墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

平成マシンガンズを読んで 265

2007-02-21 21:05:15 | 

 駅に着いたら、死神が切符を黙って購入して私に渡した。

 国分寺乗り換え。JR で都内へ!

「なんだよ、西武線で『新宿』まで行った方が安いのに」

「西武新宿線は乗り換えが面倒だ」

 私は死神に疑問をぶつける。

「なんで、ウチらがテレビに出るの?
 しかもお笑いで!
 意味分かんないよ!」

「テレビに出たらスカウトされるかもしれないぞ!」

「何のスカウトよ?」

「アイドルだ。あの相方が可愛いって評判になって、事務所からスカウトされるかもしれない!」

「ア、アイドル!
 アイドルはけっこう憧れてる職業の1つなんだ!」

「おい、本気でキャラ変わってないか?」

「いや。言いたい事を自由に言えると、本当はこういうキャラなのです」

 何でも好きな事を言える相手がいる幸せ。


平マ264 番外『復讐』

2007-02-21 20:38:03 | 

 ツツツッ。て、湧き水を貯えちゃった竹があたまを下げる。

 ガコンッ!

 静寂の中、鹿おどしの音が室内に響き渡る。

 時は、西暦2007年の2月で21日。
 すなわち『今日』。
 場所は東京都立川市にあるマンションの一室。
 すなわち protozoa 邸。

 ガチャン!

 頭に包帯を巻いた protozoa が、CDラジカセの停止ボタンを押した。
 そのとたん、小川のせせらぎの音や鹿おどしの音は消え、辺りは本当の静寂に包まれる。
 聞こえるは Power Mac のファン音だけ。

「口惜しや。口惜しいぞ。死神!」

 なんと言う事であろうか。
 死神にバットで頭を殴打されて、殴り殺されたはずの protozoa は生存していたのだ。
 なんという生命力、なんという諦めの悪さであろう!
 素直に死ねばいいのに。

「マダムよ、マダムはおるか?」

 protozoa が呼ぶと、即座に闇から湧き出るようにして豊満な肉体を持つ女が現れた。女は、たわわにプルルンとプリンのような怪しい色香を放っている。

「はーい。マダムでーす!」

 このマダムという女は、protozoa の半身である。
 女という性を与えらえた protozoa 自身の分身。
 これも protozoa の妄想が産んだ、怪しき技の結果である。
 マダムの性格は protozoa の生き写し。そのせいで根性は曲がっている。だが、見た目だけはもの凄い美女である。なぜなら、それが protozoa の趣味だからだ。
 protozoa の恐ろしい妄執が産んだ、毒舌の絶世の美女。それがこの女『マダム』である。

「儂は常に前向きに生きねばならんと思っている」

「はぁ?」

「世間的に見れば後ろ向きに見えても、気持ちだけはいつでもポジティブ・シンキングなのだ。そう生きろと『ミンキー・モモ』が教えてくれた」

「はぁー?」

「行けマダム!」

「ごめんなさい。どこへ?」

「死神のもとへ!」

「ナニしにですかぁ?」

「殺せ!」

「えー。統合すると『死神を殺してこい!』というオーダーでよろしいんでしょうか?」

 残忍な笑みを浮かべ protozoa は、満足げに頷いた。

「では、さっそく!」

 女は共のこうさぎ『おいし』と一緒に闇に消える。

「ククク、死神め。
 儂の分身の1人でありながら裏切りおって。
 だが、儂にバット向けたことを地獄で後悔させてやる!
 そして、死神なき後は、みのりタンは儂のもの!
  ハァハァ!!
 みのりたーん!」

 作者である protozoa の、死神への暗殺指令。

 もはや、作者と死神は別人格である!
 物語は、木村みのりの争奪戦という新たな局面を迎えながらも、適当に進む。