ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

榛名外輪山 天神峠~相馬山~沼の原~硯岩

2011-06-15 23:57:56 | 登山(両毛・常総)


天神峠バス停→天目山→七曲峠→磨墨峠→相馬山山頂→磨墨峠→沼ノ原→榛名湖
→硯岩→榛名湖畔バス停




週間天気予報で、「水曜日は梅雨の晴れ間が広がりそうです」と予報が出ていたので
昨日の夕方にどこかへ山歩きに行こうと計画していたら
夕方の天気予報では曇りの予報になり、「太陽が顔を出す所もあるでしょう」と激変
各地の天気予報を比較した結果、関東地方では群馬県の天気が良さそうなので
行き先を榛名山に決め、外輪山を縦走するコースを歩いてみることにした。


最寄り駅6時22分発の電車に乗り、大宮駅で高崎線に乗り換えて高崎駅で下車。

高崎駅西口の2番バス乗り場から出ている榛名湖行きの8時30分発のバスに乗る。
約1時間20分バスに揺られ、天神峠バス停で下車。

文化10(1815)年に寄進された石燈籠は、旧天神峠から移設したもので、ここから登山道に入る。

新緑が清清しい道。

ところが土の道は長く続かず…、出ました、関東ふれあいの道仕様、階段
とにかく、延々と階段が続く

登山道脇に咲いているヤマツツジが、苦しい階段上りの慰めになる。

これでもかと続く階段が終わり、笹原の気持ち良い道になる。

ユキザサ(オオバユキザサかも)が白くて小さな花を咲かせて、至る所にある。

うわっまた階段今度は丸太の階段で、土がえぐれて歩きづらいことこの上ない。

と、道標の立つ開けた場所に出て、そこには「天目山」と書かれた板が。
あれ~?天目山の手前に氷室山というピークがあるはずなのだが、気が付かなかったか…

うわ~今度は下りで階段登場



階段途中の木立に、見事なフジが咲いていて見とれてしまう。
天目山から下り始めると、エゾハルゼミの大合唱がだんだん大きくなってきてかなりの音量に。

突然、目の前に何かがポトリと落ちてきて、足元を見たらエゾハルゼミであった。
ここに来るまでの間、榛名湖からそれほど離れていないためか車やバイクのエンジン音が聞こえ
そればかりではなく、道路に溝を作りそこを車が走ることによって音楽が聞こえるようにした
「榛名湖メロディライン」を車などが通る度に、『静かな湖畔』が微妙な音程で流れるのだ
ここからは、エゾハルゼミのお蔭で車やバイクのエンジン音が気にならなくなった。
工事中の車道に出た所が七曲峠で、車道を渡り登山道に入る。

ヤマボウシ。

ツツジ峠は明るく開けた場所で、左手には榛名湖が見える。
この周辺は植物も豊富で、様々な鳥の鳴き声も聞こえてくる場所だった。
ツツジ峠の手前で、コルリが目の前をチョンチョンと横切っていったのが印象的だった。

キンポウゲだろうか、そこここで美しく咲いている。

これから目指す相馬山が見えてきた。

磨墨岩(するすいわ)へ行く道(崖?)を見送り、行人洞と呼ばれる洞窟へ。
洞窟内には石仏が安置され、岩には壁画が施され、石碑などが立っている。

ホウノキのつぼみ。
大きいまるで『ガメラ2 レギオン襲来』に出てくるレギオンの草体みたいだ。

ヤセオネ峠へ向かう分岐には、立派な鳥居が立っており、ここをくぐって相馬山へと向かう。
この鳥居から相馬山までは岩場の急登で、途中2箇所の鎖場と、鉄梯子が架かっている。
岩場をグングン高度を上げていくのは苦手な方もお出でかと思うが
ぴすけはこういう登りは大好きで、関東ふれあいの道仕様の階段よりよほどマシである

登山道脇には、登拝記念などで奉納された数々の石造物が並んでいる。

出ました、鉄梯子
ほぼ垂直だが、確実に一歩一歩登れば、なんということはない。

「あと10分」のプレートが木に取り付けられていたが
そこには誰が付け加えたのか、「あとじゅうぶん」のいたずら書きが。
おそらく、ここまでの急登がかなり堪えていたのだろう。
「あとじゅうぶん」というより、「もうじゅうぶん」ということか
ここから山頂までは、本当に約10分であった。

途中、マイヅルソウの小規模な群落がある。
秋には、真っ赤な実をつけるのだろう。

ヤセオネ峠への分岐にあった鳥居から数えて3つめの鳥居をくぐると、頂上はすぐだ。

頂上には黒髪山神社の社殿が建っており、石造物も多数建立されている。
ここまで、全然休憩をとらずに歩いてきたので、神社の片隅で、お昼休憩にした。
味噌汁を作ろうとしたのだが、スプーンも箸も持ってこなかったことに気付き、お茶で我慢した。
頂上からの展望は、生憎ガスがかかって周囲は真っ白、何も見えなかった。
長居しても仕方がないので、20分ほどで下山を開始。
ヤセオネ峠への分岐までは、慎重に岩場を下る。

ヤセオネ峠への分岐からは、ヤセオネ峠へは向かわずにツツジのトンネルをくぐりながら来た道を戻る。

ぴすけの指にエゾハルゼミが捕獲したのではない)
実は上からポトリと落ちてきて、手に引っかかったのだ。
近くのツツジの木に留まらせたが、無事で命を全うしてくれることを祈る

磨墨岩が眺められる開けた場所を過ぎる。

ほどなく、「ゆうすげの道」と書かれている沼の原への方角に進路を採る。

沼の原に出て振り返れば、先ほど登った相馬山(左のピーク)と磨墨岩(右の岩峰)が眺められる。
沼の原の木道は、老朽化が激しいので要注意。
沼の原の県道33号線の相馬山側にはヤマツツジが、榛名富士側にはレンゲツツジが多く咲いている。

これは相馬山側から見た、ヤマツツジと榛名富士。

これは県道33号線を渡り、榛名富士側から見た、レンゲツツジと榛名富士。

このレンゲツツジの群落は見事で、ちょうど満開のいちばん良い時であったかもしれない。
うっとりとツツジを眺めながら歩いていると、真剣にカメラを構えてツツジを撮影している男性が1人。
この方と、30分ばかり各地の山と花について立ち話をし、硯岩が良い場所だと教えてもらう。

途中で見付けた群馬県のマンホールの蓋はなかなか素敵で、利根川を県の魚の鮎が泳ぎ
その奥に上毛三山(左から妙義山・榛名山・赤城山)が聳え
周りを、県の木のクロマツ・県の花のレンゲツツジ・県の鳥のヤマドリが囲んでいる。
沼の原を抜けて榛名湖畔に出ると、予定より1時間30分も早く歩けてしまったので
写真を撮っていた男性に教えてもらった硯岩へと向かう。
硯岩へは、掃部ヶ岳(かもんがたけ)に向かう登山口の途中から右手に入り、尾根を登り詰める。

登り詰めた所にある硯岩からは、眼下に榛名湖、正面には榛名富士、そして榛名外輪山が一望できる。
硯岩に飛び出た瞬間に、パッと視界が開けて榛名全体を見渡せるうえに
登ってくる道には危険な場所がないのに、見渡す景色にはそこそこ高度感があって
もう少し天気が良ければ言うことなしである。
教えてくださった、男性に感謝。
ありがとうございました

右手、硯岩の向こうに薄く見える2つのピークのうち、左のピークが相馬山だ。
こうしてみると、随分歩いたように感じる。

帰りは、バスで伊香保温泉経由で渋川駅に出て、渋川駅に停車中だったD51に遭遇
ディーゼル車に引っ張られていたものの、走り出しに車輪が回転し始める重厚感に感激
高崎駅で高崎線に、大宮駅で宇都宮線に乗り換え、帰宅した。


榛名山は観光地であり、山を歩いても車道からエンジン音が聞こえてきたり
榛名富士を見上げれば、山腹南面にロープウェイが架けられていて景観としては残念だが
外輪山の森を歩けば、様々な種類の動植物が見られ、思いのほか自然が保たれていると感じた。
榛名外輪山のコースを選ぶため参考にした地図の山行アドバイスとして
「3つのピーク、3つの峠を通るためアップダウンが多く、それほど長くない歩行時間にしては疲れるので、
 心して登りたい。」
と書かれていたため、かなり用心して歩いたのだが、疲れる原因はアップダウンそのものではなく
そのアップダウンが関東ふれあいの道仕様の階段だからではないだろうかと感じた。
関東ふれあいの道を「整備されている」という言い方もあるのかもしれないが
至る所で行われている階段設置は、必要最小限にとどめてもらいたいと、切に願う。






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2 コメント

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確かに階段は! (芝刈り爺さん)
2011-06-18 20:23:26
階段は確かに、歩きにくいですね。
傾斜が急で、歩くことの風化(?)、ないしは破壊で山肌がダメージを受けるような場合は、階段も必要かとも思いますが、やみくもな階段設置は、もしかしてこれもある種の土建屋さんのための公共事業かもしれません。

もっとも私のほうの山は、地元の山愛好家の方がなんと山肌を削って、泥の階段を作って、山の破壊に尽力しています。困ったものです。

なるべくならインパクトを少なくしたいものです。山道を削ってしまう山道づくり、必要のない赤テープ、5メートルおきの目印のようにべたべたと付いていて、これもうるさい。

わが里山もこのころ急に人が増え、これまでけもの道以下の山にも道標ができ、道が作られ、
静かな山を愛する私はさらに偏屈に、奥山に行きますが、イノシシやシカにこれまた可愛い山がいじめられ、何とも悲しいです。

それにしても、榛名山、さすがにウイークデイ、静かそうですね。あまり歩かれていないのでしょうかね。
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団体を避けるようにして (ぴすけ)
2011-06-18 22:17:46
芝刈り爺さん、子持山でも地元の土建屋(?)が寄付をしたという延々と続く階段があって、辟易しました。
どうして地元の土建屋の寄付かわかったかというと、御丁寧にも書いてあったのです
良いことをしていると、思ってるのでしょうかね~
むしろ榛名外輪山などは、階段が歩きにくいためか、場所によっては階段脇を歩くことによって、踏み跡による登山道拡大・下草の裸地化が進行しつつあると感じました。

ウイークデイの榛名は、バス停で1名、相馬山の山頂で3名に出くわしただけで、確かに人が少ないかもしれません。
赤城山や妙義山と比べても、ハイキングスタイルの人を滅多に見掛けませんでしたから。
唯一、磨墨峠で30名超の埼玉から来たという団体に会いました。
ちょうど弁当を広げていたので、追い越して相馬山に登ったのが正解だったのだと思います。
私が山頂でお昼を済ませ、鉄梯子を下りようとしていたら、団体がこれから鉄梯子を上ろうとしていました。
こちらは1人だから先に下りさせてくれないかと頼んで、サッサと下りて、サッサと反対方向へ

私が予想した以上に自然が保たれていると感じたのは、入山者の絶対数が赤城や妙義と比べて少ないのかもしれません。
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