「こと」と「もの」の区別 英語圏の人には分かりにくい日本語
哲学者、長谷川三千子さんの著書からの抜粋です。長谷川さんが論じておられる、「こと」と「もの」の区別を、穴埋め問題にしてみました。
私の英語学校にやってきた最初の小学生(3年生)は、テーブルの上においてあったこの問題を、古語を除いてさっと解いてしまいました。問題形式になっているとすぐ解くように反射神経が形成されているのでしょうか...。
ところが、米国人の講師は四苦八苦。顔をしかめていました。
なぜ、難しいか。その理由は意味か文法か。私たちが英語を学ぶ際にもこういうことがあるのか...。判断基準を規則として定義できるか。いろいろ、頭に浮かびますが、まずは、軽い気持ちでクイズを解いてください。
答えは...、必要ないでしょう。
『日本語の哲学へ』長谷川三千子 ちくま新書866より、作成。
適語を入れよ。 文法とは「無意識に守る規則」です!。
① こと ②もの
1. なんとばかげた[ ]をしでかした [ ]だ。
2. だって教えてくれないんだ[ ]。
3. まあ、きれいなチューリップだ[ ]。
4. そうそう、この公園でよくカンけりをした[ ]だ。
5. 昨日逗子へ泳ぎに行ったんだが、まあ、人のいる[ ]、いる[ ]。
6. 若い頃にはこんな俵くらい楽々かついだ[ ]だ。
7. この宿題をやっておく[ ]。
8. 宿題は早めにやっておく[ ]だ。
9. 父さんとよくこのお店に来た[ ]だわ。
10. そいつは[ ]だ!。
11. こら、そんな[ ]言う[ ]ではありません。
12. 人生がむなしい[ ]だという[ ]が、この年になってようやくわかった。
13. 大舟を荒海(あるみ)に出だしいます君恙(つつ)む[ ]なくはや帰りませ
(『万葉集』巻十五)
14. かくばかり恋ひつつあらずは高山の磐根しまきて死なまし[ ]を
(『万葉集』巻ニ・86)
15. 生ける者、死ぬとふ[ ]に 免かれぬ [ ]にしあれば…
(『万葉集』巻三・460)
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