自分の文章にはなんのこだわりもないが、キーボードにはこだわりがある。
タイピングが好きなのだ。打った内容なんかに興味はない。
俺のタイピングは『2ゆびタイピング』。
左手の薬指と右手の薬指がメインで、たまに思い出したように人差し指や親指も使うが基本は2本だ。2本でいかせてみせる!
タイピングのここちよさに酔うのが俺のスタイルなので、いつもたいていほとんどは、酒を飲みながらタイピングしている。
酒に酔いながらタイピングに酔う。これぞダブル・インパクト。酔いよいのコイコイだ。
でもまぁ、ただ飲んでるだけだと体に悪いので、ツマミも食う。
ようするに俺は、キーボードにダラダラんと酒汁や唾液を垂れ流しながら、ツマミのカスをボロボロと落としつつ、タイピングしているのだ。キーボードはすでにベタベタである。
俺はキーボードにはこだわりがある。
こだわりと言っても、打ち心地とかタッチ時のキーの沈み具合とか、そんな細かい事までは問題にしない。
だが、最低条件としてキーボードには1回打ったら1文字のみをモニタに表記する事を望む。
ところが、ベタベタのキーボードでは、そんな最低条件すらクリア出来ないのだ。まず、キーに触れるとベタベタするし、なんか食いカスみたいなモンもキーとキーの間に挟まって、キーの戻りが悪い。
つい最近まで使っていたキーボードは最悪だった。
その理由は、このあいだビールのツマミに煮魚を食べていて、その汁をキーボードの上にボタボタたらしたからだ。煮魚の汁は最悪にベタベタである。キーの打ち込みに支障をきたすほどベタベタだ。
おかげでとにかく、打ち込んだらキーがくっついて戻らない。
ツメでキーを浮き上げてやんないと『ッッッッッッッッッッッッッZ』とかいつまでも表記し続ける。
ぅぅ。つきあいきれない。
キーボードの上で、飲み食いしながらタイピングする人間にとってキーボードは消耗品である!
そう諦めて、心地よいタイピングの為に立川のビックカメラで新品のキーボードを購入する事にした。
ちなみに俺は Macintosh ユーザなわけだが、Mac は付属品とソフトに選択肢が少ない。
キーボードなどの付属品も他社製の製品もあるにはある。 Windows 製の付属品も使えるが、キー配列が違うので使いにくい。
マウスだったら純正より他社製品のほうが良いが、キーボードの場合は何も考えずに純正品を買うのがおすすめである。どうせ消耗品だし。
ビックカメラに行くと、純正の日本語キーボードにまじって、純正英字版のキーボードが売られていた。
俺はホワンとなった。
ローマ字だけのキーボードは俺の憧れだったのだ。
だって、なんだか通っぽいじゃん。なによりかっこいい。
日本語版のキーボードのひらがなってなんだか余分なのだ。うざい。だいたい俺はローマ字入力だから、ひらがなは必要ない。
かっこいい。
すべてローマ字。
ものすごく無駄がなくて、出来る男のアイテムという表情をしている。
迷わずに、英字版キーボードを購入。
さっそく、家に帰りタイピングしてみた。
うん。
ベタベタしてないし、手垢で汚れてないから気持ちよい。
だが。
使ってみると。
英数字入力とかな入力を、し分けるキーがないので日本語入力にはとてつもなく不便。
キー配列も微妙に日本語配列と違っていて使いにくい。
うーん。
結局。次の日ビックカメラで日本語配列のキーボードを買いなおした。
やはり日本人には日本人のキーボード。
慣れてるのがいい。
キーボードのこぐちで叩かれたら痛そうだ。