皮膚呼吸しか知らない蛙

アスペルガー症候群当事者が、2次障害に溺れることもありながら社会に適応していく道のりを綴っていきます。

ウェクスラー成人知能検査 -動作性下位検査特徴 行列推理-

2008-11-18 22:30:41 | ウェクスラー知能検査

一部分が空欄になっている図版を見て、その下の選択肢から空欄に当てはまるものを選ぶ。(非言語的抽象課題解決力、帰納的推理、空間推理)


このテストはWAIS-Ⅲになって追加されましたので
“The Measurement and Appraisal of Adult Intelligence : written by David Wechsler 1972”
では解説がなされていません。
ですので独自の見解のみで記載してみます。

個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則を見出そうとする推論方法のことを帰納法(Induction)と呼びます。

帰納について<ウィキペディア 帰納 参照>

毎朝目覚めた時に見る朝日が東の空にあるという事実を繰り返し見た場合、次の日の朝も、その次の日も“朝日は東の空にある”と類推する。
社会的一般化に集束すると思うのですが、例えば次の日“昼に目覚めた”とした場合、“目覚めた時に見る太陽は東の空にある”という推理は覆ります。
朝と昼という時間が異なる』から当たり前のことである、と考察できるのは、前提条件として時間的概念を持っていることが必要となり、それを持たない人間からすれば、同一条件下で異なる現象が起こりうる可能性を包含するという考えに至ってもおかしくはないものと思います。
このあたりが社会的一般化・常識を問う設問となっているのではないでしょうか。

人間は思考の簡略化をたえず行い、物事を判断するにおいて最小限の知能の使用で済むように経験的推測(長期記憶形ワーキングメモリー)を駆使して生きているように思います。
ある図形が規則的に連続していると、その続きは同じように連続しているであろうと“勝手に推理する”。この勝手にというところがかなりミソではないかと思います。
不確実な空間を勝手に推理する能力。
言葉では言い表すことは難しいが、そうである。と類推する要素を抽出する能力。

ある意味“空気を読む”という言葉に近いのかも知れません。

ワタシの場合、テストに入る前に「本心はどれを入れても良いと思うのですが・・・」
と検査者に話しかけました。
検査者の回答は「質問者の意図を汲み取って下さい

ワタシはほんのちょっとデザイン系の勉強経験があったりなんかします。
すると“アクセント”などという一種の知恵が働いたり、“遊び心”などという嗜好的要素に駆られたりと、何かと脱線しがちです。
テストというのは基本的に質問者の意図する回答をすることを求められるものですので、そこからずれた場合には間違いとなります。
社会でも基本とされるところを押さえられないと、下手をすれば“異端”という扱いになると思います。
そういう面も垣間見られる設問ではないかと思います。

また、視覚刺激(色刺激を含む)も個人的には結構影響しました。
多色配色の幾何学模様はグロくて吐きそうになりました。

 

 



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