おはようございます
今日は造作買取請求権の話
聞き慣れない言葉かもしれませんが、借地借家法第33条は、借家人に、畳、建具などの造作の買い取りを請求できる権利を認めています。
建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができます。
民法上は、借家契約が終了したときには借家人は自分が取り付けた造作を収去しなければならないとされています(民法第618条、598条)。
例えば、簡単に言うと民法のルールによると、アパートを借りている人が自費でエアコンを設置した場合には、引っ越しする際にはこれを片づけなければならなくなります。
しかし、借地借家法は、善良な借家人を保護するため、民法の特別法(例外)として、アパートを借りた人に設置したエアコンの買取請求権を認めているわけです。
造作買取請求権の要件としては以下が挙げられます。
1.造作
まず、問題となるのは、借地借家法にいう造作の意味・範囲です。
造作とは、「貸主の同意を得て(賃借人が)建物に付加した畳、建具その他の造作」のことをいいますが、講学的には建物に付加され、建物の使用に客観的便益を与えるものと解されています。
つまり、家具は建物に付加されているわけではありませんので、造作には含まれません。
具体的には、畳、建具(障子、ふすま、雨戸)のほか、作りつけの戸棚、エアコンなどの電気設備、ガス設備、水道設備、物干し台などです。
2.家主の同意があること
造作は家主の同意を得て造作を取り付けたことが必要です。
つまり勝手につけちゃった場合はダメです!
3.賃貸借契約が期間の満了、または解約の申し入れによって終了したこと
借家人に家賃の不払いその他の契約違反があるために、賃貸借契約が解除された場合には、造作買取請求権は認められません。
造作買取請求権はあくまで「善良な借家人の保護」を目的としているからです。
4.賃貸借契約書に造作買取請求権排除の特約がないこと
造作買取請求権に関する規定は任意規定(当事者間の契約の方が優先される)です。
したがって、特約で排除(家主が造作を買い取らなくてもよい)されている場合には、造作買取請求権を行使することはできません。
賃貸借契約書などでは、「造作買取請求権は行使しない」という特約が入っていることもあります。
造作買取請求権の効果ですが、家主に対して、造作を時価で買い取ってくれるように請求できます。
あくまで時価なので、その造作の耐用年数に応じて価格は変わります
それでは今日も一日頑張りましょう
福島市 伊達市 不動産 伊達丸コーポレーション kei