DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

清少納言『枕草子』(1001?)「言ひにくきもの」(106段):言いにくいことは① ほめられた内容、②力・地位のある方からの贈答品の礼状、③年頃の娘の恋愛問題!

2019-02-22 23:03:30 | 日記
 「言いにくいもの」 A thing which I don't eagerly want to say about to others.

(1)
人から手紙をもらう。 I recieve a letter from someone.
その中に、中宮定子様が私をほめた言葉が、たくさん書かれている。 The letter shows that Empress Teishi praises me very much.
ほめられた内容を細かく人に言うのは気後れする。 I restrain myself from saying what she said in detail when she praised me.
《感想1》清少納言を定子様がほめてくださる。うれしい。でもその詳細を人に言うのは自慢になるからイヤだ。こう言いながら彼女はほめられた事実を自慢する。

(2)
力もあり地位もある方から贈答品をいただく。 A powerful and high-ranking person gives me a present.
その礼状をどう書くか、なかなか苦労する。  It is fairly difficult to write a letter of thanks to him/her.
《感想2》宮廷生活での気の使い方は尋常でない。陰謀、嫉妬、権力闘争、鞘当ての世界だ。細かいしきたり、有職故実がある。身分の序列を守り、虚栄、面子を傷つけてはならない。

(3)
大人になった娘が恋愛問題について私に相談する。 My mature daughter asks me for advice about her love affairs.
その内容を無思慮に人前で言うわけにいかない。 I can't thoughtlessly say about such a thing to others.
《感想3》年頃の娘の恋愛問題は、母親である清少納言も気をつかう。狭い貴族社会、宮廷社会だ。娘が困った立場に陥ってはいけない。

※原文:「言ひにくき人のもの。人の消息(セウソコ)の中に、よき人のおほせ言(ゴト)などの多かるを、はじめより奥まで、いと言ひにくし。はづかしき人の、物などおこせたる返言(カヘリコト)。大人(オトナ)になりたる子の思はずなることを聞くに、前にては言ひにくし。」
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする