外国語学習の意味、そして母国語について考えましょう

社内公用語の英語化、小学校での英語の義務化など最近「英語」に振り回され気味ですが、何故、どの程度英語を学ぶか考えます。

言葉の格闘、夏休み子供科学相談室は9月まで聴けます!1/2

2018年08月30日 | 言葉は正確に:

言葉の格闘、夏休み子供科学相談室は9月まで聴けます!1/2

夏休み子供科学 8月20日

前半:

NHK、AMラジオ第一の『夏休み科学相談室』の人気が上がっているそうです。今年の夏の放送は明日、8月31日(金)で終了しますが、インタネットのラジルラジルで9月末まで聴くことができます。7月の末の時点では聴けるのは一週間ということだったのですが、ある時から9月までになっているので何かの間違いかなと思っていましたが、昨日の放送によると、人気があるので延長を決めたということでした。

聞き逃しサービス、ラジルラジルはこのページから。7月30日(月)が最古になっていますが、各ページを開くとその前の週の番組も下の方に出ています。たとえば、7月30日(月)を開くと、下に7月23日(月)の番組が見つかります。

この番組は、子供向け科学番組というだけでなく、言葉の使い方の勉強になると数回前のブログで触れました。「知らない人」に「知っている人」がいかに理解させるか、というとても困難な(英語ではchallenging)な課題を、音声のみで行おうということですから、これは言葉の格闘と言ってもいいかと思います。子供より大人にぜひ聴いてもらいたいと思います。

今年は例年以上に時間がある限り聴きましたが、たくさん聴けば欠点も目立ってくるものです。今回ちょっとあらさがしをします。

一週間目は毎年、藤井彩子アナウンサーです。論理性、隠れた文脈を掴む力、焦点を当てる部分に過たず光を当てる力など優れています。毎年一週目に担当になるということは、NHKの人も藤井さんの力を理解しているのですね。たとえば、以前指摘しましたが。「どうして~?」と訊かれた場合、間髪を入れず、「それは、どのようにして、という意味ですか、なぜ、という意味ですか」と聴き返します。他のアナウンサーは必ずしもそうはしません。

夏休み子供科学 イラストその藤井さんにも、今年は少し気になることがありました。一つ目は「そうか、そうか」という相槌です。いかにも子ども扱いしているという感じがします。もう一つは、「瞳孔」と言う言葉の意味を説明するのに先生が苦労しているとき、「それは、ひとみのことですか」と助け船を出さなかったことです。以前はそうしていたように思います。「慣性」についても「慣れ」ということで助けることができたと思います(少しあとでちらと言っています)。慣性については先生が、電車の発車時にジャンプする例でうまく説明できましたが。ま、長く聴いているとこのようなあらが見つかりますが、藤井さんの司会は見事です。

「そうか、そうか」という相槌に戻りましょう。これがなぜ問題なのか。これは、相手に媚びることに通じるからです。あらゆる大人が発する子供言葉と同様、こういえば気に入ってもらえるだろうという心理が根底にあります。子供相手だけでなく、大人同士でも、相手に気に入ってもらえるため、同じ仲間だよね、ということを理解させるために言葉を使うことはありませんか。相手を傷つけないためといえば聞こえがいいですが、相手と不和になり自分が傷つけられたくないという不安、もっとストレートに言えばエゴイズムが動機です。言葉は伝え、理解するためにありますが、このような言葉の使い方は、自己中心ですから、伝達、理解の拒否と言ってもよいです。(この推論、ご理解いただけるかどうか...)この番組は、科学がテーマです。明快に伝えるために、このような「心理的」言語は不要、もっと言えば、聴き手を混乱させます。

巻貝フィボナッチさすがに科学者である解答者の先生方は、こういう陥し穴にはまることは比較的に少ないです。説明がへたな場合も多いですが、必死になって説明するときこのような心理が働く余地がないからでしょう。たいていの場合、先生は子供に対しても、敬語(です、ます調)で話す点も好感が持てます。これは子ども扱い、つまり余計な「気配り」をせず、大人と対等に扱っているからです。

こういう陥し穴に陥り易いのは、むしろアナウンサー、とくにタレントの方です。対象の理解ということではなく、その場の人間関係を維持したいという不安からか無意味なことを言う傾向があります。あるタレントさんは電話が通じると「よろしくお願いしま~す」と発声し、子供にもそう言うことを求めます。「よろしくお願いします」とは何を意味しているのでしょう。この表現は放送業界の人たちの隠語ではないでしょうか。この表現は上下関係を前提していて、上の立場の人から下の人へは「問題を起こすなよ」という意味、下の人から上の人に対しては「私は貴方の指導に従います」という意味でしょう。このような仲間への同化を求める表現(部外者の排除という意味も含む)は、科学を追及する番組には相応しいと思えません。「やばい」というような隠語も避けなければならないのも、下品ということではなく、同じ理由によります。

To be continued

 






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