小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

「もうはるか……(Le printemps deja...)」

2007-01-30 22:25:57 | 週間日記
月曜夜更新、先週日記です。

22日(月)夕、豊里・永来でタンメン~塾にいるとOB・I君と兄上来ていろいろ話す
23日(火)籠原・山岡屋で塩ラーメン
24日(水)出張授業~同級生M君宅に行きN君一家とともに
25日(木)原郷・昇竜でタンメン~塾で大学生F君テスト勉強は終了とOB・M君来て Mixi に興奮
26日(金)新譜といっても昨年3月発のCD loose fur "born again in the U.S.A." 初聴でやはりジム・オルークかっこいい。今週はこれが最初、別府・のび太でカレーうどん~塾で授業~原郷・あばら屋で同級生M君、OB・Y君と会い、この日はほとんど飲まず帰宅
27日(土)昼、競馬はPO馬4頭という大騒ぎで[2110]の好成績。やったぞ、エーシンサーフィン、アブソリュート、惜しかったぞソウルオブジャパン、クランエンブレム。馬券も単勝だが本年初的中。夕、上柴・辰巳でもやしそば~塾で授業+OBの競馬ファンK君出現
28日(日)夕、拾六間・福龍で大盛醤油ラーメン

サッカーはシュペール! のアーセナル:マンUと、リバプール:チェルシー、バルサ:ベティスを半分ずつでカウンターは1+0.5+0.5で3ゲームと。アンリの勝ち越しヘッド、この世界一のFWにとってのエポックメイクの一撃となることを願う。それにしてもいくら忙しいとはいえ、この組み合わせでブックメーカー買わないとは何事か。アーセナルが勝ってチェルシーが負けたなら絶対勝ってたのに。競馬じゃなくても蹴券下手変わらず。
何だか仕事ばっかりしてたようでも、こうみるとけっこう遊んでるもの。本当にあったかい毎日。さっきOBの一人のMixiへのコメントで梶井と太宰を読むことをすすめ、最近仕事のための文章しか読んでないので合間少し読もうと本棚を探し、別の人のMixiで読んだ高橋源一郎の『ジョン・レノン対火星人』発見して少し読む。
当代一の小説読みである高橋氏の小説の中では多くの人がそうと思うが『さようならギャングたち』と『優雅で感傷的な日本野球』が好きで、タイトルは見事な『ジョン・レノン~』はいまいちの印象だったけど、読み返すと大振り過ぎで空振りながらもやりたいことはよくわかるし、セリーヌの『ギニョルズ・バンド』からの引用というのが、これはゴダール『気狂いピエロ』の1シーンだったかなどと発見もあり、「突発性小林秀雄地獄」「追憶の一九六〇年代」「テイタム・オニール」「石野真子」などの躍動をしばし楽しむ。
忙しいなら忙しいで意外に楽しいこともあり、ねこは忙しくならないだろうからこういう喜びは味わえないなと、今は塾で触れないから頭の中で何頭かに、やーい、いいだろと自慢。
それでタイトルは、作中「ヘーゲルの大論理学」がつぶやく、これも何かの引用なのか「もう秋か(ロオトン・デジャ)……」をもじって、「もうはるか(ル・プランタン・デジャ)……」

カウンター:ラーメン5/14 他外食1/6 外酒2/10 CD初聴1/1 サッカー2/7

(Phは春のような陽射しの中、玄関に四姉妹のうち3頭が集合。BGMはこのところよくきいているルース・ファーは春めいた太陽光線のように気持ちよく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

てをふる・なでる

2007-01-28 23:03:02 | 身のまわり
「長文主義」標榜ゆえ、多忙期は更新途絶えがちで、書きかけ記事も完成できず。それならと、仕事の合間にショートイシューではと。

昨夜、灯油タンクが空になり、登塾途中セルフGSへ。ついでにガソリンも入れ、赤いタンクにどどどと中東よりはるばるの大昔炭素成分を投入。
ふと隣には、だんなジャージでこわそうな若者夫婦も複数タンクに。ミニバンに乗った幼児叫んでいる。
「おかーさーん、何やってんのーっ♪」、やや疲れ気味の妻「入れてんのっ!」、「だって、何にもしてないじゃない♪ 何にもしてないんだったらこっち来なよ♪」、「だーって、入れてんだから」
幼児はきっと明日にも忘れるであろう、ありふれた家族の幸福なひとこま。給油を終えて車に戻る時、よくするように決して笑わないまま手を振っておく。すると幼児、わー、ぎゃ―反応し、両親とは反対側のガラスにへばりついて、手を振る、引きちぎれんばかりに。エンジンをかけ、これも笑わず手を振り続けると、幼児わあわあ騒いで見えなくなるまで手を振って応える。
子どもは不思議だ。信号待ちの時など後ろの窓からなぜかこっちを見ていたりするから、目が合えばできるだけ手を振ることにしている。40年くらい前に姉と後ろの車をみたときめきを少しだけ憶えているから、それがとくに大変なわけではないから。
それはねこが寄ってくればなでてみるのと同じようなもので、子どもが後ろの車を見て興奮するのと、ねこどもがたとえばビールのふたに大騒ぎするのと、そんなに変わるとは思えないけれど、手を振るのが人間ならば、きっと世界が自分のはたらきがけで動くということを実感し、それは必ず彼らの世界との関わりに少なからず影響を与えると思うから。
といって、ねこをなでるのもまた、少しだけ世界を豊かにすることには違いないはずだけれど。
世界はおもしろいぞ。

(Phは暖かな昨日、数日間の出張から帰って、なぜか壊れたちりとりの中にいるキャサリン・アーンショー。BGMはJ-WAVEで小林克也のプレスリー特集でやはり退屈な音楽)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

village "brown" preservation society

2007-01-23 18:19:55 | 週間日記
火曜晩に更新の先週日記です。

15日(月)昼、原稿のほか、15日までという携帯換えにソフトバンク行くが、翌日の方がいいらしく予約だけして帰宅。猶予できたので未だそのまま。晩は別府・のび太でかき揚げ丼セット。これはすごい600円。衝撃的な食べ物。夜、塾入りし仕事+大学生F君テスト勉強
16日(火)前夜のび太に忘れたマフラーを朝取りに行きあってよかった。昼は電話取材+原稿。夜は塾で仕事+F君テスト勉強
17日(水)晩はこの日ものび太でてんぷらうどん~出張授業では同級生K君が帰ってて wii などの話~深夜、塾入りし仕事+F君テスト勉強
18日(木)前回記事の圧力豚汁。晩は同級生M君、OG・Eさん、OB・I君、Y君と宮崎地鶏で飲み食う
19日(金)この週3回目ののび太はついにカレーライス。これもうまい。なぜおしんこが。塾キャンセルで仕事進める
20日(土)塾で起きてそういえば姪の誕生日が過ぎていた、ミュージックマガジンも出ていると帰路蔦屋書店に。絵本は1969年の名作らしく画面構成・ページ展開が見事で引き寄せられた『わたしのワンピース』と、近年刊でもクラシックな絵本アヴァンギャルドの香り漂う『あじのひらき』の今年は2冊。雑誌はミュージックマガジン、レコードコレクターに、80年代特集のスタジオヴォイスと脳と茂木健一郎のブルータスも買って満足。昼は原稿と競馬は当らず。晩に東方・長崎ちゃんめん食べ、塾入りしてだらだらしているとOG・Eさんほか中学勤務時代の生徒計3名来てオーヴァー・カフェ・トーク。3名帰ると、OB・I君が現れ朝まで何だかんだと話す
21日(日)午後から撮影。終了後、関係者Kさんと本庄恒例の大勝軒へ。塾入りしF君待つも現れず。そのまま朝まで寝てしまう

サッカーは本日、大一番アーセナル:マンUをみたが、それは今週扱いでこの週はアンリが帰ってきてよかったブラックバーン:アーセナルとだめなレアルと楽しそうなサラゴサ。
仕事忙しくなった上、F君がテスト勉強で来て、外食はのび太ラッシュと自宅では圧力鍋、それから毎日のねこくらいしか記憶にない不思議な週。のび太については、ぜひ1回独立記事で記したい。
そんなあじのひらきが飛んでも不思議ない周りの世界を、今きいているキンクスの名盤、village green preservation society のように見事なかたちにできれば。もっともこっちは西岸海洋性気候ロンドンの田舎と違い、暖かな冬でも枯れた畑ばかりで village "brown" preservation society だけど。

カウンター:ラーメン2/9 他外食3/5 外酒1/8

(Phは夕方、車に資料取りに行ったらボンネットに乗った傾いた夕陽を半分受けるカミーラ。BGMは先ほど棚に手を伸ばしたら当ったそのキンクス village green preservation society)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プレシャス、プレッシャー、プレジャー

2007-01-18 14:04:42 | 食べ物・飲み物(~2013年10月)
今日から長期原稿に入るところで、しかも書きかけの深谷ロックフェスティバルの記事もありますが、追い越しでこの記事をロング原稿のウォーミングアップに。

ことの起こりはよくあるようにJ-WAVE。
火曜の深夜、大学生F君のロシア企業の民主化や毛沢東のテスト勉強に自分の仕事も進めながら、BGMは菊地成孔だった。ロジェ・ヴァディム作2曲など同い年とわかった菊地さんらしいすごい選曲に驚きながら、ドリンクバーでカクテルという話に笑っていると、F君がジョイフルのことを言い出し、それがすぐにリスナーからのメールに登場し吃驚。F君がバイト先のすき屋はじめ、ジョイフル、まるまつなどの定食のことを話し始めた。
まったく食べたことのないこれら定食メニューをネットで確認し、F君が気に入っているという納豆定食、その豚汁つきのやつに興味がわく。納豆はいつも味噌汁とともに食する私は、それはそれでいいとしても胃の調子良好時には脂肪分の少なさに物足りなさがあったのだ。そうだ、豚汁ならそれは解消される。
朝までの勉強の後、早速昨日の朝というか昼というかで豚汁+納豆を実践。ちょうどそろそろだめになりそうなが豚肉あって、個人だけに不二家のようなことにはならないにしても、捨てるのは申し訳ないと思っていたからちょうどいい。ほかには塾からの帰路に買ったもやし、ニンジン、これはちょっと古いキャベツが前に買ったメンバー。豚汁ならこれら味を出す野菜、今思いついた「出し野(だしや)」がいい。ちなみに「入り野」の代表は大根、白菜だろう。
できてみるとなかなか。しかしもうちょっとパンチがほしい。そう思った私は、よし次は圧力鍋だと決意した。

家には、これは実は1985年に死んだ母親の形見の一つである圧力鍋がある。確か私が高校生の頃、何やら玄米を食べるなどと言い出した母親が買い、当時はシュンシュンいうこの鍋を、高校生くらいからみればまったく余計な存在である母親のように奇妙なものにしか思っていなかったのだが、ほとんど誰も使っていなかったのを数年前新聞の記事かなんかで読んで使ってみた。
よくいわれるように、強力に煮えるのがいい。それまで普通の鍋で煮ていたさばは、圧力にしてからは缶詰のように硬い骨まで食べられる。大量におでんをする時、どうしても不足しがちな大根をメインの鍋とは別にこっちで煮て、次々補充するなどが主な活躍の場。カレー用のじゃがいもはなくなってしまって弱ったけど。
この25年は経っているだろう圧力鍋。とってには「圧力正食鍋」と書いてあり、わざわざ正しさを強調している押しつけがましい自信が実に頼もしい。世間には、しゅんしゅんいうのが爆発しそうでコワイなどという臆病な方々が少なくないとのことだが、コワイといって近づかないのは大人の態度とはいえまい。私は高校物理・化学でボイル・シャルルの法則のすばらしさを称えてやまないが、圧力鍋というのは本当に見事な代物だと思う。しゅんーしゅんーうなーるとー舌もはずーむわー、ってなもんだ。

それで今日は圧力豚汁をつくるべく、そのまま寝てしまって起きた朝、毛布の中からF君の金日成とドゴールというレポートに示唆を与え、やつがキャンパスに旅立った後、帰りに豚肉を補充した。このところあり方についてよく考えているラード、つまり脂身は、特に豚汁には多い方が好ましい。ほかのメンバーは昨日と同じ。友人M君が前面商品に推す出し野性の高いブラックマッペもやし、深谷北部ならではの濃厚な味のニンジン、そしてほうれん草ライクな柔らかさを持ちこれも出し野力満点のキャベツだ。
適当に鰹節を入れ、具を次々に投入。途中ふたが開けられない圧力鍋だけに、迷った末に味噌は先に入れた。私は同じ水で熱するにも「煮る」と「炊く」は違うと思っていて、味噌汁は「炊く」食品と思うので火を止める直前まで味噌は入れないが、この場合なら先が正解だろう。
しゅんしゅんしゅんしゅん分銅踊ること10分。分銅なんて、仮面ライダーに出てたカマキリ男のくさり鎌みたいでかっこいいじゃないか。ちょうどM君からメールが来たので、圧力豚汁製作中、もやしどうなるか楽しみと返すと、シャキシャキは期待できないが汁に影響するはずとプロらしいアドバイス。
そしてタイムアップ。分銅を少しずらしてシューっと圧力を下げる。この、機関車映画の名作『北国の帝王』の誠実機関士を思い出す勢いのある吹き上げも好ましい。たかが豚汁のためにここまで音を立てて大騒ぎするというのは、何かワイルドというか大人気なくていいではないか。
いつもは主役の納豆に、すまん、今日はあっちが主役だと侘びながら味を調え、大型お椀に入れた豚汁車掌を口はつけず、圧力鍋の購入の労のあった母親の位牌がある仏壇へ。長男のこの有様を喜んでいるかどうかは知らない。
そして、ご飯、納豆と、春のような陽だまりの食卓へ。P(圧力)の上昇によってT(絶対温度)が上昇させられたラードは、肉体の動きから自由になった液体となって午前の柔らかな陽差しにきらきらと輝く。M君の思った通り、もやしはじめ出し野の面々はその思いの丈を存分に発揮したかのようにくたっとして、それでもブラックマッペ大佐にはわずかの歯ごたえが残る。キャベツ中尉はその繊維をほぼ散乱させたまま。驚くべきはニンジン少将で、くたっとしたがらもかたちは失わず百年の時を過ごしたかのように甘く切なく柔らかい。ずるっ、しゃこしゃこ、ずーっと、時間が止まる中、からだの中で舌と喉だけが生きていたような5分あまりだった。

満足しきった後、少しあまったので冷蔵庫で硬くなっていた古いご飯にかけて、ねこどもにおすそ分け。にゃーにゃー集まるやつらに、どうだうまいだろう、金はかかってないけど圧力はかかってんだから心して食えよというが、出されたのが何であってもやつらは必死だ。それからさらに、これにバターでコクを加えるアイディアを思いつき、飲んだことはないがチベットのバター紅茶だの、札幌ラーメンはこうやって発達したんだろうだのと思い巡らす。

今日の、というか朝の業を成し遂げた満足感とともに流しに戻り、大活躍の圧力正食鍋殿の銀色ボディを洗って差し上げようとスポンジを持った時、かけっ放しだったJ-WAVEでは、DJタローが「今日のウィルカムブログは「圧力鍋で作るレシピ500です!」。何たる奇跡か。こうした瞬間こそ日本のハイデガー研究の第一人者木田元氏がいう「運命」なのだと思った、precious pressure pleasure 「貴重な圧力の歓び」。


「圧力鍋で目指せ500レシピ」(http://wakabamark.com/aturyoku/
「M+ タログ」(http://www.j-wave.co.jp/original/musicplus/http://www.j-wave.co.jp/original/musicplus/
(Phは豚汁はすでに食べてしまったのでしかたなく圧力正食鍋の姿を、台所で撮るのも芸がないので庭においてねこといっしょにと設置したら、上方のカミーラ、オディールは中に入っていないからかすぐにスルーで、次に現れたヒダリがくんくん。BGMはその後、DJタローさんの番組でかかった perfect の入ったフェア・グランド・アトラクションから、pressure のあるビリー・ジョエルのベストがともにすぐ見つかったので。さあ、これから原稿ノン・ストップで書くぞ。新企画今回のテーマ:ジョン・コルトレーン「シーツ・オブ・サウンド」の手法で食べ物を書く)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

影も少し短くなったよといいたいか、にゃー

2007-01-15 21:19:59 | 週間日記
月曜晩更新、07年第2週の先週日記です。

8日(月)まず水道橋・けっぱれ、醤油ラーメンは今なら珍しくないかたち~取材~H君、Oさんと庄屋で仕事の話のほか音楽、文学論など。月曜のうちに帰深も車に乗れず塾で待機すると、OB・I君が来て文章道談義など
9日(火)熊谷奈良・永華で味噌ラーメンは、まだファミレス化が進んでいない頃のくるまやのようでレトロに好感。塾で原稿そのまま朝まで寝てしまう
10日(水)昼は原稿~途中家族携帯対策でソフトバンクに電話要領得ず~シャワー~アーセナル:チャールトン~夕、熊谷別府・のび太にカレーライスを食べに行くが、やはり麺類の誘惑に勝てずカレーうどんに~今年最初の出張授業
11日(木)昼はうらちゃらし、晩は同級生M君宅でごちそうに。話題は飲食店など
12日(金)朝に連絡あり、まず大学1年F君のテスト勉強に付き合い、それから14日記事にある市ヶ谷打ち合わせ+買い物の日。昼、新宿・水山・ちゃんぽんうどん、食事は夕、三鷹・江ぐち・ビール+チャシュー+竹の子もやしそば。文化面では新宿・武蔵野館で『イカとクジラ』、帰路、坪内祐三『同時代も歴史である 一九七九年問題』読了。これはスリリングな一冊で、実にもりだくさんの一日
13日(土)昼は原稿や競馬。晩はまたもM君に呼ばれ今度はチーズフォンデュの会。こちらは一度会ったことある医師Mさんとその後輩Mさん、さらには新年会から合流のM君奥方とその幼稚園母上2名のイート&ドリンク・ロワイヤルに
14日(日)朝に帰って仕事やら競馬やら。晩は拾六間・福龍で大盛味噌ラーメンの後、原稿進めつつ大学1年F君のテスト勉強にも付き合い途中力尽き朝まで寝る

サッカーはアーセナル戦と、主力が出なくていまいちだったビジャレアル:バレンシアのほか一部みたゲームもいくつかでも、やはりそんなに気合入らず。
正月過ぎても気分はそのままで、これじゃいつまでも正月だよと思い、朝晩寒くても昼はぽかぽかした日ばかりでねこどもからだに載せてとろーん。おっとこれじゃいかんいかん。こっちはお前らと違ってねこじゃないんだから、少しは生産的に生きねばならんと意を決してねのどもどかすと、やつらエサかと思い移動。じゃあしょうがねえと、キャネットをぱらぱら置いてにゃんどもかりかりするのを見ると、まあこんなものだろうでも今年も早24分の1が過ぎてしまい、影も少し短くなったといいたいか、にゃーと見上げる気持ちよさわからなくもなくて

カウンター:ラーメン4/7 他外食2/2 劇場映画1/3 読了本1/1 サッカー2/3 外酒3/7

(Phは風のない陽だまりで背中ごしごしのヒダリ。BGMはJ-WAVE)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

vendredi, バイングスピリット燃ゆ

2007-01-14 14:29:59 | 身のまわり
金曜、新たな仕事の打ち合わせのため都内出張。と、ふとした拍子にふだんは抑圧に努めている buying spirit が燃え盛り、何やら次々に買ってしまった木枯らしの新宿。こんな時、誰かが来れば見せびらかすのが楽しみですが、そうだとばかりにこの場で show them.

行きの高崎 line。一つ空いたボックス席に sitting down に、熊谷駅からのおしゃれガール2名席を探し2つ空いたところないので、別々に座ろうとしているに、ではここどうぞとアダルトな気遣いを見せるとガールズ感謝してニコニコ。こちらは横の席に移って坪内祐三『同時代も歴史である 一九七九年問題』に集中。しかし前夜の酒で気持ち悪くなり、何度か途中下車しようと思うも何とか持ちこたえ、途中先方から1時間ずれるとの連絡受ける。新宿で降りようとすると、先ほどガールズニコニコしながらぺこり。多少胃が苦しかったが、こっちも嬉しくなって目で合図の湘南新宿ライン。ということはガールズ、渋谷か、最近の若者は買い物に恵比寿にもよく行くからな。いずれにしてもすばらしい金曜日にしろよと思いつつの1番線ホーム。

降りたらまずトイレ。こんなケースで新宿では、三越を利用することが多い。距離もちょうどよく、日本橋などに比べゴージャス過ぎない点も気に入っている。階段を上っていくと、なぜか掃除していたり、水が流れなかったり、といってこれはおそらくセンサーが反応しなかったためだろうがで5階まで上り、それでも息をついて腹も落ち着いた。
そこでトイレを出ると、Loft が閉店クリアランスセールとある。エンドレスで尾崎紀世彦『また逢う日まで』がエンドレスでかかるという、さすがは80年代に猛威を振るった西武グループ残党らしいセンスの中、前回同級生M君宅でグラスを破壊したので同じようなショットグラスを探すも商品はもう残り少ないこともあって見つからず、では本屋かレコード屋でも行って時間をつぶそうとしたところ、下の階が文具と気づき行ってみた。
某商品雑誌の文具特集の原稿も書いたこともある私は、ハードなドイツ文具ファンとして塾内ではよく知られている。うっかり文具売り場で質実剛健で機能美にあふれたドイツ文具、エスプリあふれるフランスもの、デザインでっかちなイタリアものなどに捉えられるともう出られない。しかしまず目に入ったのは、「DOCHE」というブランドのデイパック。実はデイパックは、電車内で迷惑に感じているし、何か怠惰な感じがして今まで一つも買ったことがない。アウトドアイメージもどちらかというと苦手だった。しかしこれはどちらかというと上品で、本来は女性持ちなのかやや小ぶりのサイズもいい。よし現在最もよく持っている、これは確かアメ横で買った1000円バックは、ちょっと小さすぎると思っていたし、ここは新年でもあることだしバッグを換えよう。別にデニムの小ボストンも候補に上がったが、ここは43歳にして初のデイパックに決めると、むらむらと buying spirit に火がついた。なお、これまでの習慣を変えるのは悪いことではないが、この間、6枚切りがなかったので買った8枚切り食パンは、実に後悔したことも付け加えておこう。
次にブックカバー。現在、新書は三角を切り取ってもらった、紺の講談社現代新書のやつ、文庫は真っ黒な綿の無印良品を使っていてまあ問題はないのだが、もうちょっと、これはというやつがほしいと思っていた。そこで探すと、まずネイビー基調の明るいやつがあって、これは買おうと思った。それからさらに進み、おうあったあったボールペンコーナー。ポップな STABILO とファンクショナルな STAEDLER が見つかり、しかも80%オフという。何でもいいやと目に付いたのを2本ずつ取る。
続いて名刺入れ。なかなかいいのが見つからないで、結局、かつて使った定期入れで代用している。100円屋のアルミのもあるが、どうにもつまらないしがちゃがちゃいうのも好ましくない。と思って探すと、名刺入れはやはりいいのがないが、「Meeg*Maag」と書かれた薄手の定期入れを発見。安いしこれでいいかと、ベージュと赤を買ってみた。
しかし最初のブックカバーをよく見ると、少し小さ過ぎる気が。現役バッグから本を出して比べるとやはり入らず、どうやらこれは手帳用のカバーらしい。あぶないあぶない。
と、ここまでにして Loft は終了。満足しきってエスカレーターに乗っていると、後ろの若い女子2名の会話。「ちょっと、やる気ないんじゃない」「そんなことないよ、やる気満々、買う気満々よ」。
そうか、今や街はバーゲンシーズン。そんなことすら忘れていた。きっとあの高崎線ガールズもバーゲンかも知れん。
と、買い物したら胃の調子もよくなり、ではほかのデパートにと思いつつも、何となく目の前にある「無印良品」に入ってしまい、でも商品を見るとハーフ丈の綿のフィールドコートのようなものが気に入る。セーターなども安い。むむ、と思ったが時間がなくなってきたので、この間編集のOさんにきいた紀伊国屋下、水山のちゃんぽんうどんを食べて打ち合わせの市ヶ谷へ。

約2時間の打ち合わせは順調に終わり、この日は授業もなしになったので、さて少し時間ができた。ではと、その前日にM君との間で話が出て、12月29日に食べられなかった三鷹・江ぐちに行くことを決意し、赤い電車で西へ。ビール、チャシュー、竹の子もやしそばの極楽20分を生きる。
ここで6時半。なら映画でも一本みるかと、江ぐちとなりの懐かしい書店でぴあを確認。一番みたかったケン・ローチは朝しかなかったので、午前中新宿でポスターを見て気になった『イカとクジラ』に決定。新宿にカムバックで観賞は、なかなかの佳作。

美しい暗闇で1時間半を過ごし、そうだまだやっているかもと、昼間買わずにおいた「無印」に。終点放送がかかる中、下見の品をぼしぼしかごに入れレジに急ぐ。小物も安かったので、迷ったら買うモードを採用。しかし、カジュアルシャツはボタンダウンしか買わないというルールは破らず、実にいいストライプのレギュラーカラーはスルーしたのだった。
「無印」の戦利品。黒のフィールドコート、紺のラム・カーディガン、ベルト、紺無地のマフラー、グレーチェックのマフラー、コール天のハンチング、べっちんの帽子。よし、今年は帽子もかぶってみよう。

すみません遅くまで、いいえと外にでた午後9時、そのまま着火したバイングスピリットにまかせ、いっちょう中古CDでも買うかとディスクユニオンへ。しかしすでに閉店済みで、むう。やむなく湘南新宿ライン高崎線に乗って、坪内祐三の続きを読み終わった。

そんな金曜日。最近は何かで読んだ「フランス人は迷って迷って迷って買わない」というのに共鳴し、もう品物はいらん態勢で生きてきたのだけれど、やはり消費は快楽に満ちているなと感心しつつ、帰ってボールペンをあけてびっくり、ボールペンじゃなくマーカーだった。ひええ、マーカーは音が嫌いで使ったことないのにと思いつつ、ま、8割引きで1本20円なら、誰か生徒も使うしいいかと、何が目的だかわからない、幸福の買い物金曜日でした。
くだらぬ話、すみません。

(実は金曜にいったん途中でやめて再開。これも途中まで、こっちは大事に書いてる深谷ロックフェスティバルは次かその次に。Phはそのデイパック他マフラー、ペンなど。全部入れたら重い色目が多くて何がなんだかわからぬので一部だけ。BGMは、きっと買い物でかかってたら気持ちいいだろうの名盤 encontro com a velha guarda 『すばらしきサンバの仲間たち』)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まつのうちうちのまつねこども

2007-01-09 13:53:54 | 週間日記
いよいよ正月も過ぎ、最初の先週日記です。なお、先ほど地震がありましたが今回ねこども逃げ出さず。

1日(月)年越しの同級生M君宅から朝に帰還。再眠から起きて天皇杯をだらだら半分。シャワー後、自宅にいたら飲みそうなので1日で1本1000円と気づき伊勢崎MOVIXへ。『敬愛なるベートーヴェン』~新年初ラーメン、壱番亭の味噌はあまりにファミレス的~『武士の一分』で映画は大満足。帰ってウィーン響新年メータ
2日(火)夕方から高校弓道部~塾と新年会はしご。終宴後は塾で麻雀半チャン4回はほぼゼロ
3日(水)夜は同級生M君宅新年会P?はOB・M君とそのGFで話題多岐
4日(木)夕、東方・長崎ちゃんめん~この日は静かに塾でいろいろ作業
5日(金)新年初塾M君と書初めは一枚書いたら墨少なくかすれるが、チラシ練習のはじき具合で化学の勉強もかねる。その後、父上・母上ともいろいろ話
6日(土)昼は競馬惜しい。晩、同級生M君宅の新年会P?は和菓子業N君一家、その友人Sさん、OB・Y君というこれまた変わった組み合わせ。やはり朝まで飲んで寝ていく
7日(日)家に帰って寝てから思い出し、午後から前夜に続きY君と深谷ロックフェスティバルはすぐに独立記事で。その後、西島・萬来~塾でギターと音楽談義

サッカーはまだゲームは年末の、アーセナルがまるでだめだった対シェフィールド戦のみ。
昨年は年末年始もよく働いたが、今年は気楽な日々。といって当然のように飲み歩いくばかりで、実は肉体的にはハードだから、6日には何日もともに過ごしたM君に「何かこう苦行のようだよな」などといったりする始末。
夕方シャワー浴びて出かけ、飲んで朝まで帰らずの暮らしの中、困ってたのは帰るといつもエサ皿は空っぽだったねこども。そうかおめえらすまねえな、じゃあ、これがお年玉だからとM君奥方からたまるともらう煮干の頭をさらさらとやればダッシュダッシュ。
まつのうちうちのまつねこども

今年から週間日記にカウンター設置
ラーメン3 劇場映画2 ライブ1 サッカー1 外酒4

(Phは午後の陽当たりのいい玄関先でなんだか平和なにらみ合いのオディール、カミーラ姉妹。BGMは深谷RFできいたギターで思い出したXTCの english settlement。A・パートリッジのエッヂのきいたギターはいい)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野矢茂樹『入門! 論理学』―この世にあってもっとも美しいことの一つ

2007-01-06 02:39:29 | 読書
今年最初の本のレビューは、すばらしい論考にいつも勉強させていただいている tokyocat さんという方のブログ(http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20061008)で興味を持った“難しそう”な論理学の本です。

テーマを「論理学」に絞った本を読んだのはおそらく初めてだ。大学の時に一般教養で「仏の……」と呼ばれた教授の「論理学」の本は買ったものの、一度も授業に出ないままぱらぱらと本をめくった程度で単位は取ったし、後は高校数学程度の知識で、「B型は自己中心的だ~B君はB型だ~だからB君は自己中心的だ」というのも、前提を認めれば結論も正しくなる不思議で、やや退屈な学問体系くらいにしか思っていなかった。
それを読んでみる気になったのは、「物語」と「論理」、そして「文法」をめぐる tokyocat さんとのコメントのやり取り(http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20060909)から、自分がまったく論理というものをわかっていなかったからと思ったからである。そして読んでみて、「論理学」が少しわかったけれどそれ以上に自分のわからないこと考えたいことが増えるという、“つまり”理想的な読書体験になりました。

個人的なことからで申し訳ないが、私は学習塾を始めた頃、「書かなきゃおぼえられない」という神話を解体することをテーマの一つにしていた。最近はドリルがはやったこともあったが、写経のような漢字練習や単語練習というのはやはり学習の、最近覚えた経営学用語でいえば「対費用効果」が悪過ぎる。その全文書き取り的イデオロギーに対抗すべく私が中学生に吹き込んでいたのは、「『書かなきゃおぼえられない』というのは言語のレベルで間違っている」という、一見論理のように思えるアナザーストーリーだったのだ。
“つまり”、基本個人で進める私の塾で、やる気を見せて漢字練習などを始め、律儀にも一行ずつ書こうとする男子中1にこういう。「漢字なんてのは、もうわかっているのを書いてもしようがない。それは勉強ではなく作業だ」、「えー、でも書かなきゃおぼえられないんじゃないですか」、「いや、例えば『ドラゴンボール』の亀仙人を知っているだろう。でも、『かめせんにん』って書いておぼえたのか。書いてないだろう。だから書かなくてもおぼえられるんだよ」というわけである。
これで「なるほど、そうですね」となるのはいいが、さらに「書かないでおぼえる学習」を身につけさせるのが簡単ではないことはいうまでもない。それどころか年を重ねるとともにいろんな意味で寛容になって、律儀なお勉強をしていても、まあそれはそれで精神の安定などということではまあいいのかも知れないと考えるのは、果たして職業倫理的にはどうなのかと考えたりもしています。

そう、世の多くの人に「論理」なんていうといやな顔をされるのは、多分そこに「物語」が見えないからだろう。反対に論理学でいう「反例」一つあれば崩れ落ちるはずの「B型は自己中心的だ」や「書かなきゃおぼえられない」が熱い支持を集め続けるのは、そこに「わかりやすい物語」があるからに違いない。
と、ここで私の生涯テーマの一つである「わかる」の謎が頭をもたげる。わかるかわからないかについていえば、私には「書かなきゃおぼえられない」というのはまったく「わからない」のだ。
もちろんこの問題は、「論理」のわかり方と「物語」のわかり方の違いだろう。この二種類を同じ「わかる」というのはいささか乱暴に思われ、大体「論理」のわかり方でいえば、「君の気持ちはわかる」なんてのはまったく意味不明といえる。

ちょっと話はずれたが、しかしこの「わかる」ということを考えなきゃ「論理」についてはまったく考えられない。
tokyocat さんは「もうこれ以上理由を説明しようがない決まり事は、じゃあいったい何に由来しているのか」を知りたいと書かれていた。このことを考えると思い出す感動的な話がある。金子隆一『ファースト・コンタクト』で読んだ、19世紀の大数学者ガウスが提唱したという地球外知性体(ETI)に送るメッセージ、すなわちシベリアのタイガを切り開いてつくる巨大な三平方の定理だ。「望遠鏡で地球の地表を観察するほど文明の進んだETIなら、ピタゴラスの定理を知らないはずがない」という一種の「思い込み」が正しいかどうかはわからないが、その近代的信念に私は感動した。ETI存在の可能性を計算して絶賛された「ドレイク方程式」で知られるドレイクが採用し1974年のETIへのメッセージとして発信された「アレシボ・メッセージ」には、同様のアイディアに基づく2進法や原子番号、DNAなどが選ばれている。科学は宇宙共通だという力強い確信を感じさせて気持ちがいい。

しかし問題はETIではない。地球人、何よりよく知っているはずの自分の頭だ。
野矢さんのすばらしい構成で楽しく読み進み、途中の問題にも挑戦するが、うっかりラーメン屋で麺の茹で具合などに気を取られていると時々間違える。さらに飲んだ帰りの電車で読んでいると、いくつかは理解をこえてわからくなってしまう。
明確にできているはずの論理がある者にはわかり、ある者にはわからない。当たり前過ぎることだが、明確に正しいのならなぜそういうことが起こるのだろう。
誰もがたどり着けるはずの道なのに、実際はたどり着けるものは少ない。それは100メートルを10秒未満で走れる人間があまりいないのと同じなのか違うのか。

例えば中学生の数学レベルでは、私はその難度をビリヤードの「クッション」にたとえる。「ハードル」でもいい。それが多ければ多いほど正解にたどり着く生徒は少なくなるのだ。
そして本書の問題でわかりにくいものを考えると大雑把に2種類があり、1)曖昧なもの、2)入れ子構造、つまり複雑なもの、に分けられると思う。

と、ここで思い出したのは、こちらは「思考」について感動的な考察が山ほど書かれている長沼行太郎『思考のための文章読本』である。確か「単語の思考」から始まる分類が、最後に「入れ子の思考」に終わっていることを思い出したのだ。
幸いすぐ見つかったので、ページをめくってみる。すると3章に「曖昧さ」について書かれていそうな、デカルトの懐疑論から始まる「確実の思考」が配置されていた。これはと思ってめくってみるとその多くを忘れていることに気づく。すると今度は章末に三木清がアリストテレスの「エンチュメーマ(省略三段論法)」というのに触れながら長沼さんはその延長上に「換喩(メトニミー)」を置いているのが気になった。

おお「メトニミー」は「赤ずきん」か「焼き鳥」かどっちだったかなあと、、これも10年くらい前に読んだ瀬戸賢一『メタファー思考』を探すとこれもすぐに本棚から見つかる。どうやら「赤ずきん」の方らしい……。

ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。
こんなわけで、過去に読んだ本の内容をぜんぜんおぼえていないじゃねえかと気づいた今夜。こうなると、“つまり”やっぱり書かなきゃおぼえられねえんだよとかつての中学生にでもいわれそうですが、こうやって本から本へと遡っていくのも、読書生活の楽しみの一つだぞといいつつ、何も結論らしいものがなくて申し訳ありません。
でも、わからないことがわかるというのはこの世にあってもっとも美しいことの一つなのだ、そういえば「論理」っていうものもそんな美しいものの一つかも知れないなと、かつての中学生にきかれたら応えようと思ったところでここまでにします。
野矢さんの専門は哲学だそうなので、次はヴィトゲンシュタインの本かなんか読んでみましょう。

最後に、この本からわかったこととよかった点を。
1)わかったこと
・選言、全称、量化、完全などの論理学用語
・論理学用語と日常生活語の違い
・論理学全体のアウトライン
2)よかった点
・論理学の本では画期的という記号を使わない縦書きという試み。ただし、「ド・モルガンの法則」などは集合のベン図を使った方がわかりやすそうなので、むしろ野心的なしばりといえそうです
・不完全性理論や哲学との距離の取り方。ヒットアンドアウェーのジャブのように興味を残す記述は絶妙だと思います。そういえば、ブルーバックスの不完全性理論の本は、アウトラインであおっておいて何かが書いてなくてびっくりした記憶が。もっともそのサイズで語れるものじゃあないのでしょうけど。

なんていいつつ、そのうち忘れそう。

※ tokyocat さんからは「よそいき」の方に丁寧なコメントをいただきました。(http://d.hatena.ne.jp/quarante_ans/20070105/p1

06年12月29日読了 アマゾンにて購入

(思ったより長くなり、BGM、NHK-FM近田春夫+小室哲哉のJ-POP特集は、中学生の頃にオールナイトニッポンできいて衝撃を受けた近田さんの話が久しぶりにきけてよかったが、それも終わりOB・F君が置いていった SHARP MP3 で、自分で入れてやった音源をシャッフルで今はジョン・レノン「ビューティフル・ボーイ」から「オブラディ・オブラダ」になり、なんだなんだと次に送ると、ポーグス、ブラッド・スウェット&ティアーズ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドゥルッティ・コラム "keep beathing"―壊れそうということはそれだけで美しく力強い

2007-01-04 23:32:25 | 音楽
三が日も終わり、そろそろ日常に戻る頃。日常からははるかに離れた佇まいが魅力の英国ポップのレビューです。

80年代に出てきたバンドなのだが、実はCDを買ったのは初めて。その頃は中古で安かった12インチシングルを1枚買ったけど、それほどきかずにしまったまただった。それがもう5年以上前かJ-WAVEでやっていたUAの番組できいてそのこの世のものとは思えないサウンドに魅了されて探し出してきいたのだが、曲目検索もできたはずなのにその曲がどれかわからず、HMVの店舗やアマゾンでもどれを買っていいかと悩んだまま買いそびれていた。今回ニューアルバムが発売されることを『ミュージックマガジン』で知り、ちょうどいい機会と購入したわけだが、慌しい年末のあれこれを即時に覆い隠してくれる霧のような浮遊感があまりに気持ちよく、年末から年始にかけて最もよくきいた一枚となった。

正体についてもまったく知らなかったのだが、もとは3人編成のバンドだったのが今は「痛々しいほど痩せた体躯にレスポールを引っさげ、それこそ鳥肌が立つほど美しい旋律をつま弾く」ヴィニ・ライリーなる人物のソロ・プロジェクトになっているらしい。意味不明のネーミングはスペイン市民戦争時のアナキストから取ったという。
サウンドはほぼ一貫してシンプルなリズムの上に霞がかかったようなエフェクトがきいた柔らかいギターと、多少の色づけとなるストリングスやホーン、サンプリング、それとこれまたふわふわとしたヴォーカルという成り立ち。だがそのいずれもが、ギターの美しい響きを引き立たせるためにだけちりばめられている、そんな気がする。
曲のアイディアはバラエティ豊かだ。スパニッシュ風、ノルディック風、フォーク風。さまざまな要素が混ざっているのにその全体的な印象が同じように感じられるのは、口ごもったようで荒削りに思える構成が実は周到に練られてまとめられたものだからだろう。
1曲をあげるのは迷うけど、流麗なインストゥルメンタルで最後まで通すM8「ランチ」に続くM9「ガン」。かきむしるようでいて静かなアコースティックのソロにトレモロ、ストリングスが静かに加わり、M8をきいた後だけにこのままインストゥルメンタル快楽が続くかと思っているとそんな思いを裏切るようにヴォーカルが乗り、絶妙のディレイとの追いかけっこが続く。そうかと思うと、飛び上がっていくような旋律に美しく歪んだエレキギターが破壊的にしかも静かに踊る。
こんな壊れそうで静かな音楽を奏でるライリーは、「ラジカルでアナーキーでありたい」と語っているそうだ。ラジカルとかアナーキーとかいうのは、実は声高に力一杯こぶしを振り上げることだけではなく、こんな美しいかたちでも実現されるものなのだろう。やっていることはまったく違っているが、たとえば弱さをそのままに叩きつける早川義夫の歌がこの上なくラジカルでアナーキーなのと同じように。
壊れそうということはそれだけで美しく力強い。

06年12月22日初聴 HMVでネット購入

(BGMはもちろん本作。MWAでアーティスト名、曲名が記録されないのはなぜだろう)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『硫黄島からの手紙』―『突撃』『黙示録』『シン・レッド』『Uボート』『ダンケルク』より

2007-01-03 17:15:31 | 映画
年末にみた問題作のレビューを

そう多く戦争映画をみてきたわけではないが、個人的には戦争の「恐怖」ならキューブリック『突撃』、「狂気」ならコッポラ『地獄の黙示録』、「無常」ならマリック『シン・レッド・ライン』、「緊張」ならペーターゼン『Uボート』、「不条理」ならヴェルヌイユ『ダンケルク』が印象に残っている。しかしイーストウッドが満を持して放った日本軍からみた太平洋戦争映画は、そのいずれの点においてもこれら先行作に負けていない。
例えば映画において恐怖は、どんな風に喚起されるのだろうか。多くの日本人が西洋恐怖映画より邦画の方に恐ろしさを感じるとすれば、それは実は文化や言語に関係があるのではないか。だとすれば、本作のあの洞窟内のシーンは、軍内部の規律のために処刑される『突撃』より恐ろしいだろう。
なるほど『地獄の黙示録』は、戦争という異常事態で西洋的な神を持つ人間が陥るだろう狂気をこの上なく見事に表現している。しかし本作での一部上官たちの狂気は、「神国」という幻想よりより日本世間的な「面子」に立っているものではないか。岸田秀氏が「対人恐怖症」とした日本人のメンタリティには、本作の狂気の方がより身近に感じられるはずだ。
過激な戦闘シーンに美しい自然や故国の幸福な場面を隣接させた『シン・レッド・ライン』は、戦争のばからしさを感じさせるのにある意味最も有効な手法を使っていた。しかし本作の手紙や千人針という小道具はそれが愛する人の手によるものだけに痛切で、しかも同じ文化を持つ日本人にはこれほど訴えかけるものはない。
確かに『Uボート』のリアルな海底シーンは、「手に汗握る」ということにかけては映画史上有数のものだった。だがイーストウッドによるストレートでメリハリのきいたな人物描写で作中人物は観客に近い存在になっているだけに、その戦闘シーンは自分のことのように苦しく逃げ出したい様相を現出させている。
防戦の手段をほとんど持たず、相手の攻撃にさらされたままの『ダンケルク』は、どうしようもない戦争の「他者性」を極端なかたちで描いていた。しかし2部作の第1弾として米軍側からの『父親たちの星条旗』をみた観客は、あの恐ろしい米兵たちがそれぞれに故郷を持ちジャズシンガーの美しい歌声に涙を流す「人間」であることを知っている。その「神の視点」は、両軍の様子を並列に語るのでなく一方を語った後でもう一方を語るという画期的な手法でさらに際立ったものになった。
これらのことからしても、本作は史上に残る戦争映画といえる。文化が違うという日本人以外の観客とってのハンディも、捕虜になった米兵の手紙のエピソードが語るようにその価値観は普遍的なだけに問題にはならないだろう。
といってこれはただ私の個人的な「映画」観に基づく判断で本作の重要さを損なうものではないのだが、本作が「戦争映画」として先にあげた5作より忘れられないものになるかといえばそうも言い切れないでいる。すべてにおいてこれ以上なくまっとなイーストウッド作には、「映画的」な驚きが少ない。たとえば冒頭以降はほとんど戦闘シーンがない『突撃』、作品内のみならず製作者側が狂気に陥った『地獄の黙示録』、荒くれた戦闘シーンに唐突に絶世の美女が出現する『ダンケルク』のような、「映画」という形式の「謎」について考えさせる「驚き」こそが私が映画に求めているものだからだ。
とはいえ本作は映画史上にも、戦争映画史上にも、映画人イーストウッド史上にも、日本の歴史認識史上にも重要な作品だろう。そういったまったくぶれのないプロフェッショナルな完成度の高さこそが、映画人イーストウッドの魅力なのだ。
たとえば西郷・二宮和也が妻・裕木奈江と卓袱台をはさむシーン。いつものアメリカを舞台にしたイーストウッド作でテーブルをはさんだ会話とまったく同じように絶妙のタイミングでカットがつながれてた後で、西郷が妻の横にそっと座る。渡辺謙・栗林中将や伊原剛志・西中佐は、外国人ということもあってかこれまでのイーストウッド作ではなかったほど典型的に完璧で高潔な軍人として描かれた。中村獅童・伊藤中尉は、例えば『許されざる者』のジーン・ハックマンとか『ミリオンダラー・ベイビー』の非道家族のように観客の感情を逆撫でする。この思い切りステレオタイプな人物造形があるからこそ、観客にとってドラマは切実さをもって立ち上がる。出演陣はイーストウッドのかっちりした演出のもと自信たっぷりに演じていてすばらしい。
74歳にしてとんでもない地点にたどり着いたイーストウッド。それでも個人的に今後もっとみたい彼の作品は、やはり『ホワイトハンター ブラックハート』、『ブロンコ・ビリー』のような珠玉の映画なのだけれど。

※本レビューは1月4日に一部修正しました

06年12月28日 伊勢崎MOVIX

(BGMはJ-WAVE)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

the days of wine, cinema ... and cats

2007-01-02 13:04:33 | 週間日記
早速、1月2日更新の前年暮れ、先週日記です。

25日(月)昼はいつもの電話取材、晩に塾で原稿書いているとOB・K君が映画ビデオ返却+借りに来て映画の話にしばし時間を忘れる
26日(火)昼は原稿。晩は別府・のび太で天ぷらうどん食べ、繰り上げの出張授業で当年度の授業終了
27日(水)起きて読書で遠藤周作『私が・棄てた・女』読了はやはり見事。少し仕事の後、夕に深谷シネマで『太陽』は重厚で静謐。晩は忘年会シリーズ第一弾で写真関係、2次会はカラオケでSさんとビートルズ三昧とににぎやか
28日(木)午後は伊勢崎MOVIXで『硫黄島からの手紙』はすごい。帰って同級生M君宅に行って飲み一寝入り後帰還
29日(金)打ち合わせ+忘年会で市ヶ谷へ。その前に今年最後のラーメンと三鷹・江ぐちに行くがすでに営業終了。しかたなくはじめての近くなないろはまあまあ。市ヶ谷ではついでに仕事先事務所大掃除にも参戦。市ヶ谷7名~新宿3名の居酒屋はしごで最終帰還。往路で野矢茂樹『入門! 論理学』読了
30日(土)昼に原稿作業の後、塾忘年会で駅前・魚民へ。総勢10名うち8名はカラオケにも
31日(日)夕、キャネット安売りのD2ほか買い物し、前年同様同級生M君宅の年越しに参加。N君一家やT君も来て、紅白はじめテレビやら鍋やらシャンパンやら日本酒やらと、つまり幸福な行く年来る年も人々次々に倒れ、残る他人の居間でジルヴェスターを眺めながら朝まで寝て帰還

サッカーはあまり気合入らずアーセナルのブラックバーン、ワトフォード戦をみるも途中寝てしまう始末でもこれはしかたなし。
24日以降25、26日を除き連日飲んでいて、酒~帰ってねこと寝る~酒の繰り返しでした。
そんな中、映画はけっこうみられ、酒の予定のなかった1日も家にいてはまた飲んでしまうと、1日で1000円ということもあり2本観賞。
the days of wine, cinema ... and cats の、それはそれで優雅な年末年始で2007年も始まって。

(Phは父親が玄関に門松を置いたので、ねこと一緒に撮るべくしばしトライ。ちょうどきたカミーラがぬっと出てこれがベストショット。BGMは目についた、心休まるニール・ヤングの名盤 after the gold rush に後ろで箱根駅伝は山に差し掛かっている)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

にゃーいやー

2007-01-01 23:59:10 | ねこ
2007年の元旦も友人宅で向かえ、目覚めて宿酔いでふらふらしながら帰って来ると、まず外のやつらがぴょんぴょんにゃー、ドアを開けるとどたどたにゃーにゃー。当たり前だけど、いつもと変わらぬ冬の朝。
じゃらじゃらどさっとキャネット置くと、かりしゃか・かりしゃか順番に食べる。ぴちゃぴちゃ交代で水を飲んで、こっちが再び眠りにつこうとすると足の上やら布団の中やらに集合。
まったく重てえな、このやろチャー、かみついちゃ痛えぞというのににゃーにゃー服の中に入ってくる。なんだなんだどうしたとやつが何かいってる声をよくきくと、いつものにゃーにゃーともちょっと違って、にゃーいやー。
そうか新年のあいさつかい、お前も人間との暮らしが長いからなとなでようとすると、やっぱり指先をかぷ。そんなに人間の指はうまいのかいときくと、ごろごろごろごろ、にゃーいやー。
今年もよろしくお願いします。

(Phは早速布団内に入ったチャーとスペースを布団をはがしたけど、手前黒いスペースはよく見えず。BGMは録画したウィーンニューイヤーの序盤。個人的にはかっちりクールなのメータ指揮は楽しみ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする