の日、君が、朝、目覚めて、窓の外を見ると、あの子が手を振って、笑ってる。
目覚めたのに、再び、君は夢の中だ。
白昼の夢!
「ずっと待ってたよ/早くおいでよ」と、真昼の夢の中で、あの子が君を呼ぶ。
ついて行ったら、君はどこへ行くのか?
君は不安だ。死の世界へ行くのか?
《この世でない世界》へと呼ばれているのは、確かだ。
あの子が言う。「手をつないだら/行けるの/ふたりどこまでも」。
怖ろしい誘い。あの子が、《この世でない世界》から、君を誘う。
君が、この世を憎むなら、君は、あの子について行く。
あの子は、おしゃべりで明るく、つつましく、笑っている。
いっそ、あの子と「どこまでも」行って、その先の世界、遠い世界をめざしてもいい。
君は、そう思う。

《感想3》
決断するなら、今だよとあの子が言う。
今、君が、この憎むべき世界を去れば、あっと驚くほどの、おおきな夢がかなうと、あの子が誘う。
君は、別の世界に跳躍する。この世界に魔法がかかり、別の世界になる。
同じ世界にいるのに、別の遠い世界に、君は、ワープする。
君は、もう《この世でない世界》に住む。
「たのしい/いちにちが/はじまるの」とあの子が宣言する。

《感想4》
あの子が、これは秘密だとささやく。
誰にも言わず、君一人、「そっと」見るのだと、ささやく。
君は、あの子が、魔法の世界、《この世でない世界》に住むと思っているが、実は、「ここにいる」、この世にいるとあの子が言う。
《私を恐れず、「もっとそばにきて」》と、あの子が言う。
《危険な、命をかけた決断をしなさい。そうすれば希望が生れるわ!》と、あの子が誘う。

《感想5》
命がけの跳躍が、君の世界を変える。君は別の世界に住むことになる。
あるいは、この世界が、魔法的な別の世界になる。
それは、この世でない。
つまり君は、一回死ぬ。
君は転生(テンショウ)し、別の自分になる。
「すてきな自分」は、実は、一度死んだ自分だ。
死んだ自分が、この世界を、改めて見る。
この世界に、魔法がかかり、同じ景観なのに、別の世界になる。
「この世界の/ハミング」は、《景観は同じだが、すでに別の世界に転換した「この世界」》(あの世)のハミングだ。

《感想6》
あの子が、やってくる。君の夜の夢の中に。また君の白昼の夢の中に。
あの子は、明るく社交的でつつましいいい子だが、君を死へ誘う。
《君は今の命を捨て、つまり死んで、新しい自分になり、新しい世界に行きなさい!》、そう、あの子が言う。
あの子は不吉であり、君を不安にする。
君は、死の世界へ行くのか?
君は、「この世ならぬ世界に呼ばれている」!
絶望の自覚の中で、君は跳躍する。
すると君は、一方で《別の自分》と、他方で《新しい世界》を、同時に得る。
Cf. キルケゴール『死に至る病』(1849年)が、絶望の後の《跳躍による救済》について語る。
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