紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

神宮輝夫先生の講義

2007-06-12 07:50:46 | 2・仕事の周辺
私は以前、たったの一度だけ、朝日カルチャーセンターに通ったことがある。
1986年の1月~3月まで、行くはずだった。ところが、今でも残念だと思うのだけど、最後まで聞きに行けなかった。
講師は神宮輝夫先生。「英米児童文学のおもしろさ」という講義だった。

その頃、子供の本を書くことを目指していたけれど、1冊の本も完成していない時期だった。
私は、二人の子供達を保育園に預けて、マーケティング会社で週3ー4日アルバイトをしながら、それ以外の時間に原稿を書いていた。

そんな頃、朝日カルチャーセンターで、アーサーランサムの翻訳をされた神宮輝夫先生の講義があることを知った。当時、もうむちゃくちゃ忙しい生活だったのだけれど、どうしても聞きたくて、土曜日の午前中の講義をとった

先生のお話は、創作作法も混ざっていて、とても参考になった。

★出だしは説明的ではいけない。
★キャラクターが鮮明であること。魅力的であること。
★子供の文学には、くっきりとたどれる筋がなくてはいけない。……etc

そういうような話しを毎回聞いては、いつか本を出すことを夢見ていた。

ところが、講義途中の、2月の初め、講談社の編集者のKさんと会うことになり、そこで講談社児童文学新人賞をとったまま、宙に浮いていた作品(ぼくらの夏は山小屋で)を書き直しなさい、といわれたのだ。それもその年の夏までには出したいので、急いでという。

おまけに、その年の3月8日には、我が家は引っ越しをひかえていた。

保育園児二人が家にいて、アルバイトと、引っ越し準備だけでも、目が回るほどだったのに、本を書き直すことになって、とうとう神宮輝夫先生の講義は、半ばにして続けることを断念した。
今でも、あの年じゃなかったら、最後まで聞きに行けたなあと思う。でも、わずか数回だったけれど、先生の言葉は、その後も心に残っている。

2 コメント

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紅蓮さんへ (さと)
2007-06-12 17:05:38
昔の講義の先生が時を経て、こうしてまたお話が聞けるなんていいですよねぇ。
忙しい時はいつも重なるし、まして子育ての最中、頑張り屋の紅蓮さんが想像できます(笑)

今日も諏訪ッチさんと紅蓮さんは少し頑張りすぎじゃないかしら?って二人で心配をしていました。
お会いできましたよ~
とっても優しいブログどうりの誠実なお人柄でした。
素敵な方とご縁が繋がり嬉しいです~
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さとさんへ (紅蓮)
2007-06-12 17:29:30
あ~、会えたんだ♪ 私は諏訪ッチさんとは中学3年に会ったのが最後です。
何十年会ってないんだ?

そして、二人で心配してくれてありがとう。最近は、自分の身体を相談しながら、いろいろやるようにしています。でも、また、だんだんとそうでもなくなってきちゃったかな。
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