DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

三好達治(1900-64)「いまこの庭に」(1944):詩人の主観は①単調さを嫌う!②さみしい!③「いこふ」ことを望む!④夢見たい!&薔薇の主観・鳥の主観・詩人の主観!Cf. 海の主観!

2019-02-02 22:10:39 | 日記
 「いまこの庭に」 Now in this garden

いまこの庭に Now in this garden,
薔薇の花一輪 one flower of rose
くれなゐふかく咲かんとす is coming to bloom in deep red.

彼方には In that direction,
昨日の色のさみしき海 the sea is sad in coulor of yesterday.

また此方には And in this direction,
枯枝の高きにいこふ冬の鳥 a bird rests highly on a naked branch.

こはここに何を夢見る薔薇の花 What does this flower of rose here dream about?

いまこの庭に Now in this garden,
薔薇の花一輪 one flower of rose
くれなゐふかく咲かんとす is coming to bloom in deep red.

《感想1》今、この庭に薔薇の深紅の花一輪が咲こうとしている。詩人は事実を述べる。
《感想1-2》薔薇は植物として、花を咲かす。薔薇に意図はない。薔薇の主観!

《感想2》「彼方には」海がある。これは事実。
《感想2-2》海は、昨日の色だ。これは事実。しかし「昨日」という言葉で実は、変化のない単調さを詩人は嫌う。
《感想2-3》海が、さみしいという感情を持たない。さみしいのは詩人だ。海の主観はない!

《感想3》「此方には」枯枝の高きに冬の鳥が止まる。これは事実。
《感想3-2》だが鳥が枝に「いこふ」との判断は詩人の主観だ。鳥は事実として枝に止まるが、鳥の主観は①そこに枝があり便利で楽だから止まっただけ。②枝で周りを警戒する。③縄張りを主張する。
《感想3-3》鳥は枝に止まるのが④心の悩みを緩和するために「いこふ」と解釈するのは、詩人の主観だ。(鳥の主観でない。)詩人は「いこふ」ことを望む。

《感想4》薔薇の花は植物として、意図や感情なしに花を咲かす。薔薇には、鳥のような主観がない。
《感想4-2》詩人は、花を咲かす薔薇が、何かを夢見ると解釈する。夢見たいのは詩人の主観だ。


《感想5》詩人の主観は①今、変化のない単調さのうちにあり、それを嫌う。②さみしい。③心の悩みがあり、それを緩和するため「いこふ」ことを望む。そして④彼は何かを夢見たい。
《感想6》この詩は、薔薇の主観・鳥の主観・詩人の主観を取り扱う。海の主観はない!
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