※鴨長明(1155頃-1216)。 ※現代語訳は角川ソフィア文庫を参照。
「発心集 第一」「三 平等供奉(ビョウドウグブ)、山を離れて異州に趣く事。」
C 比叡山の高僧、平等供奉がある日便所で、突然、「いったいなぜ、このように儚い世に、名誉や利益(「名利」)にばかり心がとらわれて、厭うべきわが身を惜しみながら、空しく日を送っているのだろう」と思い、そのままどこへともなくさまよい出た。かれは伊予の国まで行き、乞食をして日を送った。そして彼はついに深山の奥の清水の湧いているところに、西に向かい合掌して坐り、即身成仏した。《感想》①この世の激しい生存競争に平等供奉は疲れた。あるいは彼は②やがて死ぬのに、名誉や利益に心とらわれても意味がない、つまりこの世は「儚い世」だと思った。③だが彼も死ぬのが怖い。かくてこの世の真理つまり死への確信(悟り)が持てるまで彼は修業する必要があった。そのため彼は乞食をして生きた。④やがて、彼はついに悟りを得て、即身成仏した。⑤人は必ず死ぬ。これは真理だ。死はすべての人に平等だ。⑥だが大部分の人は、「名誉や利益に心とらわれることが無意味だ」などと思わない。この世は名誉や利益を求めての命がけの戦いだ。すさまじい世界だ。⑦「年取って死が近づけば、名誉や利益(名利)の追求から、離れられる」との見解もある。⑧だが最近、「枯れた年寄り」など見たことない。特に男の老人は、多くがイライラし意固地で我執の塊だ。「発心」から程遠い。⑨女の老人の場合は、ヒステリー的になることが多い。やはり「発心」から程遠い。⑩名誉や利益(名利)の追求を生活の中で上手に処理し、イライラし意固地で我執の塊になることなく、またヒステリー的になることなく、上手に自己コントロールできる老人が多くなれば、住みやすい超高齢社会になるだろう。
「発心集 第一」「三 平等供奉(ビョウドウグブ)、山を離れて異州に趣く事。」
C 比叡山の高僧、平等供奉がある日便所で、突然、「いったいなぜ、このように儚い世に、名誉や利益(「名利」)にばかり心がとらわれて、厭うべきわが身を惜しみながら、空しく日を送っているのだろう」と思い、そのままどこへともなくさまよい出た。かれは伊予の国まで行き、乞食をして日を送った。そして彼はついに深山の奥の清水の湧いているところに、西に向かい合掌して坐り、即身成仏した。《感想》①この世の激しい生存競争に平等供奉は疲れた。あるいは彼は②やがて死ぬのに、名誉や利益に心とらわれても意味がない、つまりこの世は「儚い世」だと思った。③だが彼も死ぬのが怖い。かくてこの世の真理つまり死への確信(悟り)が持てるまで彼は修業する必要があった。そのため彼は乞食をして生きた。④やがて、彼はついに悟りを得て、即身成仏した。⑤人は必ず死ぬ。これは真理だ。死はすべての人に平等だ。⑥だが大部分の人は、「名誉や利益に心とらわれることが無意味だ」などと思わない。この世は名誉や利益を求めての命がけの戦いだ。すさまじい世界だ。⑦「年取って死が近づけば、名誉や利益(名利)の追求から、離れられる」との見解もある。⑧だが最近、「枯れた年寄り」など見たことない。特に男の老人は、多くがイライラし意固地で我執の塊だ。「発心」から程遠い。⑨女の老人の場合は、ヒステリー的になることが多い。やはり「発心」から程遠い。⑩名誉や利益(名利)の追求を生活の中で上手に処理し、イライラし意固地で我執の塊になることなく、またヒステリー的になることなく、上手に自己コントロールできる老人が多くなれば、住みやすい超高齢社会になるだろう。