頼成(らんじょう)の森だより

「県民公園頼成の森」総面積は115ha
東京ドーム25倍、日々の!写真を中心に
森の今をお伝えします

蜥蜴

2022年09月29日 | 紅葉
難読漢字その3となります。

また、前回に引続きの頼成の森の爬虫類シリーズでもあります。

爬虫類を系統的にみると、カメ、ワニ、昔の恐竜、トカゲ、ヘビなどに大きく分けられるみたいです。
その中でトカゲとヘビは比較的近いみたいです。

両生類は、幼生期はエラ呼吸、成長すると肺呼吸といった水辺の生活が基本です。
爬虫類は、幼生期から肺呼吸ができるよう両生類から進化し、陸で生活できるようになった最初の動物です。

最近よくヘビやトカゲを見ます。
おそらく変温動物なので、夏場は暑くて陰に隠れていることが多かったからでしょうか。
やっと、涼しくなって活動的になったり、あるいは、日向ぼっこで体を温めたりでよく見るのでしょう。

頼成の森で見られるトカゲの仲間は、
・ヒガシニホントカゲ
・カナヘビ
・ヤモリ、森林科学館で同居しています、タモリはいません。

ヒガシニホントカゲの幼体です。
尻尾のブルーが特徴です。

ヒガシニホントカゲの成体
日向ぼっこ中らしかったです。
ずいぶん幼体と色合いが違います。
幼体の尻尾が青いのは、尻尾切り(自切)した後の、ひくひく動く尻尾が青でより目立ち非力な幼体に有利だから、とも言われています。

いろいろ調べると、自切はトカゲ自身を相当消耗させるようです。
なので、遊びで尻尾を踏むのをやめようと思いました。

次はカナヘビ
カナヘビほぼ全景

ヒガシヒホントカゲとカナヘビの違いがおわかりでしょうか。

尻尾の長さがカナヘビがかなり長いです。
体の艶が、カナヘビが艶消し調でざらざらしています。

もう一つ、
後ろ足の薬指は双方長いのですが、カナヘビは前足もそれなりに長い気がしました。

ヘビとトカゲの違い。
脚の有る無しは無論ですが、トカゲにはまぶたがあり、ヘビにはないということです。

ヘビは目を閉じない、改めて、そうかと思いました。
ヘビの目の表面は透明な鱗でおおわれており、目も含めて脱皮するそうです。
抜殻があったら確認してみましょう。

最後にヘビの話になりましたが、今回のタイトルはもちろんトカゲでした。




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2022年09月29日 | 紅葉
谷などの湿った林床にツリフネソウが咲いています。
この時期、咲く花も少なく、紅葉の色付き前の濃緑の世界の中で、ひときわ目立ちます。
こういう場所で気を付けなければならないのが、マムシなどの毒蛇です。

今回も、難読漢字を意識してタイトルとしました。

しかし、この字は難読漢字ではないかもしれません。
なぜなら、毒蝮三太夫という巣鴨のスターがおられるからです。
よくよくみると凄い名前です。
蝮を毒で修飾しています、危険が危ない名前です。

上の写真はアジサイの根元にいたマムシです。
胴の銭形模様が特徴です。

よほど近づかない限りマムシから襲ってくることはありませんが、草藪に入り込んで踏んづけたりしないように気をつけましょう。
どうしても、入り込む場合は、長靴など足元を固めるとともに、杖などで草を払いながらいないことを確認して進むというのも有効と思われます。

万が一噛まれた場合は、一刻も早く病院にむかいましょう。

さて、湿った谷間にはカエル類などが多く、これをエサとするヘビが集まる訳ですが、気をつけるべきもう一つの毒ヘビがヤマカガシです。

昔は、毒ヘビとは考えられてはいませんでした。
私が小さいときは平気で捕まえていたような気がします。
毒ヘビと判明したのは50年ほど前のようです。

性格がおとなしいのと、
奥に牙と毒腺があり、ここでじっくりと噛まれない限り毒が入らないので、なかなか事故は起こらないということです。

しかし、同量ならマムシ、ハブをしのぐ毒性があるので、マムシ同様気をつけましょう。

さらに、ヤマカガシは別の毒も持っているそうです。
好物のヒキガエルの毒ブフォトキシンを取り込み蓄積し、首の毒腺から出すそうです。食物連鎖でテドロドトキシンを蓄積するフグみたいです。
目に入ると最悪失明との記述もあるので、これまた気をつけましょう。

上の写真のヤマカガシは、30cmほどのお子ちゃんでした。
首周りの黄色が鮮やかですが、幼体で目立つようです。
体の色などは、年齢や地域により変異も大きいようですので注意が必要です。

さて、ブログを書き始めた時、
「マムシがいる」と大きな声がしました。
森林科学館横の東屋にヘビがいるみたいです。

行って見るとシマヘビでした。

気の強いヘビのようです。
にらみ合って、こう言った気がしました。
「俺も出せ」





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河骨

2022年09月28日 | 紅葉
ネットを開くとたまに「難読漢字 なんと読む」なんてのがあって、ついつい見てしまいますが、真似をいたしました。

久しぶりのブログになりました。
この間、現場管理の他に、某計画書の作成やネットが不通になるトラブルなどがあり、大変お久しぶりです。

さて、表題の読み方は「コウホネ」です。
日本固有種ともされるスイレン科の水草で、水の中に這っている根茎が白骨のように見えることから、この名が付いたとされています。

トンボ池などで6月の花しょうぶの時期に咲いていたので、とっくに花期は過ぎたものと思ってましたが、まだ咲いていました。
6月から9-10月までと花期が長いようです。

左下の花は、変種のベニコウホネのようです。

花は全身真っ黄色
一番外側が萼
萼の内側のいくつも突き出ているのが花弁(花びら)
その内側のふわふわと盛り上がっているようなのが雄しべ
真ん中が雌しべの柱頭

以上すべて黄色、とことん黄色にこだわりました。

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木の実ナナ

2022年09月18日 | 紅葉
9月半ばを過ぎ、気になって木の実を観察しました。

木の実①コブシ

駐車場入口のコブシです。

木の実②イチョウ

駐車場横のイチョウです。

木の実③クリ

クリは目立つからでしょうか、あちこちで見かけます。
先日ブログしたサルは、専門家によるとクリ狙いだそうです。

木の実④コナラ

遊歩道にドングリがいっぱい落ちていて、歩くとパリパリと音がします。
今年は、並作以上でしょうか。

木の実⑤カキ
ホオノキ台先にカキがあってびっくりしました。
昔植えられたものでしょうか?

木の実⑥オオウラジロノキ

バラ科リンゴ属の樹木です。
ドングリのこみちで、遊歩道にも果実が落ちていました。
酸っぱいけど食べられます。

木の実⑦ガマズミ
春先ガマズミ類の花を多く見かけたように思うのですが、今回山で赤い実をほとんど見かけませんでした。
これからなのでしょうか?
それとも気象の影響か?

以上、7種類の木の実の報告でした。

ん。
タイトルの下手なダジャレで年がばれるって、
わかってます。



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箱庭的世界

2022年09月18日 | 紅葉
森林内の樹木や草本類、昆虫などの生物も面白いですが、前から気になっていたのが、林道法面や切株に見られる小さな世界です。


頼成の森の林道法面や遊歩道法面は緊密な粘性土などです。
そのせいか、種子植物よりシダ植物、コケ植物がかなり陣地を占めています。


切株上でも時に箱庭的世界が生まれています。

シダやコケが面白いのは、見ていてミクロ人間になって引き込まれるような世界を感じる点と、
もう一点は、写真をパソコンで加工すると別世界が出現することです。

写真道の邪道と思いつつ、以下、加工品をお見せします。

上等な別売りソフトではありません、パソコン付属ソフトでの加工です。

まずは、すっぴん、元の写真です

次は、薄化粧

思い切って、厚化粧


この調子で変化するのが面白く、あと2点だけ、

薄化粧

厚化粧

撮影中、ヒガシニホントカゲさんが顔を出してくれました。

次は、もうちょっと苔むした綺麗な背景に出て頂きたい。
さすれば箱庭的世界に現れた恐竜的に撮りたい、是非。
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サル現る

2022年09月12日 | 紅葉
本日9月12日11時30分頃、
花しょうぶ祭りの時の入口にあたる「石の門」でサルを見ました。

1頭だけです、はぐれザル(離れザル)でしょうか
西の方に移動中

そして西の斜面に消えていきました

ベテランに聞きますと、頼成の森では5年ほど前に1頭現れたそうです。

しばらく周辺にいるかもしれませんが、皆さま、サルにあった場合、騒いだりしなければサルも興奮しませんので、落ち着いて行動してください。




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ナンバンギセル2(謎の光を推理する)

2022年09月08日 | 紅葉
8月27日にナンバンギセルを見に行って出会った謎の光の話を投稿しました。

前回も載せましたが、肉眼であれっと思い写したのが下の写真です。
27日①
27日②別角度

帰ってネットで光る生物などを散々調べましたが、該当する案件がありません。

次の日、28日朝にも足を運びました。
どこも光っていません。
梯子を法面にかけてより近くから眺めますが、手掛かりなし。


カメラがいつも暗めに設定してあるので、パソコン内蔵ソフトで明るくしてみます。
何だか犯罪捜査の分析官の気分になります。
27日①

28日

比較してみると、花びらが光っているのではなく、右の花と真ん中の花の間に何かがいて、あるいは挟まっていて、それが光っているようにも見えます。

現場100回の精神で9月4日にも調査隊総勢1名(私自身)を派遣しました。
当のギセルは枯れて物証が消えたようです。
周辺を調べます。
下の写真、真ん中奥がややオレンジに光っています。

拡大すると、枯葉の透過光です
ひとつのヒントを得たような感触で戻りましたが、釈然としません。

枯葉が偶然右と真ん中の花に挟まれたとして、あのように光る強い透過光が発生するとは思えません。

発見当日8月27日のPM 2:00の様子です。
くもりで強い光がありません。



何度も眺めるうち、右の花の下の隙間から何かが出てきているように見えてきました。
閃きました。これはあれではないか。


前に調べたナンバンギセルに関する資料を見直します。
「ナンバンギセルは、別名ヨダレクサ」

花の奥に多量の粘液が溜っていると書いたものがありました。

推理開始です。
花の根元が剥離したか、あるいはハチなどの吸密の際花の下部が傷つけられ、花の奥にあるはずの粘液が流れ出し、真ん中の花弁に垂れくっついているのではないか。

粘液であれば、水玉のように集光レンズのように光を集め強い光をなし、また花弁の色などを飲み込んでオレンジに輝くのではないか。

以上が今の結論です。

前回のメルヘンな予想「パイプを吹かした残り火」はかっちょ良かったですが、あろうことか「ギセルが垂らした“よだれ”が光る」に変りました。

本日9月8日は、二十四節気で白露(はくろ)に当たるようです。
冷えこんで、草花に白い露が結ぶという事らしいですが、白く輝く露の日に、閃いた輝くよだれ推理との因縁を少し感じた次第です。
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木の実の仕込み

2022年09月07日 | 紅葉
実りの秋となってきました。
イベントや工作コーナーで使ってもらう木の実を集め始めました。

展示室の工作コーナーの様子

トチの実の皮むき作業です。
コーヒータイムで、縁側に座り眺めながら、海辺でおっかちゃんの貝の殻剥き作業を見ているようなオーシャンな気分になってきます。

トチは果皮も立派で工作に使えます。

フウセンカズラの小さな実やホオズキもあり、ふつふつと創作意欲がわいてきます。
速攻で作ったみんなの合作です。

なかなか面白いですよ。
お子様だけでなく大人の方の工作も大歓迎です。
お待ちしております。

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虫のまなざし

2022年09月04日 | 紅葉
秋の虫がどんどん登場しています。

先の日曜日は、ナチュラリスト当番が、ねいの里スタッフの竹内さんでした。
夏休み最後の休日で、虫網を持った子供たちもたくさん来てくれました。

竹内さんは、昆虫、小動物に大変詳しく、皆さんに解説に興味津々です。

私も興味深くいろいろ教えてもらいました。
コバネイナゴ

イボバッタ

ショウリョウバッタ

オンブバッタ

シオカラトンボ

シオカラトンボのメス(ムギワラトンボ)かと思っていましたが、オスだそうです。
真ん中の方が白く粉を吹いたようになっており、これからこれが全体に広がり
図鑑で見るシオカラトンボになるとのこと。

ハラビロカマキリ
まだ小さいときのハラビロカマキリは、このように腹を持ち上げる動作をするとのこと。

オオカマキリ
オオカマキリは前脚の付け根が黄色っぽく、チョウセンカマキリはオレンジっぽい、また、羽根を広げたときの色などで判断できるとのことでした。

草地にいるバッタやカマキリを電光石火で見つけるためには、自分の眼を「バッタ眼」に鍛える必要があります。

山菜採りをされる皆様には頷いてもらえるでしょう。
初心者はワラビ、ゼンマイとて見つけるのに時間がかかります。
しかし、しだいに眼がワラビ、ゼンマイのみを捉える特化した能力を獲得し、立派な「ワラビ眼」を携えて家に帰ることになります。
そして、目を閉じても、まぶたにワラビ、ゼンマイが写るという不可思議な現象が起こります。

さて、「バッタ眼」を鍛えるため草むらをにらんでいると

カマキリと目が合います。

カマキリの眼の中に黒点があり、これがいつもこちらに向いていることから、カマキリはカメラ目線とか言われてます。

これは、複眼が、小さなストローのような筒状の個眼が球状に集まったものであり、
カマキリの場合、その沢山のストローのうち、奥が見通せるストローだけが黒く見える、ということのようです。
だから、数人でカマキリを取り囲むと、全員が「わしの方を向いている」ということになります。

昆虫の複眼は様々ですが、カマキリやバッタ類のような黒眼に見える、人間っぽい眼は、昆虫図鑑をざーと眺めてあまりないようです。

最後に、人間っぽい眼差しをひとつ、

「見たな~~」



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