小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

熊谷・すず鬼 スタ満ラーメン

2024-06-28 06:37:59 | 食語り

小林真食レポリターンズ。おもしろい食文化発信再開です。

昨日、シアターエフの事業報告を北部地域センターに持っていたので、そうだと思い寄りました。
もやし屋らに語っているように、ここ数年の県北フードイノベーションベストワン。今世紀人気の胃にヘビーラーメンに県北のごわごわ麺、それとこれも21世紀ニューカマー肉汁うどんのエッセンスを加えた絶妙なバランス感です。従来たしか二度の訪問で、これだけ迫るパーツだらけなのになぜかすっきりしている食後感にまいっていました。全国区の潮流に県北エリア感のアドベンチャーなミクスチャーということでは、いまはなき名店「福は内」と様子は違いますが共通です。

FMクマガヤがかかっていることも、役員としてうれしい限り。やってた番組で石原に新社屋という葬祭業者のベンチャースピリットに触れ、こういうのがコミュニティFMと感じ入りました。
「お水を持ってお好きな席に」「紙エプロン使ってください」といういつもながらのパーフェクトな接客に今回はトッピング「全部お願いします」とこたえてしまいました。鬼ルッキングな丼姿もチャーミングです。
いやあこの麺、両サイドのにんにく、しょうがをセンターの背脂になだれ込ませる。辛いので水もどんどん飲みます。あっという間の一杯。満足です。

帰り途、そうだと思って来週の企画のため母校熊谷高校図書館へ。18の時以来だから42年ぶりの記念館です。帰ってから家人に、「何食べたん、そんなくさいのでひとにあっちゃだめだよ。今度あったらあやまりな」。はい、次回はしょうがだけにします。

#県北ラーメン #すず鬼 #福は内 #スタ満

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ALL ALONG THE WATCHTOWER

2014-02-20 07:15:20 | 食語り


#barakanmorning 今日は浦和に出張なので出かけるまでに送らなきゃならない原稿があるのだが、帰って疲れて寝て、起きて浅田選手をみて再開して、最近は自由度の高いテキストばっかり書いてたこともあってなかなか進まない。で、腹へったので、この前買った市内櫛引産有機栽培という農林61号乾麺を、うちの畑産ねぎ、深谷もやしをごま油、塩で炒めたのをからめて食。国籍不明の食べものだけど、〈わかるもの〉だけで構成されたいとしい食で、ついでに器はもっとも信頼するときがわ長谷川聡の灰釉薬皿。落ち着いたら、今日はディランカバーが続きで、ジミヘンの ALL ALONG THE WATCHTOWER からマンフレッド・マンの IF YOU GOTTA GO GO NOW。さあ、昨日買った豆のコーヒーいれて、完成させよう。次はニック・ロウだ
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『「深谷ねぎ」の現象学』委託販売と通信販売

2014-02-08 13:10:44 | 食語り

 NINOKURAでの販売

 風土飲食研究会発行のブックレット『「深谷ねぎ」の現象学』を委託と通信で販売します。

1部300円(A5版オールカラー48ページ)

1)通信販売
 メールか電話でご注文ください。送料は6冊まで100円です。
 メール foodinshock@gmail.com
 電話 090-9108-5785 (小林携帯)
 代金は以下の小林個人の口座にお振り込みください。
 セブン銀行 ハイビスカス支店 普通 0087986 コバヤシマコト

2)委託販売
 近辺の関係各店には著者小林がお願いにあがりますが、扱ってくださるという方いらっしゃいましたら上記にご連絡ください。
 返品はいつでも可能。ホームページの「取扱店」に掲載していただける方でしたら、お店でも個人でもどなたでもお願いしたいと思います。

3)著者による手売り
 お近くの方はご連絡いただければ、小林が直接お持ちします。

【取扱店】(順次更新2014年2月8日現在、五十音順)
●深谷市
「円の庭」(古書店で同系の「てててて編集部」が新戒ねぎを通販。深谷町9-12)
うどん茶屋「三男坊」(泥ねぎ丸焼きが「カルソッツ」につながり、鬼義作カルソッツ皿を常備。宿根166−3)
「とうふ工房 七ツ梅店」(埼玉県産在来大豆使用の豆腐製品のほか風土飲食研究会の多くの商品を販売。深谷町9-12)
「とんとん市場 深谷店」(経営母体「小池勝次郎商店」のホームページから品種について多くのヒントを得る。深谷のもやし屋飯塚商店の委託品として販売。上野台2450-5)
深谷イタリアーノ「パンチャ・ピエーナ」(ねぎまつり実行委員長でねぎ黒板を設置。宿根78-1)
「深谷シネマ」(竹石館長の岡部の土の呼び方「黄色い大地」が引用。深谷町9-12)
「マルツ食品」(深谷ねぎの一本漬けなどねぎ製品を多数製造販売。岡部1974−5)

●熊谷市
「匠味 五家寶屋重右ヱ門」(妻沼低地の深谷ねぎと並ぶ重要産物在来大豆「妻沼茶豆」を使用。上根64-7)

●本庄市
NINOKURA(著者が広報を担当。千代田4-2-4)

『「深谷ねぎ」の現象学』刊行は食に関するあらゆる「食語り」で「食社会」をよりよい方向に変えていこうとする事業「食イレブン」のひとつ。「深谷ねぎ」に関するより深い知識、これまでにないかたちで食を語りろることを広める活動です。

 この冊子は農水省の補助金を使って制作。印刷代金と著者小林とイラスト宮島健太郎の制作代金にあて、売上は委託手数料をのぞいて風土飲食研究会の活動資金にあてます。

 書籍の販売スタイルを変えていくことも「食社会」変革。いろんな方法で売れればおもしろいと思っています。
「風土foodbooks」次作は『赤城「地粉」のトートロジー』。より効果的な「食語り」にすべく計画進行中です。

●委託販売規定
1)10部からお願いします。
2)販売価格は300円。取扱店の利益は70円で、「売上部数×230円」で精算します。精算は3の倍数月末(3・6・9・12月)にうかがいます。
3)追加必要あればご連絡ください。お届けします。
4)返本はいつでもできます。
5)POPは用意してあります。小林が直接出力したものをお渡しするか、ダウンロードしてプリントしてください

fukapedia
「深谷ねぎ」の現象学
風土飲食研究会

サンプル画像
 

とんとん市場での販売

POP(プリントもお持ちします)

 

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カルソッツブレンド

2014-01-27 10:22:14 | 食語り


昨日のまつりの残りの朝の「日常」。好評だったというが、設備面の理由で残った「カルソッツブレンド」をいれた。こりゃうまい。コスタリカT氏にスペインのコーヒー事情をききながら、かわいた冬のイメージで決めた配合を伝えると、「近い配合を先代が『オリエンタルブレンド』という名で出してました」。期間限定でNINOKURAでも
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「日曜日が待ち遠しい!」―「深谷ねぎまつり」で『「深谷ねぎ」の現象学』発売へ

2014-01-22 16:07:29 | 食語り

 ここしばらくの奮闘の末、今朝早く印刷業者から「データチェック完了」のメールが届き、無事26日、日曜、瀧宮神社で行われる「深谷ねぎまつり」で、3年前にまとめた『「深谷ねぎ」の現象学』最新冊子版が発売されることになりました。風土飲食研究会「食のモデル地域構築計画」、「食語り―Fイレブン」のひとつです。

 オールカラー48ページ、定価300円、ねぎまつり記念価格250円、学習ブースで販売。
 蘭塾OB宮島健太郎による「現象学百年地図」、ほとんど撮りおろし30を超える画像、年表、自身による解説、付録の「風土新聞」を収録。前の版よりずっとみやすくなりました。

 最初の版を書いた直後、表紙の画像に写っている道、もやし屋飯塚くんの車の中で大震災が起こり、3年の間にはいろんな出来事がありました。最初の版では「ゆめ☆たまご 深谷ねぎ研究部門 知楽交通舎・蘭塾」としたクレジットも、現在の活動の場から「風土飲食研究会」(蘭塾・NINOKURA)となってます。今日22日に発表できたのがうれしい。

「深谷ねぎまつり」は実行委員会がいろんなお楽しみを用意していますが、そのひとつとしてこの不思議な試みもよろしくお願いします。
 なんとも「日曜日が待ち遠しい!」。

 この1万9000文字の長文については Fukapedia

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『「深谷ねぎ」の現象学』著者自身による解説 (Fukapedia 転載)

2014-01-17 23:50:34 | 食語り



Fukapedia への投稿

編集フリーなので、自身のブログにも転載しておきます。

=== 

「深谷ねぎ」を描いた小林真による現在約1万9000文字の文章。

論文、レポートともいわれるが、著者は「『深谷ねぎ』百年の叙事詩」といっている。2011年2月の初稿発表以来何度も改稿を重ね、「深谷ねぎ」という現象のある限り完成することはない。Web、紙メディアでの発表のほか、朗読と画像による「映像版」も制作された。

誰にもわかる「用語集」から、一個人から広がる「文学」へ

きっかけは市の産学官連携プロジェクト「ゆめ☆たまご」が出展した2011年2月3日、さいたまスーパーアリーナでの埼玉県農工商連携フェア。深谷ねぎを品種で食べ分ける「利きねぎ」を行う際、資料として「深谷ねぎ用語集」(タイトル候補に「現代深谷ねぎ用語の基礎知識」「深谷ネギダス」など)作成が利きねぎの発案者飯塚商店飯塚雅俊らから提案され、適任と思われた著者に依頼された。

しかし作業に取りかかった著者は、おびただしい量の情報を提示するのには辞書形式の「用語集」より、「文学」のスタイルの方がおもしろいと判断。客観的な事実だけでなく、1960年代深谷北部生まれの一個人の体験、見聞、多くのメディアからの引用、そこからの推察を通して、「深谷ねぎ」が百年の間に巻き起こした「現象」を「深谷ねぎの風土」「深谷ねぎの品種」「深谷ねぎの流通と語られ方」「深谷ねぎの『現在』、そして『味』」という4章で描く長大な作品を完成させてしまった。

執筆の過程はGoogleドキュメント上で公開。スーパーアリーナでは細かい字でのA4出力版が、その後、20日に「緑の王国 梅まつり」で行われた「深谷カルソッツ」では、有志のデザイナーGがデザインしたA3両面版が配布された。

なぜ「現象学」なのか

序章で断っているように、専門家でもない著者が書けるのは「深谷ねぎ」でなく「深谷ねぎ」という現象だけだ、ということはあるがそれだけではない。

後に関係者の間で「デニーズ現象学会議」といわれる2010年10月、市内デニーズで著者と当時のゆめ☆たまご担当職員Fとの話し合いがある。2人で行われたこの会議では、物事に動じない著者が原作を手がけた「産業学習まんがゆめ☆たまご」の完成に自信をなくした際、Fが「どんな作品になろうが、それはいわば『まんが』の現象学です。色がぬれなかったら、ぬり絵でもいい。とにかくかたちにしましょう」と勇気づけたという。

まんがはその後、一般市民にボランティアを公募する、前代未聞の「市民まんが」というかたちで完成。著者はこの会議でのF氏が発した「現象学」をゆめ☆たまご初の文学作品のタイトルに取り入れた。

過去の文学作品からのスタイル引用

無謀にも中上健次のような土地の文学を自分なりのかたちで構想していたという著者は、ジェイムス・ジョイスが『ユリシーズ』で試みた過去の文体のパスティーシュを取り入れる実験を、本作でスタイルのかたちで試みたという。以下、その実験を記す。


1) 改行なし=ガルシア・マルケス『族長の秋』。マジックリアリズム的に品種を描きたいという企てもあったらしい

2)ミニ同窓会=ドストエフスキー『白痴』でのイポリートの語り。一見、本筋とはまったく関係ないこうした部分にこそ「文学」を豊かにする力がある、と著者は語っている

3) 品種や商品の羅列=フローベール『ブヴァールとペキュシェ』の「紋切型辞典」や、カエターノ・ヴェローゾ『ザ・ストレンジャー』(歌詞)

なかなか完成されない「映像版」

2013年1月27日の第1回「深谷ねぎまつり」を前にで、実行委員長であるパンチャ・ピエーナ経営者栗原統が朗読と画像の「映像版」制作を提案した。著者がいつものように安易に引き受けると、当時の現役第20代フラワークイーン(めぐ・えり・レイチェル)が朗読を快諾。著者は1章1名(グループ)とするため自身の主宰する本庄を本拠とする劇団NINOKURAの俳優今井雄一と木部裕貴、知己である当時高校演劇部に所属の佐藤礼奈にも朗読を依頼し、ねぎまつり前日までに録音データを手にした。

しかし、当日朝までに編集が間に合わず。瀧宮神社に持ち込まれたプラズマモニターに何も映らないまま、すがすがしい、または朗々とした朗読音声だけが公開された。

その後、3月3日、緑の王国「深谷梅まつり」で行われた「深谷カルソッツ」には間に合うかと思われたが、著者の油断のためか、またも間に合わず。2年越しとなった2014年1月26日第2回「深谷ねぎまつり」での完成、公開が待たれる。

「食語り Fイレブン」として冊子版制作へ

第2回「深谷ねぎまつり」では、もう一つのメディア誕生の可能性がある。

ゆめ☆たまごから派生した風土飲食研究会が、平成25年度「『食語り』によって『食社会』を変える」事業が農水省「食のモデル地域育成事業」に認定。事業「Fイレブン」の「モデル語り」のひとつとして、冊子版が作成、販売されることになった。他事業との連携模索は同事業の目的のひとつ。Fukapedia へのこの投稿は、冊子版に「あとがき―著者自身による解説」として収録される予定だ。産業まんがの作画担当で著者経営の学習塾OB宮島健太郎による描きおろし地図も制作中。無事な完成が待たれる。

有志Gデザインによる2011年「梅まつり」直前版

最新版の縦書き文庫

未完成のまま公開の映像版

 

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構想「日本で最も美味しいまち」と「食問い [toi] イレブン」

2013-12-26 04:48:18 | 食語り

 

ボクシングデイの未明、最近の思いつきを書き留めておこう。
きっかけは毎日朝刊10月13日、日曜連載「時代の風」西水美恵子で知った「日本で最も美しい村」連合だった。

記事(登録必要):地域活性化と持続的成長 「伊豆・レポート」の関連記事

連合ホームページ「日本で最も美しい村とは」

「多様な美しさ」「自立を目指す」「世界につながる」、そして「理念共有型の当事者連携組織」。
これらのキーワードは、われらが構想する、風土飲食研究会の思想が深谷から赤城おろし文化圏、そして全国他地域に広がったかたちに近い。ならば、「フランスの最も美しい村」運動に範をとる「日本で最も美しい村」、これにまた範をとる「日本で最も美味しいまち」を考えること。フランスに始まった景観に対する運動が、日本に来て食に置換されて広がっていくとしたら、こういった地域思想のフォーマットにとって理想的な広がりといえるのではないだろうか。
実際、風土飲食研究会の周辺には、似た話も起ち上がっている。

この動きをうまく進めるには、われら風土飲食研究会の食のモデル地域構築事業「Fイレブン」の「1)トータルイメージ広報」が機能するだろう。

フカペディア:風土飲食研究会

「1)トータルイメージ広報」は「Fイレブン」の中でもっとも思想をストレートに表現し、メッセージ性の強いものとして企画。打合せの中から、日頃会員が「食社会」の現状で切実に感じている問題を問うメッセージ広告を、観光地によくある「顔ハメ看板」のスタイルでわれらの考えに共感する他地域、業者にも〈輸出〉するシリーズが立案された。

タイトルは「食問い [toi] イレブン」。
グローバル化された食、適正価格、行き過ぎた品質管理、食品ロスなど、日本の「食社会」に偏在する11の問題をコピー、イラスト、写真、データを使って問うシリーズ広告だ。風土飲食研究会の出身「ゆめ☆たまご」がかつて企画した『2011年の「RE 青淵」』の延長線上にある。

『2011年の「RE 青淵」』

なお、ローマ字の [toi] はフランス語で「あなた(二人称強勢形)」。自身の問題として考えてほしいという食関連業者の思いをこめたい。

考えは広がるがちょっと疲れた。もう、寝よう。

(BGMは「TKO Boxing Day」の入ったエルヴィス・コステロ『パンチ・ザ・クロック』。飲みものはメルシャン甲州新酒が飲み終わって金大星に。画像は仮ロゴ「太った食とやせ細った問い」)

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日本の新酒2013 甲州

2013-12-26 02:48:19 | 食語り

疲れて帰って飲んで食って、ちょっと寝て目ざめた。年末になったが、最近はあまりそこらの店で売ってなくなった国産新酒。バブルの頃から新酒ではいちばん好きな甲州が、ベイシアにメルシャンがあったので買って飲んだ。ああ、こういう味だったと思いつつマンズのがなつかしい。なお、家人には不評。ちょっと明日の準備をしてまた寝よう[
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#食語り 「秋なす秋山うどん―遊歩インスパイヤ系」

2013-10-22 18:52:42 | 食語り



十月も下旬に入ってはっきりしない天気の火曜、中途半端な時間ながら、雪平鍋を火にかけて雨上がり暮れかけた畑でねこを追いかけながらナスをひとつもぐ。お湯がわいたら西島・秋山製粉の農林61号らしき香り濃厚なうどんを投入。ナスを細く切ってごま油と塩でざざざと炒め、ともに柔らかくなったところでナスは自然にさまし、ざるに取ったうどんは水でしめて鉢へ。麺は仏壇にかざした後、ナスをのせて、その上にちょこっと鰹節、さらには焼のりの切れ端をばさばさちぎり、最後に少量のヒガシマル白だしをうすめてかける。これで近所ものを中心とし、年俸安い遠来ものもバランスよく配置させた一杯のできあがり。
それほどコシは重視しない、このあたりの価値観に基づいた微妙なたおやかさを持った麺は、かき混ぜるたびにごま油と塩味になじんでいく。ナスはうどんより心持ち厚いくらいがちょうどいい。麺類を食べる時特有の少しずつテンポアップするタイム感を楽しみ、惜しみながら最後のひとつまみを喉に送り込んだ時、鉢の底にほんとんどつゆが残っていないのが理想だ。

日本人に麺類が今後も同じように消費され続けるとすれば、これまでと同様、食べ方はさまざまなモードを行ったり来たりするだろう。そんな中、深谷・国済寺のそば遊歩が2011年の東日本大震災直後に発明した「黒豆モヤシそば」に始まる〈食文法〉が多くの試作を呼び、その中からたくさんの人々に愛される、または一部だけのスタンダードが生まれたら、それは現在のあるラーメンに倣って「遊歩インスパイヤ系」と呼ばれるかも知れない。
発明者でない、単なる食者である私が勝手に抽出したその〈食文法〉は、「気に入った食材をかんたんな調味料で手早く炒め、好きな麺とからめて食べる」。そしてその食材がその麺が、どうやって食者のもとにやってきたのか、そしてその価値はどうなっているのか、そう考えることで少しずつ「食社会」は変わっていく。そう信じることこそが「食語り」なのだ。

というわけで、また中途半端な時間には秋なす秋山うどんを食べよう。

「食語り」は風土飲食研究会の「食のモデル地域育成事業

そば遊歩ブログより「明日から黒豆モヤシそばと天ぷら提供開始

 

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