King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『鵺の碑』』読了

2024年06月19日 11時34分10秒 | 読書


昨日は朝から激しい雨でしたが夕方にはやみいつものコースを走ることができました。
最近みたアマゾンビデオは欧州大停電と言うドラマでした。
グローバリズムに反対するテロリストがスマートメーターをハッキングしてEU全体を大停電に陥れると言うもので元々2000年当時G8に反対する学生として逮捕された経験を持つ主人公がその後の経験でスマートメーターに停電を起こすソフトを仕組みそれがかつての仲間が使ったものだと逆に政府に協力して解決に向かうと言う話なのですが、電力喪失して原発が爆発した経験を持つ日本としては経験したことをみているようなあのときこう考えたとか個人としてどうにもしようもないことながら持続可能性社会や気候変動を遅らせる努力をしようとか考えたものです。その後レジ袋削減とか石炭火力削減の話は国際会議の場では盛んに出るものの日本は手をこまねいているばかりで何ら改善もないままなのです。そしてたいした意味のないレジ袋削減で無料配布禁止などという効果ない政策はできてしまうのです。元々ドラマではイタリア発のテロでドイツの原発がベントしないとふっとぶという危機が描かれるのですが、その危機にあるのはドイツよりは原発大国のフランスのはずです。全電力を喪失したら6日も全原発を冷やし続けるのは不可能です。医療や介護は破綻し死者も相当数に上るでしょう。衛生環境も悪化し疫病の流行と食料流通もままならずという危機は本当に現実に起こり得るというのを我々は経験しただけにこれから来る気候変動にどれだけエネルギー網を守り対抗しうるのかはみんな考えていかねばならない問題です。
さて、今月の読書の時間はこの久しぶりの京極堂の小説でした。
物語の3/8位まで来て登場人物がみんな日光に向かい出すという始まりから佳境まで長い時間がかかる物語です。しかも始まりには古文書やら言い伝えなどが古文で出ていてなかなか始まりません。全部飛ばして読まずにはじめても構いません。そして物語の語り部もコロコロと代わり本来はなにかと変な事件に巻き込まれる小説家関口の自信のなさげな語りのはずが旅先で友達となった似た者同士の劇作家と問題行動を起こしもろもろを巻き込んでいくのですが色々な登場人物のそれぞれの話がひとつにまとまるまでずいぶん回り道やら主観的観測が出て最後の京極堂の登場で全てが明らかにされなぞも解決するのですがずいぶん回り道やら枝葉末節を回らされる読者はずっと関口と同じ気分を味合わされます。それを晴らすかのように物語語り部が入れ替わり大学研究員の緑川の登場でやっと主役級に引き渡されるのですがそれにしても京極堂はなんでも知っているやみを晴らす陰陽師なのに装束が黒い羽織に黒い手甲と不気味な出で立ちで普段からそんな格好をしている作家本人のビジュアルが思い出されます。あまりかっこ良いとも思われません。しかし、本の中の京極堂はかっこ良く超然とした探偵の榎木津も不思議な能力を発揮するのですが、その前に益田とか築山とか回り道とか惑わされる役の人が出て解決がまだかまだかとやっと出る感じが最後のカタストロフィへ繋がるのですが京極堂初体験だとそうなるかは疑問です。話の確信もにわかに納得できるものではなく遠い昔の混乱した時代と日本の変化があるから大昔からの言い伝えやお化けや鵺とかに惑わされ操られる人が出てきてもそうそう感情移入できないかもしれません。しかし、日本人の心として大昔病や飢饉で世の中が不安定になったときに化け物や神様にたより心のよりどころや癒しを得てきたのはコロナの経験をした私たちも同じであり、アマビエ様をそこらじゅう貼り気持ちの防衛を果たしたのです。そんなことを思えば弓の名人に鵺退治が命ぜられ見事果たした話など思い出して良い時期なのかと思います。

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