小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

「有馬の武豊」に一生分の“Choral(合唱)”を

2006-12-24 12:35:35 | スポーツ
24日は競馬ファンにはクリスマスより3時25分です。

久しぶりに、“武豊の有馬記念”が近づいている。
収入の中で競馬関係(もちろん馬券はマイナスです)が少なからぬ割合を占める私にとってこの一年は、仕事の上ではさまざまのいい記憶があり、馬券の上ではそれ以上にまいった覚えがあるものの、馬たちがコースで見せてくれたパフォーマンスはいつもと変わりなく。一競馬ファンとしてはそれが何より嬉しい。
そしてディープインパクト。これまでにも何度かディープのことについては書いた(http://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/e/75f53b48b2ef1a27d346727e1e9110e8 http://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/e/edb12795f98628ec28bae6d4e81c7db4)。G1での歴代最高馬連配当の2位と3位を的中させた(100円だけ)穴党だけに馬券に関してはともかく、この馬が一生のうちに出会うサラブレッドの中で特別な存在になるであろうことは確かだ。
私のような一ファンにとってもそうなのだから、史上稀な天才騎手にとってその思いはどんなか。栄光の3歳時から唯一国内で敗れた昨年のこのを経てさらに充実した春を過ごし、無念を噛み締めたブローニュの森。帰ってきた府中で見せたガッツポーズは、ダンスインザダークの菊花賞よりスペシャルウィークの天皇賞より気持ちが入っていた。
思えば武豊の有馬での成績は意外なほどよくない。
勝ったのは「奇跡のラストラン」90年のオグリキャップだけ。スペシャルウィークは有馬史上有数のデッドヒートでグラスワンダーにハナ差屈したし、あのメジロマックイーンも、出ていたら勝っていただろうダンスインザダークやサイレンススズカは出走すらかなわなかった。そしてディープインパクトも、もっともあぶない勝利だった皐月賞、唯一の敗戦である有馬と中山は鬼門だ。
この史上最高の名馬がそのパートナーとともにもっとも苦手としている中山のグランプリを選んだのは、この12月の冷たい空気に試練を好む日本人の気質と関係あるのかも知れない。赤穂浪士も真冬の駅伝も受験勉強も、そして失意でこのレースを迎えた16年前のアイドルホースも。日本人がこの時期に聞くのを好む楽聖の9番のように名馬と天才は今、最終楽章で形式主義の当時では前代未聞だった合唱が歌われようとしている場所にいる。
きっと武豊かは思っているはずだ、この馬のような馬にはもう二度と出会えないのだと。だから私たちも、そういった決意をもってこのレースに臨まなければならない。ディープインパクトのような馬にもう出会えないなら、これからも有馬で人気馬に乗り続けるこの天才騎手を買うことはあまりないだろうから、今日こそ一生分の声援を送りたい。彼らが見せてくれるのはこれまでで一番の追い込みかも知れないし、あっと驚くマクリ、いや初めて見せる先行策すら考えられなくもない。いずれにしても天才がいうように、それが最高のディープインパクトなのだ。
そういえば「奇跡のラストラン」の日曜も、こんな風に静かで陽当たりのいい日曜だった。ただし今日私たちが目撃するだろう光景は決して「奇跡」とは呼ばれず、その存在だけが「奇跡」と語られるに違いない。
乗るのが史上最強馬だから、これからは買わないだろう「有馬の武豊」に一生分の“Choral(合唱)”を。聴こえるのはきっと、「歓喜の歌」だろう。

◎ディープインパクト
○ダイワメジャー
▲スイープトウショウ
△スウィフトカレント
 アドマイヤフジ
 デルタブルース
 アドマイヤメイン
 ポップロック
 穴党ゆえ、○▲から2着ディープも少し

(BGMはPC内の、フアナ・モリーナ、ケイト・ブッシュ、ニール・ヤング)

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