小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

「やがて春が来れば、ぼくたちは、きっといまよりも温かい呼吸ができるようになるだろう」+acvアイドル

2009-01-29 16:41:50 | 週間日記
「化学変化」「状態変化」、そして「哺乳類における認識の変化」 01/25 13:10


なんだかんだとあって先週日記は木曜にずれ込みました。「ラジオその2」は先送りです。
アーカイブは、「キャー」の行き先を考察した『アイドル』(http://runjuku.yu-yake.com/simpleVC_20090129145126.html

●1月
19日(月)晩は同級生M君宅に。菓子屋N君一家も来て1歳児自由に歩くに驚く
20日(火)仕事はかどる~中1スキー教室で塾はなし~前節アーセナル:ボルトンの後半。メキシコの若いやつがよくなってきた
21日(水)昼はいろいろ晩は塾。受験勉強の合間に中3前週借りた絵本観賞。笑う~久々にみたバルセロナ:デポルティーボは前半で3点入ってしまったのでそこまで
22日(木)昼は仕事少しで基本うだうだ~余裕あったので、昨年できたスマーク伊勢崎で『チェ 28歳の革命』はストイック。行きに寄ろうと思った常勝軒を目指したが、多分3回目くらいで見つからず、時間ないのでスマーク内の助屋*という店で醤油ラーメン580円。帰りに、ひょっとしてここかなと一本深谷寄りを曲がってみるとついにあった常勝軒。同じ国道に沿いにある2軒のファミリーマートにだまされたとはいえ愚かだった
23日(金)塾は高1M君でネットバンク手続学習と映画研究は前に録画したAFIヒーローもの~久世光彦『飲食男女』読了
24日(土)退職後声楽やってる叔父がコンサートというので前橋へ。いとこなどにも久々に会う~前橋・めの娘三俣店*で味噌ラーメン600円~晩は、同級生M君ほか総勢5名で雷文→ワインマーケットカゴハラ
25日(日)東方・長崎ちゃんめんでちゃんめん651円~競馬はAJCCで27,530円的中~相撲千秋楽対決みながらおでん作成。関西でおなじみ、牛すじというのを入れたかったのでベルクで2パックだけ売ってたのをそのまま入れる。煮てたらほとんどかたち残らず~自宅映画は何回かに分けてみた残り20分の鈴木清順『けんかえれじい』と溝口健二『赤線地帯』のクラシック2作。やっぱりすごい

【カウンター09】
ラーメン3/10(*2/5) 外飲み1/7 アウェイ飲み1/1 読了本1/1 劇場映画1/2 自宅映画&長編ドラマ2/3 自宅サッカー1.5/3.5
 ※ラーメンは「*=初食店」という分類も始めてみました

雨が多い中、うろちょろした日々。今週もここまですでに映画2本で映画づいてきました。気づいたことを羅列します。

◆『チェ 28歳の革命』
 ソダーバーグはアメリカ出身の現役監督ではもっとも好きな一人。驚嘆のテクニックにはいつもしびれさせてもらってきました。さらに若手ではもっとも期待する俳優ベニチオ・デル・トロとがっぷり組んで描いた革命の英雄の前生涯は拍子抜けするほど地味なつくりで、モノクロで描いたNYシーンの方がかえって派手にみえるほど。どうやらソダーバーグ+デル・トロの思惑は、いわば「英雄像のオーバーライト」なのではないでしょうか。
 革命は熱狂的と思われがちです。しかし、どうなるかわからないまま理想を旗印に突き進んでいくという「作業」は、愚かさを現出させる仲間や新参者の取り込み、そして長く終わりないようにみえる行軍など、われら後続が考える以上に「だるい」ものなのではないでしょうか。クライマックスの何とかいう都市の陥落シーンさえ、画面に爆発的な熱狂はありませんでした。
 そしてその「だるさ」が、作品を通じてだんだんとゲバラに“なっていく”デル・トロのすごみを、存分に感じさせる結果になっているのです。
『別れの手紙』はこれからですが、この地味さがすばらしい作品に「急展開」「大作」といったありきたりな惹句しか載せられないことは、「映画」という文化にとって悲しいことといわざるを得ません。

◆1月16日付毎日新聞夕刊の岸田秀
(1ヶ月は参照可:http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090116dde012040011000c.html

 ちょっと前の新聞を読んでなかったので読みました。
 大学では哲学を専攻したOBのI君にいつだったか、「センセイがもっとも影響を受けた考えは何ですか」などときかれたことがあり、ちょっと考えて、一番衝撃が大きかったのは20歳ちょっと前に読んだ岸田秀の「唯幻論」かな、と応えたことがあるほどの岸田秀ですが、何しろ何を読んでも「人間は本能の壊れた動物である」からの演繹なのでしばらく読んでなくて、インタビューとはいえしばらくぶりにその考えに触れました。
 オバマ就任の熱狂に対して、「可能性は少ないと思うが、危機打開に成功して、公約通りに“CHANGE”を実現すれば、米国は大変なことになりますよ」と、キリスト教公認後のローマ帝国を例に引き、

・・・
「ローマ帝国の先例が現代の米国にあてはまるかどうかは、もちろんわからないが、従来の支配構造に執着する白人層と、差別のない社会への希望を抱いた非白人層に分裂し、第二次南北戦争が起こりかねません」。それを免れる唯一の道は、米国を支配してきた白人層がその権力意識、差別意識を本当の意味で克服することだが、そんなことが果たして可能かどうか--。「できそうにない」と岸田さんはみているようだ。
・・・

 といい、さらに戦後日本の対米関係における自己欺瞞に言及します。
 いやあ、いくらなんでも、そうまでいうか、というのが率直な印象ですが、ひとまずおぼえておこうと思いました。

◆1月28日付毎日新聞朝刊の鹿島茂『引用句辞典』
 アダム・スミス『道徳感情論』を引いた米国発金融危機の話。
「アメリカ的な精神風土においては、強欲的な金儲けというもの」が「大リーグにおけるハッスル・プレーと同じようなフェア・プレーにのっとった『善』として賛えられている事実」を指摘し、「『悪』ならおのずと限度があるが、『善』だと限度がないという、共産主義社会において観察されたパラドックスが、資本主義においてもまた確認されてしまった」としています。

ここまでの三つから考えたのは、わかりやすい「単純さ」から生まれるものにろくなものはないのではないか、というよく考えることでした。
複雑この上ない社会で「うまくやる」ために必要なのは、やはり「複雑さ」なのだと。そこで、火曜にみた、今年ナンバーワンも十分な映画表現のことを考えました。

◆『シャイン・ア・ライト』
 高校の友人がメールを送ってきて、絶対劇場でみろというので、セドリック・クラビッシュ『PARIS』と悩んでこちらを選択しました。
 ローリング・ストーンズはさすがに1回目と2回目の来日には行きましたが、正直もうほとんど関心は失っていたのですが(参考:http://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/e/57e830753d5180ffcbd89bf982b22476)、これにはまいった、降参です。
 マーティン・スコセッシの音楽映画といえば、やはりドキュメントとして優れていた『ラスト・ワルツ』ですが、これは素直に「技術」の進化を祝福したい。『ラスト・ワルツ』では使われていなかったクレーン、最高レベルの照明、すべてを知り尽くしたカメラワークが、この「現存する地上最古のロックバンド」の「今」をこの上ないかたちで「記録」しています。
 そんなに知らなかったバディ・ガイはじめゲストもすごい。そしてミック・ジャガーはじめメンバーの妖怪ぶりがなければ、いくら技術があるといってもこの傑作にはならないことはいうまでもないでしょう。

というわけで、ロックンロールなら「単純さ」も武器になると、でも、それを支えているのは、恐ろしく「複雑に」計算された技術なんだということになるのでした。
さてもう一つ、胃が痛い金曜、ねこといっしょに読み終わったこの小説集から著者と関係深い向田邦子『あ・うん』にも触れたエピローグから一節を。

◆久世光彦『飲食男女』から引用
 結局、その夜ぼくたちが交わした言葉は、それだけだった。それ以外の長い、長い時間―ぼくたちは、それぞれ、おでん屋の親爺の肩越しに見える冬の夜空に、一人の女の人のキラキラ炯る目を見ていたのだろう。まだ春は遠かった。けれど、しばらく俯いて、やがて春が来れば、ぼくたちは、きっといまよりも温かい呼吸ができるようになるだろう。

この一段落の「単純」の、何と「複雑」なことか。

(BGMはAccuradio Multichannel で今は冬が似合うドボルザーク Slavonic Dances http://jp.youtube.com/watch?v=QJp8cRLmqb0。今日最大の発見は超絶のギター、オルガントリオ、Pat Martino の Oleoby http://jp.youtube.com/watch?v=Ql_bHgaQQZE&feature=related

負けるなよ、季節外れの派遣労働者 01/25 12:06


雨上がりの半魚ねこ。夕方には全ねこに戻ってました 01/23 12:53
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「マスク、マルクス、踊り念仏」(01/12~18)+acv『台風の目』

2009-01-21 01:09:55 | 週間日記
冬のブラインド影芝居、キャンディーが左前足 01/12 14:33


はい、先ほど仕事一つ片付けて、順調に火曜夜更新の先週日記。「ラジオその2」はこの後です。
アーカイブは少し季節は外れましたが、10年前の優雅な19歳の夏の記録『台風の目』(http://runjuku.yu-yake.com/simpleVC_20090112153806.html)。

●1月
12日(月)昼は集計~晩は煮ぼうと製作。完成直前、ねこのミシビシ母屋で発見。前回の反省から周到に退路を断ち、今回は無血開城となる
13日(火)昼は集計作業がんばる~晩は塾~去年の録画アーセナル:ポーツマス。なんとここでセスク全治4ヶ月を知りショック受ける
14日(水)昼は原稿、アマゾンMP購入、ジャニス・イアンのベスト初聴~晩は塾~マンU:チェルシー
15日(木)昼、今日はラーメンと群馬へ。初食、新田・麺や剛で坦々麺+餃子セット~帰りに通った時宗の青蓮寺というのをちょっと見学
16日(金)朝、貸した本を返しにNさん来~じゃあ、と川本・おおにし製麺で大盛うどん+かき揚げ~ササイでホワイト&マッカイ1050円と何かのワイン~図書館は姪誕生日贈本探しで、借りたのはレオ=レオニ『びっくりたまご』と閉架出してもらった土方久功『ぶたぶたくんのおかいもの』に、小熊英二+上野陽子『<癒し>のナショナリズム』、小浜逸郎『善悪ってなに? 働くってどんなこと?』。贈本はうっかりしてて、少し前に『びっくりたまご』(http://jp.youtube.com/watch?v=KQa4cIuJthQhttp://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?No=4152)と谷川俊太郎セットで『まざあぐうす1』をアマゾンから~深谷シネマで『闇の子供たち』~だらだらしてたら同級生M君に誘われ、細君とともに雷文へ
17日(土)昼、なんとなく妻沼・よか楼本店で大盛ラーメン+気になったメンチ~だらだらして競馬当たらず~夕、前週の酒蔵見学で買った酒粕をもとにかす汁作成~入浴後、自宅映画は迷った末、柳町光男『カミュなんて知らない』(2005)。公開時にシネマテーク高崎でみた予告編(http://jp.youtube.com/watch?v=KQa4cIuJthQ)にもうなったが、この絵づくりのセンスは懐かしくてしかもすごい。くだらない話でも映画のスリル満喫。と思いながらも途中で寝てしまい、翌日観了
18日(日)昼、新聞買いに出たついでに尾島・松よしでタンメン~ずっとだらだら競馬も当たらずそのまま寝てしまう

【カウンター09】
ラーメン3/7 他外食1/2 外飲み1/6 劇場映画1/1 自宅映画&長編ドラマ1/1 自宅サッカー2/2 聴了CD1/1 購入ウィスキー1/3

相変わらずあかぎおろしびゅんびゅんの寒い日続き。
今朝、新聞を読んでいたら、コラムでいきなり後ろから木槌で叩かれたように衝撃を受けたので紹介します。

・・・一部コピー
「マスクの季節」

 1970年の大阪万博の時のことだ。観光に来たある米国人は、街を歩く日本人の多くが白いマスクをしているのに驚いた。息もしにくいし不便だろうにと思い理由を聞けば「風邪の予防」という。米国人は「何と用心深い人たちか」とまたびっくりした▲彼は健康に敏感な日本人の性格を知り、ある事業を日本で始めることを思いついた。米国人はアフラックの当時の社長で、事業とはその後大成功したがん保険だ。そのころは、風邪よけにマスクをするのは日本人ぐらいしかいなかったのだ……(以下略)
(全文は1ヶ月読めます http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20090120k0000m070135000c.html

・・・

そうか、風邪の予防でマスクをするのは日本人くらいなのか、これは意外だとWikipediaで「マスク」をひくと

・・・
「海外のマスク事情」

欧米においては日常生活の中でマスクをすることはきわめて少ない。実際に花粉症のセルフケアとしてマスクをせよという方法が紹介されることも少ない。そうしたこともあって、花粉症の時期に来日した欧米人が、市中で多くの人がマスクをしているのを見て、なにごとが発生したのかといぶかるという話は有名である。
(中略)
一般に日常生活の中でマスクをすることに抵抗がないのは、日本をはじめとしたアジアである。とくに東南アジアや東アジアの都市部では、排ガスに含まれる粉塵などを吸わないよう、オートバイに乗るときにマスクをするのが一般的な地域もある。

・・・

はあ、ちなみに私は、多分中学校の給食当番以来マスクをしたことがありません。どうにも息が苦しそうで、健康にいいとはどうにも思えないのです。

そうかわかった、で、何がそんなに衝撃なのかというと、私は多くの方と同じように「日本人はどういう人々なのか」という問いについて長年考察しているんどえすが、ここに、「風邪の予防にマスクをする人々」という非常に大きな要素が加わって、これは「日本人像」を明らかにするのに有効なブレイクスルーとなると考えたからです。

クリシェともいえる「日本は世界で最も成功した社会主義国家」というフレーズ。ここ数年、資本主義の隘路を感じ、近辺の者に、ひょっとしたら史上類のない経済が高度発達した国の共産主義化が試されていいのではないかと冗談半分にもいい続けているのですが、なんとなく「風邪の予防にマスクをする人々」にはもともとハイパーマネー経済は向いていないのではないかと考えたわけです。
そう思いながら「マスク」という文字を見ていて思いついたのが「マスク・マルクス」というフレーズ。もちろん単なるアナグラムによるだじゃれですが、なかなかいいかも知れない。そう悦に入りながら先週分の写真を整理していて、木曜に行った太田市の青蓮寺という時宗の寺で撮った写真に目を見張りました。



これはマスクではなくよだれかけが赤城おろしでめくれたものです。しかし、お地蔵さんによだれかけをかけて寒いからと帽子もかぶせる。それが「風邪の予防にマスクをする人々」で、そういう人々に生き馬の目を抜くハイパー市場主義マネー経済は似合うはずがなかった。そう思ったわけで、だから「マスク・マルクス」なのです。

なお、不勉強にして時宗の寺というのは訪れた記憶がなく、僧侶でなく普通のかっこうをした人がいて「遠くからですか」ときくので、いえ、深谷で利根川を越えてすぐです、「ああ、深谷ですか。時宗の寺は深谷にもあるんですよ。では」。
短いけどいい会話です。なお、以前から中学校歴史教科書最高の謎の一節として、いつも中学生と笑ってきたのが

「また、一遍はおどり念仏を唱え時宗を確立した」(教科書箱から出していず引用不正確)

これ、何がなんだかわかんねえよな、わっはっは、という調子で笑っていたのですが、もう十年以上前でしょうか、これはおもしろそうだと読み始めた今井雅晴『日本の奇僧・快僧』という本を読んで心打たれました。これは本棚ですぐ見つかったので一部写します。

・・・
 しかし踊りながら念仏を唱えるとはいったい何だろう? それに一遍の捨てる生活とどのような関係があるのだろうか。
 一遍が踊り念仏をはじめたのは弘安二年(一二七九)のことである。場所は信濃国伴野であった。現在の長野県佐久市伴野である。ここの武士の家に招かれ、時衆といっしょに庭で念仏を唱えていた。
 すると一遍の心は、大勢のさまざまな声のなかで次第に澄みわたってきた。念仏に対する信心の気持が静かに湧きあがり、体が踊り出すような喜びの気持ちがこみあげて、うれしさのあまり涙が自然にこぼれ落ちてきた。まわりの時衆も同じ気持ちだったらしい。
 そこで皆で声を合わせて念仏を唱え、堤(鍋型の鉢)をたたいて踊りまわった。これが『遊行上人縁起絵』が伝える踊り念仏開始の場面である。早い話、皆で一生懸命念仏を唱えていたら、だんだん気持が高揚し、とうとう恍惚状態(エクスタシー)に入ってしまい、手をあげて足を踏みならし、念仏を唱えながら暴れまわったのである。(同書P140~141)
・・・

つい長くなってしまった。なんとも興奮が伝わってくる描写で、当時から私は鎌倉仏教のところを説明する時、時間がある限りこの部分を読み聞かせている。これには中学生は、「すごい! ライブだったんですね」と大喜びだ。

だから、マスク、マルクス、踊り念仏。
一銭もかからないけど、われら二十一世紀人にこれだけの楽しみがあるのだろうか。きっと今からでも遅くはない。

(BGMは Accuradio「70s Shuffle」から、何となく imeem にアップしたRCサクセション『冬の寒い夜』http://www.imeem.com/people/FwgvvZ_/music/1wcB22dZ/rc_succession_fuyu_no_samui_yoru_cold_winter_night/ に替える)

・・・

今年も畑の一番花はホトケノザ 01/17 09:25


前週酒蔵で購入の酒粕としぼりたて 


ティーは、「状態変化」も、自分の周りにマルボケが出ていることも知らないけれど、溶けたばかりの氷のおいしさを知っている。そして、氷面に映るのが自分の顔だということは知っているだろうか 01/17 09:21
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カラックスのデヴィッド・ボウイ(2009年のネットラジオ―その1<accuradio> )

2009-01-18 22:12:57 | 音楽
今回はジャンル「音楽」の記事が書けました。

・・・

「ラジオの音楽」で忘れられないのは、レオス・カラックス監督1986年作『汚れた血 Mauvais sang』の一シーンだ。ひょっとしたら大女優のキャリアでもベストのショットとさえ思える赤と黒のやわらかで完璧な絵の中、虚空を見上げるジュリエット・ビノシュが視線を落とすとドニ・ラヴァン:アレックスがつぶやく。定かでないが、最初にみたビデオ版の日本語字幕はこうだった。

「ラジオはいい……こうすれば、いつでも音楽が始まる……」



"Voila, ecoutons..."
懐かしい荒々しさでダイヤルが回されてすぐにかかるシャンソンが何という曲かは知らない。緊張に耐えられないように部屋を出るアレックスの吐き出す煙草の煙は何度みても完璧な流れを引くが、観客はやがてここまでのシークエンスがすべてその後の一瞬のために用意されていたことを知る。デヴィッド・ボウイ『モダン・ラヴ』、スティーヴィー・レイ・ヴォーンの奇矯なカッティングが画面をつんざき、アレックスが走り出した数秒後だ。

ラジオは音楽に対して特権を持っている。たとえその曲の音源を持っていたとしても、自分で選んできくよりしばしばよくきこえるのはなぜか。ダイヤルを回す前のアレックスの言葉を借りれば、ラジオは「魔法―C'est magique.」なのだ。確かにわれわれはすばらしい音楽を「ききたい」。しかも実は、そういう音楽を、「きかされたい」のではないか。

1980年代の終わりにみた「カラックスのデヴィッド・ボウイ」が私にとってショックだったのには、当時の個人的と社会的、両方の音楽環境から、私自身が「ラジオの音楽」に興味を失っていたことも大きかったように思う。
大学を出たのが1987年。CDプレイヤーを買ったのもその頃だ。CDは買ったし借りたりもした。姿を消しつつある小規模レンタル店で叩き値のアナログ盤も買っている。たいした額ではなかったが給料ももらうようになって、音源購入費も増えていたのだろう。そんな中、学生時代のようにFMをエアチェックするということもなくなっていた。
当時は関東地方でも、FMが2局しかなかったことも忘れてはいけない。東京2局目のFM局としてJ-WAVEがスタートしたのが1988年。20年前のことでつい忘れがちだが、当時は関東でNHKとFM東京のみしかなく、それでも時間通りに家に帰って、BHFとかAD、UDとかのカセットに宝のような音楽を録音したものだ。
野球ファンだった私のラジオデビューは、ご多分に漏れず野球延長の続きだった。北関東でよく入るTBSで、『夜のミステリー』なんかに興味を持ったのが最初ではないか。それからテレビの『欽どん』と連動したのか、ニッポン放送をよくきくようになった。
高島秀武(当時)から、中学に入る頃には、落合恵子、かぜ耕士らをきくようになる。テレビできく音楽より、ラジオできく音楽の方がいい、ということに気がついたのはこの頃だ。
具体的な曲名をあげよう。中島みゆき『時代』、チューリップ『風のメロディ』、洋楽ではオリビア・ニュートンジョン『ジョリーン』、シカゴ『愛ある別れ』……。たとえばシカゴなら『長い夜』を知ったのはもっとずっと後で、落合恵子がつぶやく『愛ある別れ』、"If you leave me now"の状況を、おそらく赤城おろしがごうごうきこえる旧い家の二階できいていた。「ロック」と「フォーク」と「ディスコ」の違いもわからずラジオからきこえていたあの取り戻せない栄光は、音楽は携帯できくのが常識の若い世代からも、奪ってはいけないものと思う。
AMとFM2局あれば十分だった。ものごとがわかるようになるにつれ、二つ上の姉が好きだった甲斐よしひろのほか、午後のNHKの東郷かおる子、オールナイトニッポン2部の近田春夫、農村から地方都市に出た高校時代からは渋谷陽一、その後、大滝詠一、佐野元春、途中『ミスDJリクエストパレード』などという軟派な番組にうつつを抜かしたりもしたが、大学に入って東京に行ってからは、これはけっこうきいた元ゼルダ、小島さちほのNHK午後とか、同じ頃か萩原健太、車に乗ればFENなんかもきいていた。
しかし、数々の音楽雑誌からも情報を得、CD、レコードも買えるようになっていた1980年代の終わり。私はラジオから遠ざかっていて、だからこそアレックスが「J'aime bien radio.(僕はラジオが好きだ)」とつぶやく「カラックスのデヴィッド・ボウイ」が衝撃だったのだ。
そして車にもFMが当たり前になった1990年代以降、北関東では入りにくいJ-WAVEで私のラジオルネサンスが起こる。いまもある小曽根真のほか、細野晴臣、くるり、スガシカオ、大貫妙子、菊地成孔、音楽以外の部分でモーリー・ロバートソンらの番組は楽しみにきいていたが、最近はどうにも若者狙いのレベルの低い番組が多くなってきたのが残念だ。
その点、さすがにスポンサーのないNHKはけっこうがんばっている。老舗、渋谷陽一のほか、いつからやっているのか、これはいまもっともききたいピーター・バラカン、はがきで当たればいいので多分10回くらい行っていて毎週録音してきいている『ライブビート』、それと夏や冬の民放にはまねのしようのない贅沢な特別番組と、考えてみればそれなりにきいているな。

ともかく、私だけではない。あふれるほどの音源を持つ音楽ファンの多くは、それでも時々ラジオに耳を傾ける。それは「きかされる」ということのほかのもう一つの魔法、すなわち「知らない」曲がきけるからにほかならない。

そして21世紀に入ると、ルネサンスどころか、市民革命級といえるラジオに出会うことになる。ADSL導入、インターネットつなぎっぱなしで心置きなくきけるようになったネットラジオ。なんといっても、J-WAVEだNHKだの話ではない。膨大な音源がいつでも鳴っているのである。
最初は Mediaplayer にあった「ラジオステーションガイド」から局を探し、今回の主役の一つである Accuradio
http://www.accuradio.com/
をはじめ、VH1、これは母体が変わったらしい Virgin Radio、BBCなど国営系もけっこう充実していた。
無料できけることに対してCD業界からの反対もあったようで、よくきいていたMSN、Yahooとも撤退している。しかし私としてもMSNで知った Cat Power をその後も何枚か買ったのをはじめネットラジオ購入のCDは少なくないから、Accuradio あたりが主張するセールスへの貢献も小さくはないだろう。

というわけで、確か2002年くらいからだから、もう5、6年はきいているネットラジオで、さらに昨年、二段階革命の「1.5」くらいが起こる。Accuradio Multichannel を知ったことだ。
Rock, Pop, Jazz, Classical...など10以上のチャンネルの下に多くのサブチャンネルを持つ Accuradio はそれだけでも十分魅力的だ。中でも、最新ナンバーが次々にかかる Listening Post、クラシックならロマン派以降に絞った Romantic Piriod、これはちょっとほかにないラテンジャズ専門の Latin Illusion などには舌を巻いてきた。
しかし、自宅仕事中はほとんど音楽を流している私は、ロックだけでなく時々はポップスも、ジャズもクラシックもソウルもききたいというファンには、たとえばベン・フォールズファイブの次にバド・パウエル、そしてワーグナーと続くようなそんなラジオがあればいいとよく思っていた。
そして、それをかんたんに実現したのが Multichannel
http://www.accuradio.com/build/
なのだ。いまもきいているが、さっきまでかっかっていたのはコルトレーンで今はガンズアンドローゼス。なお、私が選んでいるサブチャンネルは次の通りである。

Classical: Avant-Garde, Romantic Period
Jazz: Accujazz, Latin Illusion
Brit Rock
Celtic
Classic Rock Days
Classic Soul
70's Shuffle
1968-79
Listening Post
Modern Rock Classic
Latin Jazz
World Music

参考までに、昨日記録しておいた数時間の流れは、
Fleetwood Mac~Oisin McAuley(ケルトの人)~Marvin Gaye~Doobie Brothers~George Crumb(前衛だった)~Lionel Hampton(ブルースかジャズ1976)~Chopin~David Bowie~The Horace Silver Quintet(ジャズ1964)~Ari Hoenig(ジャズギター2008)~Brahms~Apocalyptica feat. Adam Gontier(西海岸かな2008)~Black 47 with Suzzy Roche(アイリッシュかな2004)

( )の中は私が知らなかったアーティストで、このくらいの割合でちょうどいい。「知らない音楽」がかかるのはラジオの魔法のすばらしさ。
このブログ記事も、Accuradio でかかったから、というパターンは多くなっているが、それもみんな魔法のおかげだろう。

今かかってるので、おっ、ピアソラかなと思ったら、Barenboim / Mederos / Console というミュージシャンの1996年の作品。こういうのはとくに、あまりよく知らない現代ジャズでよくあって、そのたびにラジオの魔法に酔いしれる。おっ、今、この4ビートも新しいかなと思ったらモンク1952年の作品でした。

と、本当は、こちらは年明け6日に出会った imeem についても書こうと思っていたのだが。ここまでで長くなりましたので、以下後編に続くにします。多分、今週週間日記の後になるでしょう。
お、今、Pearl Jam。イントロのギターでは、レッチリかな、フルシアンテにしちゃあちょっと硬いなあなんて思ってました。

(BGMはもちろんAccuradioのほか、 imeem のプレイリストもきいてました)

One of the listeners of Accuradio 01/12 13:35


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お午の池に氷がある頃 (01/05~11)+acv『人生設計』

2009-01-15 18:21:16 | 週間日記
1月8日9時45分。池の向こうにいるのは暫定名東の子さび


いつまでもひまでいられず。木曜になってしまった先週日記です。
アーカイブは『人生設計』(http://runjuku.yu-yake.com/simpleVC_20090112152520.html

●1月
5日(月)起きて働く~競馬、京都金杯で4万3千円しとめる、サンキュー、タマモサポート~新年最初のカレー製作
6日(火)晩は新年初塾~なんとなく尾島・一番でラーメン+餃子~imeemの発見。仕事そっちのけで取り組んでしまう(http://www.imeem.com/people/FwgvvZ_)
7日(水)七草はいつからか祖母を受け継いで父親が製作。前夜から気合を入れていた~午前から高1M君が数学宿題に~送ってったついでに足伸ばし、伊勢崎・てぶち屋で噂のうどんはパワフルだった~帰り深谷に回りササイでフォアローゼス、カティサーク購入~晩は塾
8日(木)打ち合わせで電車に~まず、新体制で再開と知り中野・へいぼんで野菜たっぷりラーメン~築地で打ち合わせ~編集Oさん、デザイナーM君と築地・ふぢのでタンメン~帰りは時間あり上野下車。肉の大山でビール、コロッケ、串2本の後、丸井に侵入し、無印、GAPのバーゲン偵察。無印はそうでもなかったが、GAPの値引率は激しく、7980円だかが980円というセーターを購入。しかも2割引で800円しない。そういえばGAPを買ったのは初めてだったような、若者に仲間入り気分。さらにこれが2900円かよというメリノウールセーターをほぼ買わんばかりになるが、何とか思いとどまろうと買わない理由を考え、「これ着てたら不必要におしゃれに見える」という絶好の文言を考案しなんとか逃れる
9日(金)うだうだしているうちに夕方入浴になり、ビールを飲んでいると同級生M君に誘われ雷文に
10日(土)Mixi70's倶楽部新年会で人形町へ。お土産として、ぽてとやと黒胡椒+葱味噌せん。この会は3度目で、いつものようにおそろしく専門的で勉強になって楽しい話の数々、ツボをつくライブをききながら時間を忘れる。何とか最終前の電車に~籠原止まりで駅員に起こされ無事下車し、これは初、一人代行に乗って帰る2200円は、ネットカフェ泊1000円とどっちがいいのか
11日(日)昼から撮影~あまりの気持ち悪さに薬店に行き、酒豪秘伝210円というのを購入服用~M君主催、都内からのお客さま深谷訪問ツアーで、滝沢酒造酒蔵見学~M君もやし工場見学~産直食の駅見学~総勢8名参加、ワインマーケットカゴハラでワインは6本だったかな、ほか、大飲み大騒ぎも、酒豪秘伝のおかげか快調

【カウンター09】
ラーメン3/4 他外食1/1 外飲み3/5 万馬券1/2 購入ウィスキー2/2

あっという間に正月も過ぎ、代わって来たのは冬将軍。赤城おろしびゅんびゅん寒い日々です。よく、冬に夏を思うのと夏に冬を思うのはどっちがいやか、という話をしますが、やっぱり暑いのやだ、寒い方がまだまし、などと考えているのは、寒くても風が吹くだけの北関東育ちだからでしょうか。でも、十代の頃スキーに行って夜に歩き回っても、なんかうちの方が寒いんじゃねえか、などと言い合った記憶もあります。
お午の池に氷がある頃があるのも、そうよくなくはありません。

(BGMは Accuradio Multichannel 今かかっているのは、リッカルド・シャイー、シューマン交響曲第2番)

気球、酒を産む 01/11


氷の季節は空が青く雲が白い 01/11


池の前からのおもちかえり 01/08
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ステナイザウルスの今後(12/29~01/04)+『学校ウェア』

2009-01-05 23:53:06 | 週間日記
「二日陽の 選び磨きし 柚の刃は」 01/02
 ※単焦点マニュアル200mm f4 1/60


はい、月曜夜更新がうれしい、年末年始の先週日記です。
今回はアーカイブも更新。当時流行っていたアディダスその他に学校ジャージをからめた『学校ウェア』(http://runjuku.yu-yake.com/simpleVC_20081229135600.html)です。

●2008年12月
29日(月)OG・Eさん主催の忘年会。会場は初めて行った串焼きのねぎ~C君推薦、名前忘れた旧い居酒屋は懐かしい雰囲気だった
30日(火)OB・M君主催の忘年会 feat. ボウリング大会。ひょっとしたら今世紀初かものボウリングは1ゲーム目、100点行かず5人中最下位も、軽いボールに替えた2ゲーム目は2位に健闘、次回はいつだ?~飲食は暖や。送迎ともM君夫妻、ありがとうございます
31日(水)朝から少し仕事~午後、年内最後のラーメンとして、やってるかどうかと思いつつ四華郷へ。「もうすぐ終わりなんです」といいながらも入れてくれ、味噌ラーメン+餃子~同級生M君宅で年越しは、赤ちゃん装備OB・M君一家も参加。紅白、ハッスル、ダウンタウン、ゆく年くる年、ジャニーズ、カウントダウンTVなどみながら飲み食い
●2009年1月
1日(木)連戦の胃の疲れを癒すためずっとだらだら;1月1日付参照~深夜になって入浴~2節前の録画で大一番アーセナル:リバプール。負傷退場セスクは大丈夫か、っていっても、もう次の試合やってるのだけど
2日(金)ここで09年最初のラーメンは太田・麺之介に決定。味噌ラーメン+セット餃子とライス900円~コジマでDVDバルククーヘン購入50枚1780円~帰って少し仕事~これも恒例、高校弓道部新年会はいつものあだちで。この会ではマイノリティである民間勤務の方々の声が景気を反映。おっと、こっちは最零細民間だった~同級生S君に送ってもらって帰宅
3日(土)前夜は車置いてきたが、寝過ぎて誰もいず、コミュニティバスも休みなので、餅、前年の新聞、駅伝などで怠ける~父親がどっかから帰ってきたので車まで送ってもらい、ベルクほかでこの年初めて飲食物を購入~帰宅後は締切があるので集計仕事~同級生M君から連絡あり雷文に。M君から旅行みやげの納豆と、店からもお年賀いただきありがとうございます
4日(日)前夜も帰ってすぐ寝てしまい、昼にちょっと開いた入浴~09年競馬スタート。最初に買った中山10Rでいきなり1万1千円的中ほか3千円台の人気サイドも当たり勝ち越しで2日目に~集計仕事始めるが、怠けぐせのからだがついていかず早々寝る

例年のようにしょうもない日々でした。そういえば、今日月曜も京都金杯で4万3千円しとめ、期間中の酒代が還元、ありがとうタマモサポート。
それで、何よりうれしいのは、07年に始めたはいいもののわけわかんなくなった【カウンター】が完遂できたこと。どうでもいいことですが、いい加減者ゆえ自ら誰に頼まれたのでもない長い業を完成させるというのはめったになく、すっかり♪ニコニコニコニコ、日光かーらやって来た、です。
ともあれ、ジャーン、数字の公開を。

【カウンター08最終結果】
ラーメン1/120.5 他外食44.5 外飲み2/59 アウェイ飲み1/35 さんま51 ライブ7 劇場映画18 自宅映画&長編ドラマ6 美術展4 読了書19 球場野球1 万馬券10

単なる数字、まさに積算カウンターです。ここで突然、「読了書」と「万馬券」が出てきましたけど、前者は別にリストが設けてあり、後者はネット購入なので検索して知りました。

ラーメンばっかり食べてるけど3日に1回もなかったんだなとか、週1回は外で飲んでたんだなとか、ライブでは多分21世紀になって初めて来日アーティストゼロ、劇場映画は昨年の半分、本も仕事の資料なんかを除くと読み終わった本は少ない、とはいえ買った本は3倍くらいはあるような、CDはちょっとわからなくなってますけど主力のアマゾンで調べたら08年新譜はスティーヴ・ウィンウッドとポール・ウェラーだけ、こうなると、ちょっと趣味は「はい、読書と音楽、映画鑑賞です」なんていってられないような気がしてきました、これじゃただラーメン食って酒飲んで、ねこと遊んでいるだけのごくつぶしではないか、でも、それでいいんです。

思えばあまりものを捨てることをしないまま、ここまで過ごしてきました。今度の塾引越しでも分別してる時間がなくなって、結局、後で捨てようと多くの箱を持ち込んでいるし、これじゃまったく、ステゴザウルスならぬステナイザウルス、困ったものです。
けれど、いつまでもそういうわけにいかないと、45歳にもなればみんなわかっている当たり前のことに今さらながら気づき始めました。時間だって同じです。

海外サッカーをもっともよくみた数年前のある時、ふと「いつか、あの頃はサッカーばっかりみてたな」と思う日が来るんだろうな、と思いました。今も海外サッカーは週に1ゲームくらいはみるけれど当時よりはみていない、だから選手やクラブの情報はわからないことも多くなっていますが、それでも当時よりサッカーを「よくみられる」、これは確実だと思います。
それは読書でも音楽でも映画でも同じこと。もっとも本を読んでいた頃より今の方が「よく読めている」はずだし音楽も映画も変わりません。それはこの上ない時間で、さらにいえば「はずれ」に出くわすことも減ってきました。
今、ふと思い出したのは高野悦子『二十歳の原点』。この本の話をする時にはいつも糸井重里の番組で大槻ケンジがいっていた一種の危険な切実さのことを話すのですが、それより今は著者が書いていた「一日一冊新書読むくらいじゃないといけない」(引用不正確)という若い前向きさです。なんとすばらしく凛としていることか。でも「決意」は、若い人向けかも知れません。

というわけでこの週間日記も、ヒントになった毎日新聞夕刊の『ウィークリー日誌』もなくなったしもういいかなと思いつつ、惰性もあってそのままに。
次はどこのラーメン食べようかと、酒飲んでねこひざに乗せて考えるのが一番のような気がします。

では、
【カウンター09】
ラーメン1 外飲み2 自宅サッカー完観1 万馬券1

+付録は後でベスト5をと思っているものの、実現するかどうかわからないのでここでまず貼付の08年読書一覧:

米原万理『オリガ・モリソヴナの反語法』(2002、文庫2005)
木村敏『時間と自己』(1982)
赤坂憲雄『東西/南北考』(2000)
別役実『当世・商売往来』(1988)
三浦雅士『私という現象』(1981、文庫1996)
アラン・ホブソン『夢の科学』(2003)
渡辺裕『聴衆の誕生』(1989)
村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』(2000)
斎藤環『「負けた」教の信者たち』(2005)
正高信男『子どもはことばをからだで覚える』(2001)紛失のため半分再読
森絵都『カラフル』(1998、文庫2007)
須原一秀『自死という生き方』(2008)
野矢茂樹『哲学の謎』(1996)
山口瞳『礼儀作法入門』(1975、文庫2000)
加藤周一編『私の昭和史』(1988)
澁澤龍彦『三島由紀夫おぼえがき』(1983、文庫1986)
有吉佐和子『華岡青洲の妻』(1967、文庫1970)
加藤典洋『言語表現法講義』(1996)
津島佑子『快楽の本棚』(2003)

(BGMは相変わらず Accuradio Multichannnel Mix。今日の<再>発見は V.S.O.P. の bird like。そういうセッションがあったことも20年ぶりくらいに思い出しました)

「新春、庭のクロスカウンター」 01/04
 ※名前は初公開「マエシン(正式名:前から見るとシンメトリー)」はしゅっしゅっとジャブを打つと必ず打ち返すファイターとして知られています。惜しむらくは、シャッター速度落とさなかったこと。


「前足おいし松の内」 01/04


=======

Mixiの方のリクエストで追加画像
「前から見るとシンメトリー」、後ろ脚の模様がちょっと違います 08/11/05
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ありふれて あふれてありて にせんきゅう

2009-01-01 19:31:23 | Weblog
がんたんげんかん 石油の松にも ひかりあり


ここ数年恒例、同級生M君宅で、あかんぼ含むOB・M君一家もまじえて年を越し、めったにない食べ物を食べ、めったにみないテレビをみて、めったやたらに話をして、朝まで寝て初日の中を帰って来た。新年の風はそれほど強くない。

車を停めるとねこども集合。ようよう、とキャネットをやってねこどもかりかり、ここまで毎年まったく変わらない。

分厚い新聞もって家に入ると、父親がいたのでぼそぼそいって、それからお湯を沸かして紅茶、日本茶と、がぶがぶ飲む。ティーが呼ぶのでひざに乗せてそのうち出てって、しばらくして寝ることにした。

起きて前夜の録画確認でテレビをつけると、ニューイヤー駅伝がちょうどゴール前70m。天皇賞・秋みたいなデッドヒートで感動のフィナーレ、おお、なんてこいつらめったにないドラマチックなんだ。

それでもこっちは怠けたい。うだうだしてたらまたティーが来て、ひざの毛布でごろごろごろ。いやあ、まったくありふれてるじゃないか。

でも、じょうとう。
ありふれなくなんかなりたくない、ありふれていたい、その代わりにあふれてはいたい、お金なんかいいから気持ちやなんかは、そうやってあればいい、けっして一流じゃなくたっていいけど感謝はしなきゃな、とティーをなでれば口開いてニャア。
そんなわけで、

ありふれて あふれてありて にせんきゅう

今年もよろしくお願いします。

その他元旦のショット:

ねこのテレビも12chはこれだったか


トマトも年越し


寝正月にはねこが立ち
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